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寝ても覚めても 増補新版|柴崎友香
¥814
発行:河出書房新社 文庫判 344ページ 定価 740円+税 ISBN978-4-309-41618-2 初版年月日 2018年6月6日
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没後20年 作家主義 相米慎二 アジアが見た、その映像世界
¥1,500
発行 A PEOPLE 48ページ B5判型 目次 はじめに アジアが見た、その映像世界~中国 (北京晩報人文週刊編集者、文化記者 孫小寧/「人民日報海外版」日本月刊総編集長 蔣豊) 監督論。/樋口尚文(映画評論家、映画監督) 榎望(脚本家) 町田博(撮影) 相米チルドレン1 福本淳(撮影) 作品レビュー(小林淳一/相田冬二/金原由佳) 翔んだカップル セーラー服と機関銃 ションベン・ライダー 魚影の群れ ラブホテル 台風クラブ 雪の断章 情熱 光る女 東京上空いらっしゃいませ お引越し 夏の庭 The Friends あ、春 風花 空がこんなに青いわけがない 相米チルドレン2 今井孝博(撮影) 柄本佑(俳優) 行定勲(映画監督) 相米チルドレン3 佐々木尚(美術) アジアが見た、その映像世界〜韓国 DVDの話。 金原由佳(映画ジャーナリスト)エッセイ ほか (版元より)
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作家主義 相米慎二2023 台風クラブ シナリオ完全採録
¥2,200
発行 A PEOPLE 判型 A5 頁数 180 定価 2,200円(2,000円税抜) ISBN 978-4-909792-44-0 Cコード C0074 販売:ライスプレス 9月9日は相米慎二の命日。生きていれば75歳であった。今回の「台風クラブ 4Kレストア版」公開と相米慎二の命日に合わせ、書籍の刊行が決定した。出演者の工藤夕貴のインタビューを掲載。「台風クラブ」ウォッチャーのクリエイターとして、黒沢清(映画監督)、二ノ宮隆太郎(映画監督)、広瀬奈々子(映画監督)、野村麻純(女優)、ユン・ダンビ(映画監督)らが登場。夏目深雪、月永理絵、相田冬二、八幡橙、金原由佳ら評論家、海外の記者・評論家によるさまざまな「論」も掲載する。そして、シナリオを完全採録。読んでから観ても観てから読んでも、そこに、新たな発見があるだろう。 目次 インタビュー 工藤夕貴 黒沢清 二ノ宮隆太郎 広瀬奈々子 野村麻純 ユン・ダンビ 台風クラブ 論 夏目深雪 月永理絵 相田冬二 孫小寧 八幡橙 金原由佳 (版元より)
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作家主義 韓国映画
¥2,420
発行 APEOPLE 判型 A5 頁数 287 いま、韓国の作家映画に世界の注目が集まっている。映画大国である韓国ではハリウッドのようなエンターテインメント性の高い映画がメインストリームであるが、作家の映画が根強く生き続けており、それは、さらに多様に更新され続けている。ジャンルに囚われず、自己表現にこだわり、映画的魅惑に到達する韓国の作家映画たち。私たちは“「映画」は、アートである”と信じる。現代映画の潮流に抗うような、その佇まい。ひと言では表現できない、その複層的な魅力。独自の演出と、その刺激的な映像世界。作家で、いま一度、映画を見るということ=「作家主義 韓国映画」。そのタイトルのもとに、世界をリードすると言っても過言ではない、イ・チャンドン、パク・チャヌク、ポン・ジュノ、キム・ボラ、パク・チワン、ユン・ダンビ、イ・ジョンボム、チャン・ゴンジェ、チャン・リュル、ナ・ホンジン、ホン・サンスら韓国映画の作家たちのロングインタビューを掲載。イ・チャンドン監督に至っては全作品のレビューや、川村元気がイ・チャンドン監督の世界観を徹底解剖。さらに、女優の筒井真理子がパク・チャヌク監督作の「オールド・ボーイ」をはじめ、自身が感じてきた韓国映画への想いを語っている。 目次 第1章 イ・チャンドン インタビュー 映画と文学の交差点~村上春樹ライブラリー 全州映画祭リポート「イ・チャンドンとは何か?」 論 イ・チャンドン この崩壊する世界、寄りかかる支点 川村元気、イ・チャンドンを語る。 イ・チャンドン監督全作品レビュー 第2章 パク・チャヌク 論 パク・チャヌク 恐るべき映画作家『私は芸術映画のような商業映画を作る監督だ」 女優・筒井真理子、「オールド・ボーイ」を語る。 第3章 ポン・ジュノ 第4章 キム・ボラ 第5章 パク・チワン 第6章 ユン・ダンビ 第7章 イ・ジョンボム 第8章 チャン・ゴンジェ 第9章 チャン・リュル 第10章 ナ・ホンジン 論 ナ・ホンジン 今では代替不可能なひとつのジャンルになった監督 第11章 ホン・サンス 論 ホン・サンスはどこへ行く? ホン・サンスが撮った映画 論 ホン・サンスが描く旅と街 論 (版元より)
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作家主義 ロウ・イエ
¥2,420
発行:A PEOPLE 縦210mm 171ページ 価格 2,200円+税 ISBN978-4-909792-45-7 初版年月日 2023年10月 本書は、日本ではロウ・イエ監督の初めての書籍になります。ロウ・イエ監督は5年前、日本の雑誌のインタビューでこう語っています。 「何か不幸な出来事が起きてしまった場合、それを忘れずに記憶に留めておくことが重要」 ロウ・イエ監督は、まさにそんな作品を撮り続けていると思います。それは、単なる社会的な映画ではなく。テーマ主義に陥った人間ドラマでもなく。ロウ・イエ監督は、冷徹な時代の移り変わり、その残酷な運命の中で、力強く生きる人々の息遣いにも似た、愛と憎しみをリアルに描いていく。映像だからできる表現、その圧倒的な映像美で。私たちは、ロウ・イエ監督の作家性、映像芸術家としての創造の秘密(私たちにとってもちろん幸福なことであります)を、まさに記憶に留めておきたいと願っています。 過去作ごとに行われたインタビューを採録。最新作「サタデー・フィクション」に合わせて行われた、ロウ・イエ自身が現在を語るオリジナルのロング・インタビューを掲載。脚本家のメイ・フォン、女優の鈴木杏との対談。プロデューサーのマー・インリーが書き下ろした「ふたりの人魚」から「サタデー・フィクション」、過去から現在までのその軌跡。そして、評論家、ライターによる全11作品の完全レビューをお届けします。 目次 INTRODUCTION 「夢の裏側」より 溝樽欣二 INTERVIEW サタデー・フィクション 構成 児玉美月 シャドウプレイ 二重生活 パリ、ただよう花 スプリング・フィーバー ふたりの人魚 DIALOGUE ロウ・イエ × 鈴木杏 二重生活 構成 金原由佳 ロウ・イエ × メイ・ファン スプリング・フィーバー SPECIAL 馬英力〔マー・インリー〕 「ふたりの人魚」「サタデー・フィクション」まで ――私とロウ・イエ監督の二十年 文 馬英力〔マー・インリー〕 企画・翻訳 樋口裕子 「シャドウプレイ」の時代と「夢の裏側」から見た中国の映画制作 文 樋口裕子 REVIEW サタデー・フィクション 文 金原由佳 シャドウプレイ 文 小橋めぐみ ブラインド・マッサージ 文 夏目深雪 二重生活 文 夏目深雪 パリ、ただよう花 文 児玉美月 スプリング・フィーバー 文 児玉美月 天安門、恋人たち 文 八幡橙 パープル・バタフライ 文 相田冬二 ふたりの人魚 文 八幡橙 危情少女 嵐嵐 文 孫小寧 デッド・エンド 最後の恋人 文 孫小寧 HISTORY ロウ・イエ その軌跡 (版元より)
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旅と酒とコリアシネマ|チョン・ウンスク
¥770
発行 A PEOPLE 判型 B40 頁数 219 ソウル在住の紀行作家&取材コーディネーターのチョン・ウンスクが、どういうわけか繰り返し観てしまう韓国映画を取り上げ、その独自な楽しみ方について紹介していく。彼女にとって映画とは架空の物語ではなく、目の前で起きている現象であると言う。だからこそ、劇場にいる空間や時間を、「旅するように、酒場で過ごすかのように楽しむことができる」のだと。楽しみ方を紹介している作品が、ソル・ギョング×チョ・ハンソン競演によるクライムアクション「熱血男児」からはじまり、「逃げた女」「カンウォンドのチカラ」など、新旧のホン・サンス監督作品。アカデミー助演女優賞を受賞した名女優ユン・ヨジョンが、人情溢れるハルモニ(おばあさん)を好演した「チャンシルさんには福が多いね」。そして、「往十里(ワンシムニ)」「旅人は休まない」をはじめとする70~80年代の名作など30本以上。映画の撮影地となったソウル、釜山、特に田舎町に想いを馳せ、登場する魅力的なキャラクターや俳優の話も織り交ぜながら、大好きなお酒の話も少々‥‥。韓国全土を歩きまわってきた彼女ならではの視点で、飲食場面の細部にもこだわって紹介しているだけに、韓国各地を旅することが好きな人にも楽しんでもらえるはず。 目次 第1章 ソウルから遠く離れて 熱血男児/ソル・ギョング主演 南道の風景、韓国の母性 初恋のアルバム 人魚姫のいた島/チョン・ドヨン主演 未来との対比で天使を描く 亀、走る/キム・ユンソク主演 田舎の魅力伝えるアイテム満載 3人のアンヌ/イザベル・ユペール主演 映画を観てから旅に出る タクシー運転手 約束は海を越えて/ソンガンホ主演 おにぎりとキムチとチャンチククス 慶州(キョンジュ)ヒョンとユニ/パク・ヘイル主演 肉の噛み味、梨の香り、鄙には稀な美人女将。でも全部夢だったのかも ひと夏のファンタジア/キム・セビョク主演 海の向こうの市井の人々と出会う喜び 第2章 躁鬱と清濁の舞台、ソウル 往十里/シン・ソンイル主演 70年代の往十里エレジー 自由夫人/キム・ジョンニム主演 1950年代の元祖よろめきドラマ チルスとマンス/アン・ソンギ&パク・チュンフン主演 『鯨とり』と並ぶアン・ソンギ30代の名演技 ワンドゥギ/ユ・アイン&キム・ユンソク主演 匂い立つ韓国庶民の生活感 逃げた女/キム・ミニ主演 北村の風景 嘆きのピエタ/イ・ジョンジン主演 取り立て屋カンドが歩いた路地 チャンシルさんには福が多いね/カン・マルグム主演 ソウルのタルトンネに住む主人公 第3章 江原道の力、映画の力 カンウォンドのチカラ/ペク・チョンハク&オ・ユノン主演 百回観ても飽きない旅行奇談 昼間から呑む/ソン・サムドン主演 一人旅の理想と現実 ラブレター パイランより/チェ・ミンシク&セシリア・チャン主演 ひたすらパイラン(セシリア・チャン)を愛でる 旅人は休まない/キム・ミョンゴン&イ・ボヒ主演 一人旅、 そして、幸薄い美女との旅 ラジオスター/アン・ソンギ&パク・チュンフン主演 町も人もあたたまってゆく、少しずつ少しずつ 4章 釜山映画、威風堂々 悪いやつら/チェ・ミンシク&ハ・ジョンウ主演 ダメな男の全盛時代 10人の泥棒たち/キム・ユンソク主演 香港、マカオ、釜山が舞台の韓国美男美女図鑑 国際市場で逢いましょう/ファン・ジョンミン主演 『弁護人』『友へチング』と並ぶ「釜山映画」 (版元より)
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アジアシネマ的感性|小橋めぐみ
¥2,420
発行:A PEOPLE株式会社 判型:A5 頁数:168 定価:2,420円(本体:2,200円+税10%) ISBN 978-4-909792-52-5 Cコード C0074 販売:ライスプレス A PEOPLEから、女優ながら書評など文筆業も行う小橋めぐみの著者「アジアシネマ的感性」が発刊される。「恋読」(KADOKAWA)など書評の本も刊行している小橋めぐみ。現在は週刊新潮での書評連載を手掛けている。“本読み“と知られているが、アート、オペラなどほかのカルチャーにも造詣が深く、とりわけ映画好きでもある。そんな小橋がこれまでに発表してきた映画に関する文章と、膨大な書き下ろしから構成されているのが本書「アジアシネマ的感性」である。25本の映画を取り扱っているが、すべては“アジア映画”。アジア映画に映画かれる問題、家族、女性観などについて、小橋めぐみが自分の体験も含め、考察していく。それを「アジアシネマ的感性」と呼びたい。それは、多くの女性、男性に共感を与えることだろう。イ・チャンドン、ホウ・シャオシェン、エドワード・ヤン、ホン・サンス、ワン・ビン、ロウ・イエといったアジアの作家たち。「はちどり」「夏時間」「台北暮色」など新進気鋭の女性作家たち。「アワ・ボディ」など女性の身体などをテーマにした作品。さまざまな視点から「アジアシネマ的感性」が共感深く、醸造されていく。 (版元より)
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ショットとは何か 実践編|蓮實重彦
¥2,750
発行 講談社 発売日 2024年03月20日 価格 定価:2,750円(本体2,500円) ISBN 978-4-06-534269-5 判型 四六変型 ページ数 384ページ 「この書物には、その著者による『これこそ映画だ』という呟きがみちている(あとがきより) 映画批評の最高峰と称されるグリフィス論、ヒッチコックのショット分析からゴダール、イーストウッド、侯孝賢、ヴェンダース論に書き下ろし「殺し屋ネルソン」論まで。単行本未収録作17本を収めた、蓮實映画批評ベスト・オブ・ベスト! 収録作――『殺し屋ネルソン』――あるいはこの上なく不自然な自然さについて/単純であることの穏やかな魅力 D・W・グリフィス論/防禦と無防備のエロス――「断崖」の分析/周到さからもれてくるもの ヒッチコックの『めまい』の一シーン分析/囁きと銃声 ルキノ・ヴィスコンティの『イノセント』/緋色の襞に導かれて ロベール・ブレッソンの『ラルジャン』/揺らぎに導かれて――グル・ダット讃――/エリック・ロメール または偶然であることの必然/透明な痛みのために 『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』/孤独と音響的宇宙 クリント・イーストウッドの西部劇/彷徨える断片の確かな痕跡について ジャン=リュック・ゴダール監督『イメージの本』/寡黙なイマージュの雄弁さについて――侯孝賢試論――/静穏な透明さを超えて――エドワード・ヤン監督『クーリンチェ少年殺人事件』/ガラスの陶酔――ヴィム・ヴェンダース論/「撮る」ことの成熟、あるいはその理不尽な禁止について――『アネット』をめぐって/「冒険」について――ペドロ・コスタ試論――/『燃える平原児』 見るものから言葉という言葉を奪う この知られざる傑作について (版元より)
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ショットとは何か|蓮實重彦
¥2,420
発行 講談社 発売日 2022年04月27日 価格 定価:2,420円(本体2,200円) ISBN 978-4-06-524879-9 判型 四六 ページ数 304ページ グリフィス、ジョン・フォード、ドン・シーゲルから小津安二郎、コッポラ、トニー・スコット、デイヴィッド・ローリーら映画監督。スタンダード、ヴィスタヴィジョン、シネマスコープなどスクリーンの変遷。FOX、MGM、ワーナーブラザース、パラマウント等スタジオの歴史など。映画を彩るさまざまな要素をわかりやすく解説し、自身の映画体験と重ねて始めて語られる「ショット論」。世界中の映画ファン、必読かつ垂涎の書。 (版元より)
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●サイン本 あなたがいるから|相田冬二
¥3,960
発行 Bleu et Rose 全368頁 2024年11月30日、相田冬二(Bleu et Rose)は書籍『あなたがいるから』を発刊いたしました。 これは、1999年から2024年までに相田が劇場用パンフレットに寄稿した作品評101篇を収録したものです。全4章構成で、368頁。映画と歩んできた四半世紀をこの一冊に託します。 劇場用パンフレットは、相田が最も大切にしている媒体です。基本的に、映画をご覧になった方しか入手できず、また公開が終わるとほぼ入手できなくなる公式の冊子。映画館で販売され、映画のスーべニール(お土産)と呼んでいいこの存在に、こどもの頃から憧れてきました。パンフにレビウを執筆できることは、相田の誇りであり、毎回、その時点で持てる力をすべて投入してきたつもりです。 いま読むと至らない文章もありますが、それらを排除することはせず、ただ公開順に並べました。筆致には、変わった点と変わらない点いずれもがあります。そこも愉しんでいただければ幸いです。 永くお世話になっており心から信頼する編集者、森田真規さんに編集をお願いしました。この本は森田さんのプロデュース作品と言ってもよいと思います。また、森田さんと一緒に『なnD』というジンを10年以上にわたって作っておられるデザイナーの戸塚泰雄さんにデザインを手がけていただきました。さらに戸塚さんを通して、イラストレーターの箕輪麻紀子さんに表紙のイラストレーションを描いていただくことができました。一流のプロフェッショナル3人がコラボレートしたこの本は、わたしが個人的に「欲しいもの」として出来上がりました。本としての新しさ、みずみずしさ、豊潤さ、すべてがあるとおもいます。 ぜひ、あなたの許に置いてほしい。 ○ 相田さんの文章を読んで立ちどまることができた。自分でも感じていなかったことを、相田さんの想像力が代弁してくれる、整理してくれる。しかも美しく。 僕が走り続けた「線」から「点」を見出してくれる。相田さんにしかキャッチできないものがある。その優しく厳しいまなざしに、いつも救われています。 井浦新(俳優) 相田冬二はいつだって映画の語るエモーションの核心を捉え、みずからの言葉によって再現しようとする。分析的でありながら詩的でもあるその言葉遣いに、わたしはいつも驚嘆してきた。それはもはやもうひとつの“創作”なのではないかと思う。しかしそれもまた批評のひとつのかたちなのだ! 塩田明彦(映画監督) 一体、映画批評家って、いやさ批評家って何人いるんだ?という百鬼夜行の世界で、なるべく清楚でありたいというアティテュードに満ちた相田スタイル。 雑味や汚濁を持たず気骨が伝わる外柔内剛。 菊地成孔(音楽家、文筆家) 『天然コケッコー』の作品評を久々に読んだ。多少の照れと同時に薄っすら鳥肌が立った。たぶん、それは僕ら作り手たちの無意識を言葉にしてくれているからなのだと思う。 そよの魔法は解けたかもしれないけど、相田さんの文章は映画に魔法をかけてくれているような気がします。久々に『天然コケッコー』が観たくなりました。 山下敦弘(映画監督) 相田冬二さんに綴られた映画は幸福だ。 解像度が高く、それでいて眼差しはとびきり優しい。 映画に散りばめられている宝探しをしているかのよう。 観て、見つめ、愛でて、発見し、手放す。 まるで、映画たちの卒業文集。 読みながら、その映画の記憶が交錯し、胸が詰まった。 小橋めぐみ(女優、文筆家) 映画をつくるとき、わたしたちは考えて、考えて、考えて、最後は頭を真っ白にして夢中で撮る。 その無意識から生まれたシーンに、その映画の本質が描かれていたりする。 相田さんの文章はいつもその無意識を、つくり手のわたしたちに意識させる。 わたしたちは相田さんの視点から、心の奥底で本当に描きたかったことの正体を知る。 川村元気(映画プロデューサー、映画監督、小説家) 相田冬二の文章はいつも恐ろしく鋭い。 尖ったきっ先が問答無用に作品の本質に分け入り、たちまち映画そのものを探り当てる。 その手口はまるでよくできたB級犯罪映画のようだ。 そんな彼の手に掛かった多様な作品が並ぶこの書物は、ひとつの現代映画史と言っていいだろう。 黒沢清(映画監督) ○ 構成と収録作品 まえがき *1 黄泉がえり アナーキー・イン・じゃぱんすけ ほとけ トーキョー×エロティカ 黄泉がえり 着信アリ 犬と歩けば チロリとタムラ たまもの カナリア イン・ザ・プール 好きだ、 ストロベリーショートケイクス 魂萌え! キサラギ アヒルと鴨のコインロッカー 転校生〜さよなら あなた 天然コケッコー ジャーマン+雨 全然大丈夫 マイ・ブルーベリー・ナイツ ジャージの二人 トウキョウソナタ レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで アイ・カム・ウィズ・ザ・レイン わたし出すわ スノープリンス 禁じられた恋のメロディ 半分の月がのぼる空 ブロンド少女は過激に美しく *2 生きてるものはいないのか ゴモラ 孤独な惑星 生きてるものはいないのか さめざめ ル・アーヴルの靴みがき それでも、愛してる ぼっちゃん だいじょうぶ3組 箱入り息子の恋 HOMESICK 潔く柔く きよくやわく ジ、エクストリーム、スキヤキ 神様のカルテ2 友だちと歩こう 東京戯曲 こっぱみじん 神さまの言うとおり 人の望みの喜びよ 極道大戦争 レヴェナント:蘇えりし者 ヒメアノ~ル マネーモンスター ふきげんな過去 ひと夏のファンタジア 白い帽子の女 何者 いたくても いたくても イノセント15 ハクソー・リッジ いつまた、君と ~何日君再来~ 祈りの幕が下りる時 欲望の翼 *3 バーニング 羊の木 去年の冬、きみと別れ ニワトリ★スター 名前 きみの鳥はうたえる 愛しのアイリーン 教誨師 台北暮色 バーニング 劇場版 慶州 ヒョンとユニ 泣くな赤鬼 劇場版ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん 蜜蜂と遠雷 あなたを、想う。 ひとよ ラストレター 影裏 水曜日が消えた あなたの顔 ステップ チィファの手紙 窮鼠はチーズの夢を見る モルエラニの霧の中 *4 四月になれば彼女は 海辺の金魚 サマーフィルムにのって 彼女はひとり 麻希のいる世界 イントロダクション 青春の殺人者 女神の継承 百花 夜を越える旅 あなたの微笑み チーム・ジンバブエのソムリエたち 日の丸〜寺山修司40年目の挑発〜 ひとりぼっちじゃない リボルバー・リリー 台風クラブ まなみ100% めためた すべて、至るところにある 四月になれば彼女は あとがき (版元より)
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ファンキー中国 出会いから紡がれること
¥2,530
著者 井口淳子/山本佳奈子/広岡今日子/長嶺亮子/無常くん/宮里千里/二村淳子/大友良英/多田麻美/中山大樹/OKI/濱田麻矢/武田雅哉 発行:灯光舎 A5変形判 縦195mm 横148mm 厚さ22mm 320ページ 並製 価格 2,300円+税 ISBN978-4-909992-04-8 初版年月日 2025年2月10日 音楽、クラフトビール、TikTok、豆腐屋、祭祀、ロックフェスに伝統劇―― 多彩な書き手が一堂に会し、それぞれの視点と切り口で描く、ファンキーな中国体験記! 音楽家や収集家、映画祭主催者、祭祀採音者、研究者など13人が集まり、自身の体験した「中国」をそれぞれが思う存分に綴ったエッセイ集を刊行。 80年代の「魔都」上海と食の記憶、中国の村に出現したド派手なステージでのライブ、TikTok で見つけた瀋陽公園で溌溂と踊る人々。70年代の文革期から現代中国という時代をまたにかけ、北京の胡同(フートン)から雲南省、 果てはフランスや台湾、モンゴルにまでエッセイの舞台が広がっていく。 報道では伝えられることのない、書き手たちが映し出す中国の姿。「伝統」に新しいものを豪快に取り入れる姿があり、厳しい規制があるなか、生活に染み入る絶妙な「ゆるさ」や「自由」がある。ときにはカルチャーギャップと呼ばれるような衝撃にも戸惑いながら、書き手ひとりひとりが経験した小さな「出会い」を紡ぎます。 中国といえば国家や政治や歴史という大きなイメージをつい頭に浮かべてしまいがちですが、人と人が出会う小さな瞬間にこそ、かけがえのないものがある。そんな、ひとつの希望を感じるような一冊を刊行します。 本文とカバーのイラスト及び装幀は、『送別の餃子』でお馴染みの佐々木優さん。「14人目の書き手」として、自身の記憶に残る中国の街並みをカバーに描いていただきました。 (版元より)
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人が集まる、文化が集まる!まちの個性派映画館|美木麻穂
¥2,200
発行 PIE International 仕様 A5判変型 190×148mm ソフトカバー 192ページ フルカラー ISBN:978-4-7562-5811-3 C0074 デザイナー:宮﨑希沙(KISSA LLC) 多様な形で発信を続ける、全国各地の魅力的な映画館88 全国各地で映画館が守り続けられていると同時に、新たな映画館も生まれています。昭和レトロ・モダン建築・廃校のリノベなど……本書では、ファン獲得のために地域コミュニティに密着し、様々な工夫を凝らす映画館をイラストと写真で解説。グッズや紙もの、海外のアートシネマなども特集します。 【掲載館】 御成座 / シネマ・デ・アエル / 本宮映画劇場 / シネマテークたかさき / 高崎電気館(高崎市地域活性化センター)/ 深谷シネマ / 国立映画アーカイブ / シネマチュプキタバタ / 下高井戸シネマ / Stranger / 早稲田松竹 / シネコヤ / シネマ・ジャック& ベティ / 高田世界館 / 新潟・市民映画館 シネ・ウインド / 上田映劇 / シネマスコーレ / 静岡シネ・ギャラリー / 伊勢進富座 / シネ・グルージャ / 元町映画館 / 豊岡劇場 / シネ・ヌーヴォ / ジグシアター / シネマ尾道 / 漁港口の映画館 シネマポスト / 萩ツインシネマ / あたご劇場 / キネマミュージアム / 小倉昭和館 / 玉津東天紅 / 本渡第一映劇 / 桜坂劇場 ほか (版元より)
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ele-king cine series 誰かと日本映画の話をしてみたい
¥2,200
発行 P-VINE 編集 ele-king編集部 2024/9/25 発行 本体 2,000円+税 ISBN:978-4-910511-77-1 誰かと日本映画の話をしてみたい── これまで音楽映画やゾンビ映画、ホラー映画、アメコミ映画などのジャンルを扱い、好評を得てきた「ele-king cine series」が、満を持して「日本映画」を特集します! ■表紙・巻頭 『Cloud クラウド』 黒沢清ロングインタビュー「今、この社会で映画を撮ること」(真魚八重子) 論考「信じるに足る、とはどういうことか?」(佐々木敦) ■現代の日本映画 10人の監督 現代の日本映画にとって欠かせない監督10人を批評し本質に迫る。 【執筆) 吉田伊知郎/加藤よしき/森直人/児玉美月/岡本敦史/タダーヲ/朝倉加葉子/伏見瞬/三田格/水越真紀 【コラム】 「バブルが崩壊して始まった日本映画の話」(三田格) ■今、どのように映画を語るのか 愛の技法、動物化、反射のレッスン(荻野洋一) クィア表象から読み解く日本映画(木津毅) ゴジラ映画に描かれ続ける「時代の要請」(三田格) このアニメ、この作家2024(岡本敦史) 二〇二〇年代のドキュメンタリー映画から紐解く社会問題(タダーヲ) ■草野なつかインタビュー「自分のやり方で映画を取り続けるために」(月永理絵) 英国映画協会(BFI)が発表した、「1925年から2019年までの優れた日本映画」の中で“2019年の一本”に選ばれた『王国(あるいはその家について)』をで国際的な評価を得るなど、世界から注目される映画監督のこれまでとこれからを訊く。 ■巻末放談 中原昌也・三田格 「そんなことより、日本映画の話をしましょうよ」 (版元より)
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映像の発見 ——アヴァンギャルドとドキュメンタリー|松本俊夫
¥1,430
ちくま学術文庫 定価 1,430円(10%税込) ISBN 978-4-480-51275-8 Cコード 0174 整理番号 マ-57-1 刊行日 2024/11/07 判型 文庫判 ページ数 304頁 解説 中条省平 人間の意識と感性の拡大を目指した映画論の名著 見えないものを見えるようにすること――。真にラディカルな作品とは何か。映画史的な直感から放たれる鋭利にして至高の映画論。解説 中条省平
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新版 ハリウッド100年史講義 夢の工場から夢の王国へ|北野圭介
¥990
平凡社新書 出版年月 2017/07 ISBN 9784582858495 Cコード・NDCコード 0274 NDC 778 判型・ページ数 新書 336ページ アメリカ映画100年の夢とは何か。ハリウッドの誕生から、その盛衰、そして現在までを描き切る。旧版に大幅加筆した決定版。
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明るい映画、暗い映画 21世紀のスクリーン革命|渡邉大輔
¥2,750
発行 blueprint 四六判 328ページ 定価 2,500円+税 ISBN978-4-909852-19-9 気鋭の批評家・映画史研究者である渡邉大輔による初の評論集。インターネット、スマートフォン、SNS、Zoom、VR、AR、GoPro……新たなテクノロジーによって21世紀の映画はどのように変容したのか? 「明るい画面」と「暗い画面」という見立てから、これからの映画の可能性を読み解く画期的論考を収めた第1部、『君の名は。』『天気の子』『鬼滅の刃』『ドライブ・マイ・カー』など、話題のアニメ・映画を鋭く論じた第2部、合計328頁のボリュームでお届けする。 「これぞ「ポスト・パンデミック時代の映画」の条件だ。 だがそれは、現状より10年以上前から、私たちにひたひたと忍び寄ってきたものの汪溢だった。 その事実を、本書は、徹底的に暴く。デスクトップ的なZoom映画、人新世、「明るい暗さ」、暗黒啓蒙、接触的平面、ポスト・ヒューマニティーズ、そしてZ世代――。映画と、世界とを語る、最先端のキーワードを充填して。 これが、僕たちの時代の切れ味である。」(さやわか・物語評論家)
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菊地成孔の映画関税撤廃|菊地成孔
¥2,420
発行:株式会社blueprint 発売:2020年2月5日 価格:2,200円+税 仕様:336ページ ISBN-10:4909852069 ISBN-13:9784909852069 日本を代表するジャズミュージシャン・菊地成孔が、2010年代後半の必見映画を舌鋒鋭く論じた映画批評書。映画情報サイト『リアルサウンド映画部』の連載より厳選したレビューを中心に、映画界を賑わせた数々のコメントや、『マイ・フーリッシュ・ハート』で再注目された伝説のジャズミュージシャン、チェット・ベイカーについての書き下ろしコラム、さらに気鋭の監督や評論家との対談まで収録した一冊となっている。
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韓国映画から見る、激動の韓国近現代史|崔盛旭
¥2,420
SOLD OUT
発行 書肆侃侃房 四六判、並製、368ページ 定価:本体2,200円+税 ISBN978-4-86385-624-0 C0074 デザイン 戸塚泰雄(nu) 植民地支配、南北分断と朝鮮戦争、長きにわたる軍事独裁、そして国民の手で勝ち取った民主化……。「3・1独立運動」「済州島4・3事件」「光州事件」「6月抗争」など激動そのものだった韓国の近現代史とそのなかで形作られてきた「儒教的家父長社会」。近年ますます存在感を高めている「韓国映画」を題材に、そこから透けて見える歴史や社会問題を解説。韓国という国のダイナミズムをより深く、より立体的に理解するための一冊である。 『パラサイト 半地下の家族』『タクシー運転手~約束は海を越えて~』『KCIA 南山の部長たち』『1987、ある闘いの真実』『ベイビー・ブローカー』『ミナリ』『はちどり』『息もできない』『キングメーカー 大統領を作った男』『高地戦』『金子文子と朴烈』『グエムル-漢江の怪物-』『焼肉ドラゴン』『私の少女』……韓国映画44本から激動の歴史を読み解く。 韓国映画はなぜ、悔恨と希望を同時に語るのか。 人間の奥底にひそむ心優しさに訴えかけるのか。 本書は現代の韓国映画を造り上げてきた、 人間の強さをめぐるエッセイである。 浅い水の戯れは愉しく美しい。 深い淵を覗きこむ者は、隠された物語を知る。 歴史という名の知恵のことだ。 ――四方田犬彦(映画誌・比較文学研究家) 【目次】 はじめに 凡例 第1章 韓国と日本・アメリカ・北朝鮮 韓国と日本 ❶『ロスト・メモリーズ』歴史「改変」映画は新たな解釈の可能性を提示できるか ❷『密偵』英雄か、逆賊か 歴史の曖昧さゆえに成し得た物語 ❸『金子文子と朴烈』〝反日〟映画が再発見した、ある日本人女性の強烈な生 ❹『マルモイ ことばあつめ』言葉が奪われた時代に、言葉を守り抜いた人々 ❺『哭声/コクソン』韓国社会における、よそ者/日常としての日本 韓国とアメリカ・北朝鮮 ❻『スウィング・キッズ』戦争とミュージカルのコントラストが叫ぶ「イデオロギーなんてくそったれ!」 ❼『高地戦』人間に優先されるイデオロギーはない 無意味な攻防戦に散った若い命 ➑ 『グエムル-漢江の怪物-』少女はなぜ死ななければならなかったのか? 〝反米〟に透けて見える映画の真のメッセージ ❾ 『白頭山大噴火』殺し合う南北/抱きしめ合う南北、映画に見る南北関係の変遷 ❿ 『レッド・ファミリー』北朝鮮スパイの歴史と映画が描く韓国の欲望 コリアン・ディアスポラ ⓫ 『チスル』韓国現代史最大のタブー「済州島4・3事件」への鎮魂歌 ⓬『焼肉ドラゴン』彼らが日本(ここ)にいる理由 家族史に見る「在日」の終わらないディアスポラ ⓭『ミナリ』アメリカは「夢」か「逃避」か? さまよう韓国人たち ⓮『ミッドナイト・ランナー』民族の再会から他者の排除へ 韓国映画は朝鮮族をどう描いたか コラム監督論①チャン・リュル あらゆる境界を越えて東アジアを周遊する 第2章 軍事独裁から見る韓国現代史 朴正煕政権 ⓯『国際市場で逢いましょう』それでも「あの時代は良かった」? 独裁時代と父親たちに贈るノスタルジア ⓰『7番房の奇跡』法は公正なのか? 独裁時代の暗黒司法史と死刑執行停止のいま ⓱『KCIA 南山の部長たち』正義心か、ジェラシーか 独裁者を撃ち抜く弾丸が意味するもの 全斗煥政権 ⓲『タクシー運転手~約束は海を越えて~』韓国現代史上最悪の虐殺「光州事件」の真相に挑んだ劇映画 ⓳ 『弁護人』 仕立てられた「アカ」のために闘った人権弁護士 盧武鉉大統領前史 ⓴ 『1987、ある闘いの真実』二人の大学生の死が導いた独裁の終焉と民主化への一歩 コラム監督論②イ・チャンドン 作品に見る光州事件と1980年代韓国現代史 第3章 韓国を分断するものたち 格差 ㉑『パラサイト 半地下の家族』韓国社会の格差を浮き彫りにする三つのキーワードから見えてくるもの ㉒ 『国家が破産する日』政経癒着の帰結としての「IMF通貨危機」、それがもたらした分断社会 ㉓『バーニング 劇場版』「村上春樹ブーム」と「喪失」の90年代韓国を、現代の若者像に翻訳する 儒教的男性社会 ㉔『はちどり』 少女の眼差しが晒す韓国儒教社会と暴力の連鎖 ㉕『82年生まれ、キム・ジヨン』 抑圧に押し潰された女性たちが、自らの声を取り戻すまで ㉖ 『息もできない』底辺に生きる男が「悪口」の果てに求めた「家族のメロドラマ」 ㉗『お嬢さん』男もヒエラルキーも乗り越えて 《帝国》と《植民地》の女性、勝利の連帯へ ㉘『ハハハ』〝あるべき男性像〟を笑い飛ばしてくれる、大いなる人間賛歌 マイノリティ ㉙ 『ファイター、北からの挑戦者』現在進行形のディアスポラ「脱北者」の少女が拳で立ち向かう韓国 ㉚『バッカス・レディ』歴史の影に取り残された女性による、男性への復讐譚 ㉛ 『私の少女』儒教・異性愛・ホモソーシャルな韓国社会にLGBTQの未来はあるか ㉜『トガニ 幼き瞳の告発』国民の怒りを呼び起こし、社会を変えた一本の映画 コラム監督論③女性監督の系譜 映画『オマージュ』が復元する女性(映画)史 第4章 韓国の〝今〟を考える 政治とメディア ㉝『キングメーカー 大統領を作った男』選挙の負のレガシーを作った男たち 「カルラチギ」の起源をたどる ㉞ 『アシュラ』大統領選を前に《逆走行》した一本の映画から、政経癒着の歴史を紐解く ㉟ 『共犯者たち』権力とメディアの関係性を皮肉に暴くドキュメンタリー 社会問題 ㊱『冬の小鳥』踏みにじられた人権 韓国養子縁組問題の背景を探る ㊲『ベイビー・ブローカー』韓国で映画を撮った日本人監督たち 浮かび上がる韓国 ㊳『殺人の追憶』連続殺人と軍事独裁という絶妙なメタファー ㊴『サムジンカンパニー1995』「英語」を武器に下剋上を目論む高卒女性たちの反乱 ㊵『整形水』「美」は誰の欲望か? 外見至上主義と整形大国の関係性 ㊶『明日へ』勝ち取る喜びをもとめて デモ大国・韓国における闘うことの意味 ㊷ 『サバハ』新興宗教が乱立する韓国社会 エセにすがる人々の宗教的心性 ㊸『君の誕生日』セウォル号事件 遺族の悲しみに「寄り添う」ということ ㊹ 『D.P.-脱走兵追跡官-』韓国兵役物語 若者たちの絶望と軍隊をめぐる諸問題 コラム監督論④キム・ギヨン 〝怪物〟監督の全盛期に見る韓国社会の深層 おわりに 韓国近現代史年表 韓国歴代大統領詳細 索引 i 初出一覧 ii 主な参考文献・検索サイト v 【著者プロフィール】 崔盛旭(チェ・ソンウク) 1969年韓国生まれ。映画研究者。明治学院大学大学院で芸術学(映画専攻)博士号取得。明治学院大学、東京工業大学、名古屋大学、武蔵大学、フェリス女学院大学で非常勤講師として、韓国を含む東アジア映画、韓国近現代史、韓国語などを教えている。著書に『今井正 戦時と戦後のあいだ』(クレイン)、共著に『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)、『日本映画は生きている 第4巻 スクリーンのなかの他者』(岩波書店)、『韓国女性映画 わたしたちの物語』(河出書房新社)など。日韓の映画を中心に映画の魅力を、文化や社会的背景を交えながら伝える仕事に取り組んでいる。
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九月はもっとも残酷な月|森達也
¥1,980
発行 ミツイパブリッシング 判型: 四六判 価格: 1,800円+税 ISBN: 978-4-907364-36-6 発売予定日: 2024年8月26日 映画「福田村事件」監督の最新時評集。関東大震災後に起きた朝鮮人虐殺を見つめ、ウクライナやガザに煩悶する。「〈僕〉や〈私〉の一人称が、〈我々〉〈国家〉などの大きな主語に置き換わるとき、人や優しいままで限りなく残虐になれる」と著者は言う。映画公開前後の日々から独自の映像創作論、初めて福田村事件をとりあげた伝説のエッセー「ただこの事実を直視しよう」も収録。その他、入管法やイスラエル・パレスチナ問題、東アジア反日武装戦線など、時事ニュースの奥に潜む社会の核心に食らいつく。 著者プロフィール 森 達也 (モリ タツヤ) (著/文) 1956年広島県生まれ。映画監督・作家。98年、ドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』で山形国際ドキュメンタリー映画祭特別賞・市民賞。2023年、劇映画『福田村事件』で釜山国際映画祭ニューカレンツ賞を受賞。著書に『放送禁止歌』『死刑』『A3』(講談社ノンフィクション賞)、『いのちの食べかた』『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』『ぼくらの時代の罪と罰』『千代田区一番一号のラビリンス』『虐殺のスイッチ』他多数。
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ショットとは何か 歴史編|蓮實重彦
¥2,750
発行 講談社 発売日 2024年08月22日 価格 定価:2,750円(本体2,500円) ISBN 978-4-06-535896-2 判型 四六変型 ページ数 340ページ 映画の「未来」に向けて/スクリューボールまたは禁止と奨励 ハリウッド30年代のロマンチック・コメディー/オーソン・ウェルズはたえずフィルモグラフィーを凌駕しつづける/「黒さ」の誘惑 リタ・ヘイワースの曖昧さはいかにして「フィルム・ノワール」を擁護したか/これは、「黄昏の西部劇」である以前に、映画の王道に位置づけらるべき作品である サム・ペキンパー監督『昼下りの決斗』/ロッセリーニによるイタリア映画史/ロベルト・ロッセリーニを擁護する/娘のイザベラを使って、ロッセリーニに『イタリア旅行』のリメイクを撮らせたくてならなかった/ジャン・ルノワール論のために/レマン湖の畔にて ゴダールにとっての―あるいは、ストローブにとっての―スイスについて/署名の変貌――ソ連映画史再読のための一つの視角/寡黙なるものの雄弁 ホー・シャオシェンの『戀戀風塵』/吹きぬける風のかなたに「黒衣の刺客」/タイプライターとプロジェクターに護られて/ここでは、魂と肉体とが、奇蹟のように融合しあっている「アンジェリカの微笑み」/歳をとらずに老いるということの苛酷さについて ペドロ・コスタ『ホース・マネー』/このホークス的なコメディは、文字通りの傑作である ウェス・アンダーソン監督『犬ヶ島』/十字架 シャワー 濡れた瓦…… 『ヴィタリナ』をめぐってペドロ・コスタに訊いてみたい三つのことがら/抒情を排したこの寡黙な呟きに、ひたすら耳を傾けようではないか ―ケリー・ライカート小論―/黒沢清『スパイの妻』『蛇の道』/濱口竜介『悪は存在しない』/映画の「現在」に向けて ゴダールの『奇妙な戦争』に触れて思うこと/年間ベスト10
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まちの映画館 踊るマサラシネマ|戸村文彦
¥1,760
発行:西日本出版社 四六判 206ページ 定価 1,600円+税 ISBN978-4-908443-41-1 初版年月日2024年5月 2刷 出来予定日: 2024-07-04 アニメや洋画までマサラ上映してしまう「ひときわおかしい」という誉め言葉で紹介される映画館。 シネコンに囲まれ、動画配信サイトも続々と登場するなか、兵庫県尼崎市にある小さくて古い、昭和の匂い残る昔ながらの駅前映画館が、知恵をしぼり、音響にこだわり、マサラ上映を取り入れ、コスプレ推奨、映画イベントに町を巻き込み、とにかく思いついたことは何でもやって、閉館寸前から全国から人が集まるようになるまでのノンフィクション。 その道のり。前途多難、危機一髪、紆余曲折、決して楽ではありませんでした。しかし、苦労と苦悩の辛い日々だったかと言うと、実はそんなことはなかったのです。 <特別巻末対談> 小林書店 小林由美子さん 塚口サンサン劇場 戸村文彦さん まちの映画館 まちの本屋さん 「これ、私たちの話やん」「ほんまは、私たちがやらんとあかんやつやん」 小林由美子さんが、その復活へのはちゃめちゃな施策に唸り、本屋の仲間、後輩とお客様に向けて伝えたいことを、著者・戸村文彦さんと語り合いました。 【目次】 プロローグ 第一章 閉館までのエンドロールが流れ始めた 第二章 崖っぷちから見えた希望の光 第三章 35ミリフィルムからデジタル化への決断 第四章 映画館という「場所」と、映画鑑賞という「体験」に価値を見出す 第五章 イベント上映は「大人の文化祭」 第六章 「音響」がすべてを変えた 第七章 映画館をテーマパークにする 第八章 最大の強みは人、そして町 第九章 映画鑑賞をショーにする 第十章 映画館がエンターテインメントを作る 第十一章 これまでのすべてを注ぎ込んだ2019年 第十二章 窮地に下を向かず、転機と捉えて上を向く エピローグ [特別対談] まちの映画館とまちの本屋さん どっちも癖のもん、朝ごはんをたべるように来てほしい 塚口サンサン劇場 戸村文彦 × 小林書店 小林由美子 著者プロフィール 戸村 文彦 (トムラ フミヒコ) (著) 兵庫県尼崎市にある映画館「塚口サンサン劇場」勤務。 番組構成、企画運営、YouTube、劇場の掃除まで”映画館の仕事”すべてに携わる。 時に、イベント上映でお客様の前でパフォーマンスを敢行することから、スタッフには”前説芸人”と言われている。 学生時代も映画館でアルバイトをしており、人生のほとんどを映画館で過ごしている。
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この映画を視ているのは誰か?|佐々木敦
¥2,860
発行 作品社 本体 2,600円 ISBN 978-4-86182-768-6 発行 2019.8 アピチャッポン・ウィーラセタクン、黒沢清、ウェス・アンダーソン、ジム・ジャームッシュ、ホン・サンス、濱口竜介……。ホラーから、小説の映画化、ドキュメンタリー、パフォーマンスにいたるまで、「視ること」を通して世界に対峙する最前線の作家たち。その倫理と原理を読み解き、映画表現、ひいては人間の視覚経験そのものの根源/極限に迫る。 【目次】 この映画を視ているのは誰か? 第一部 映画幽霊論 Ghost in the Machine――アピチャッポン・ウィーラセタクン論 Beautiful Dreamer――アピチャッポン・ウィーラセタクン論2 視えないものと視えるもの――黒沢清論 視えるものと視えないもの――諏訪敦彦論 「ホラー映画」の内と外 第二部 現代映画の諸問題 救い主が嗤われるまで――ラース・フォン・トリアー論 ファンタスティック Mr.アンダーソンの後悔と正義――ウェス・アンダーソン論 からっぽの世界――ポール・トーマス・アンダーソン論 慎ましき「反知性主義」――ジム・ジャームッシュ論 第三部 カメラと視線の問題 反復と差異、或いはホン・サンスのマルチバース FOR YOUR EYES ONLY――映画作家としてのアラン・ロブ=グリエ 彼女は(彼は)何を見ているのか――濱口竜介論 向こう側への旅――鈴木卓爾論 シネマの倒錯的(再)創造――七里圭論 なぜ私は『わたしたちの家』を自ら配給しようと思ったか?――清原惟論 不可視の怪物(リヴァイアサン)/二つの「コクピット」/第三の眼 孤絶の風景――沖島勲論 あとがき 【著者略歴】 佐々木 敦(ささき・あつし) 1964年生まれ。批評家。音楽レーベルHEADZ主宰。早稲田大学文学学術院教授や、ゲンロン「批評再生塾」主任講師などを歴任。映画・音楽・文学・演劇など、多数の分野にわたって批評活動を行なう。著書に、『批評時空間』(新潮社)、『シチュエーションズ――「以後」をめぐって』(文藝春秋)、『ゴダール原論――映画・世界・ソニマージュ』(新潮社)、『未知との遭遇【完全版】』(星海社新書)、『新しい小説のために』(講談社)、『アートートロジー――「芸術」の同語反復』(フィルムアート社)、『私は小説である』(幻戯書房)など多数。
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DEAR GOD, THE PARTHENON IS STILL BROKEN|Yorgos Lanthimos
¥13,200
published by VOID hardcover 120 pages 240 x 300 mm color, black and white 2024 ギリシャ人映画監督、ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos)の作品集。2023年公開の映画『 哀れなるものたち(原題:Poor Things)』(日本では2024年公開)の風景を写真で写し出し、美しい装丁でまとめた一冊。 作者は、映画の撮影中や合間の休憩時間に大判、中判カメラで写真を撮り、主演女優のエマ・ストーン(Emma Stone)と共に間に合わせで用意した暗室に入り、6x7のカラーネガフィルムと4x5のモノクロネガフィルムを現像し続けたという。本書はそんな二者のユニークなクリエイティブ・パートナーシップのもと、まるで錬金術のように映画という領域や制約を超えた創造的な結果を生み出した。 「ああ 神よ、パルテノン神殿は壊れたままなのです(DEAR GOD, THE PARTHENON IS STILL BROKEN)」 このタイトルは、劇中でヒロインのエマ・ストーン演じるベラ・バクスターが、父であるゴドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー(Willem Dafoe)演)を神と呼んでいることが表されている。この一節は、ベラから父である神に送るはずだった絵葉書から由来しているが、このシーンは映画の最終稿からカットされている。また、表紙の絵は、版元である「VOID」が父役のウィレム・デフォーに似ているという理由でローマ神話の神ジュピターの仮面を採用し、そこにゴドウィン・バクスターの傷跡を与えて描かれたものである。 同作はブダペストに設営された実在のセット上で撮影された。にもかかわらず、本書に収録された作品は、時間や場所という鎖に囚われることなく、現実から切り離された別世界に存在している。写真はモノクロとカラーの間を漂い、過去と現在との間で目覚めてしまった「夢」の中にいるような印象を与え、現実と虚構の狭間にある幾重もの層が少しずつ露わになっていく。 この映画の舞台は、ロンドン、リスボン、マルセイユ、クルーズ客船など、19世紀末のさまざまな場所に設定されており、その全てはこのブダペストの地で再現された。このセットのために構築された各都市や室内が本作の背景となっている。登場人物は想像上の都市に生き、そこには不安定なスクリーン、足場、帆装、照明、クルーがイメージの周辺に写ってしまっている。作者は意図的にフレームを広げてセットの仕組みを見せ、物語の中にもう一つ新たな物語を作り上げた。このことを反映するかのように、本書のページの一部を観音開きができる仕様にし、本の中の登場人物がちらりと写る内側に隠れているもう一つの「本」のページを読者が開くことで、その構造を明らかにする。そしてこの写真は、本編のサブ・プロットとなり、ある種の解説となりうるのである。 本書の冒頭には、ミュージシャン、作家、詩人のパティ・スミス(Patti Smith)による未発表の詩を収録。本映画にインスパイアされて書いたものである。
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AMBIENT READING
¥1,000
SOLD OUT
リトルプレス 発行 幻の湖 レーベル初のZINE『AMBIENT READING』を制作しました。構想からおよそ1年半でようやく形に。今回ご参加いただいたNINE STORIES @saori_ninestories さんの〝SUMMER READING〟にインスパイアされた実にストレートなタイトルですが、〝アンビエントを広義で解釈〟というコンセプトのもと刊行にいたりました。 シーンからはみ出したアンビエント・ミュージック・レーベルにふさわしいZINEが完成したと思います。ZINEのサウンドトラックとしてイメージミックスを作りましたので、こちらもお聴きいただけたら嬉しいです(巻末にQRコード掲載)。 〝AMBIENT READING〟 ⚪︎プロローグ 寺町知秀(幻の湖) ⚪︎広義でアンビエントを感じる書10選 ikm(Riverside Reading Club) かとうさおり(NINE STORIES) ⚪︎広義でアンビエントを感じる映画10選 豊田香純(spacemoth/fripieZOETROPE) ⚪︎書き下ろしアンビエント小説 鏡味陽子(美玉書店) ⚪︎SOUNDTRACK FOR AMBIENT READING 寺町知秀 (幻の湖) Special Thanks to YUGE Design by 小山直基(小山の家) ※敬称略