存在のさみしさについて 気分はどのように世界をつくるのか|難波優輝
¥1,980
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発行:創元社
四六判 244ページ
定価 1,800 円+税 1,980 円(税込)
ISBN978-4-422-13013-2
初版年月日 2026年8月20日
この本は、さみしいを考える本だ。さみしいとは何なのだろう。さみしいことは悪いことなのだろうか。きっといいさみしさがあるのではないだろうか。どうしたらわるいさみしさから離れることができるのだろうか。
私たちが生きているあいだ「さみしさ」から離れることはない。きっと、さみしいことは、そんなに悪いことではない。それに向き合うことができさえするならば。さみしさは、それにただ圧倒されるだけではなく、それをじっくりと味わうこともできるはずだ。
その味わい方の可能性を、いろいろなさみしいものごとを見つめて、触ってみて、嗅いだり味わったりして、探求してみたい。
さみしさといっしょにいるために、何ができるだろう。
(「はじめに」より)
目次
序章 さみしいという存在のモード
存在のモード/ふだんづかいの「さみしさ」から/共有できなさ
第1章 清潔で明るい場所――ヘミングウェイとパスタ
リミナルスペース――誰かが来るかもしれない空間――/不確定さがもたらすざわめき/さみしさの無機質さ/「優しい味」とは?
第2章 マッチングアプリと愛せなさ――迂遠さと置き配
愛はすべてさみしい?/私たちは「べき」ですれ違う/愛の市場化/迂遠な愛と置き配
第3章 旅すること、住まうこと――スプートニクとキャラヴァン
旅の意味/可能性と不可能性/開いて閉じる
第4章 インターネットサーフィン――掲示板と知らないファイル
知らない街をサーフする/観光的精神分析
第5章 雨のモイスチャー――冷えと湿り気
雨的気分/湿り気と熱/雨の認識論
第6章 宇宙のイマージュ――流星と液体
天文学的崇高/宇宙になる
第7章 夏のサウンドスケープ――蝉と花火
蝉とミューズ/夕焼けの放送/花火と真夏のピーク/鎮魂としての花火
第8章 魚たちのまなざし――水族館とジオラマ
魚と目が合わない/水族館とガラス
第9章 ぬいぐるみの身体論――モノとイキモノ
ぬいぐるみとの間柄/人形の二重性/さみしさと笑い
第10章 機械のウェルビーイング――ミサイルとサイボーグ
人間がいなくなった後の世界/ミサイルのウェルビーイング
第11章 さよならの認識論――幸福と再会
さよならのエピステモロジー/もういない人を愛せる?/再会の難しさについて
第12章 悲しき玩具――コウメ太夫と私たち
人間の素材化/素材の条件
おわりに
あとがき
参考文献
著者プロフィール
難波 優輝 (ナンバ ユウキ) (著)
1994年生まれ。美学者。修士(文学、神戸大学)。立命館大学衣笠総合研究機構客員研究員、慶應義塾大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター訪問研究員。専門は分析美学とポピュラーカルチャーの哲学。近著に『批判的日常美学について』(晶文社、2026年)、『性的であるとはどのようなことか』光文社、『なぜ人は締め切りを守れないのか』堀之内出版、『物語化批判の哲学』講談社(いずれも2025年)。
(版元より)
