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村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」|森泉岳土
¥1,210
原作 村上春樹/ジョージ・オーウェル 発行 河出書房新社 単行本 A5 ● 112ページ ISBN:978-4-309-29058-4 ● Cコード:0079 発売日:2019.12.24 本体1,100円 今読むべき2篇の名作を奇跡のマンガ化――世界で愛される村上春樹の恋愛短篇「螢」と、G・オーウェルが超管理社会到来を予言したディストピア長篇「一九八四年」! 解説・柴田元幸 著者 森泉 岳土 (モリイズミ タケヒト) 1975年生まれ。特異な技法で描き世界が注目するマンガ家。『祈りと署名』『カフカの「城」他三篇』『報いは報い、罰は罰』『セリー』『村上春樹の「螢」・オーウェルの「一九八四年」』『アスリープ』他。
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衣巻省三作品集 街のスタイル
¥3,850
山本善行 撰 発行 国書刊行会 発売日 2024/01/23 判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-07564-2 ページ数 432 頁 Cコード 0093 定価 3,850円 (本体価格3,500円) 衣巻省三は馬込村文士の一員として、盟友・稲垣足穂とともに幻想味のある作風が高く評価されたモダニズム作家・詩人。モダニズムの華やかなりし昭和初期にボン書店などから刊行された著書はいずれも稀覯本。戦後は容易に読むことができない状態が続き、これまで幻の作家とされてきた。 左川ちかや北園克衛などのモダニズム文学が読み継がれるなか、マイナーポエットの雄として古本通から注目が集まる。モダンな雰囲気のなかにも、清冽な叙情とある種の悪戯心に溢れた詩作品、幻想味からメタフィクションまで作風の広い中短篇など、現代の読者が読んでも不思議な輝きを感じさせる。 長篇小説「けしかけられた男」は第一回芥川賞の有力候補になり、足穂や左川のほかにも、これまで萩原朔太郎、伊藤整、川端康成などが高く評価してきた。意外なところでは名フォーク歌手の高田渡が詩「アイスクリーム」を取り上げている。 本書は古本ソムリエ・山本善行氏の撰による、令和の世に贈る90年ぶりのオリジナル作品集である。 著者紹介 衣巻省三 (キヌマキ・セイゾウ) (1900年-1978年)詩人・小説家。兵庫県に素封家の子弟として生まれる。中学時代に稲垣足穂と親友になり、二人で佐藤春夫に師事。早稲田大学中退後に詩人としてデビュー、伊藤整、左川ちか、北園克衛らと文学運動を展開。しだいに創作に移り、抒情小説/モダニズム/幻想文学など幅広い作風のもと清冽な魅力にあふれた作品群を発表。第一回芥川賞候補になった長篇『けしかけられた男』(1935-36年)はジッドばりのメタフィクションで、川端康成が評価するも受賞を逃す。 大正末から住んだ馬込文士村の邸宅には稲垣足穂が居候。近所の萩原朔太郎、室生犀星などと親しく交わり、朔太郎のエッセイにも描かれる。戦後は寡作となり、しみじみした味わいの随筆などを同人誌に発表した。 ◎生前の単行本(1928年~1937年) 小説『黄昏学校』(版画荘)、『パラピンの聖女』(金星堂)、詩集『こわれた街』(詩之家出版部)、『足風琴』(ボン書店) 山本善行 (ヤマモト・ヨシユキ) 大阪府生まれ。古書店「古書善行堂」店主、書物雑誌「sumus」編集人代表。 著書に『定本 古本泣き笑い日記』『関西赤貧古本道』など。 編書に『上林暁傑作小説集 孤独先生』『上林曉傑作小説集 星を撒いた街』『文と本と旅と 上林曉精選随筆集』「灯光舎 本のともしび」短編集シリーズ(寺田寅彦、田畑修一郎、中島敦、堀辰雄、内田百閒)など。 共著に『漱石全集を買った日』『新・文學入門』などがある。 目次 詩 「こわれた街」 「足風琴」 小説 「プリマドンナ」 「ポオの館」 「雨の街」 「落ちたスプウン」 「どこの町」 「キッドの靴」 「陋巷」 「街のスタイル」 「歪められた景色」 撰者あとがき
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十六夜橋 新版|石牟礼道子
¥1,100
ちくま文庫 1,100円(税込) Cコード:0193 整理番号:い-44-3 刊行日: 2023/01/10 判型:文庫判 ページ数:432 ISBN:978-4-480-43860-7 JANコード:9784480438607 南九州・不知火(しらぬい)の海辺の地「葦野」で土木事業を営む萩原家。うつつとまぼろしを行き来する当主の妻・志乃を中心に、人びとの営み、恋、自然が叙情豊かに描かれる傑作長編。作者の見事な筆致で、死者と生者、過去と現在、歓びと哀しみが重なり、豊饒な物語世界が現れる。第三回紫式部文学賞受賞作品。 著者について 石牟礼 道子(いしむれ・みちこ):1927-2018年。作家。熊本県天草郡に生まれ水俣市に育つ。69年『苦海浄土――わが水俣病』を刊行。73年マグサイサイ賞、86年西日本文化賞を受賞。93年に本作『十六夜橋』で紫式部文学賞受賞。2001年度朝日賞受賞。02年『はにかみの国――石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。他の著書に『アニマの鳥』『椿の海の記』『石牟礼道子全集 不知火』などがある。
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霧のむこうに住みたい|須賀敦子
¥715
河出文庫 192ページ ISBN:978-4-309-41312-9 ● Cコード:0195 発売日:2014.09.08 定価715円(本体650円) 愛するイタリアのなつかしい家族、友人たち、思い出の風景。静かにつづられるかけがえのない記憶の数かず。須賀敦子の希有な人生が凝縮され、その文体の魅力が遺憾なく発揮された、美しい作品集。 著者 須賀 敦子 (スガ アツコ) 1929年兵庫県生まれ。著書に『ミラノ 霧の風景』『コルシア書店の仲間たち』『ヴェネツィアの宿』『トリエステの坂道』『ユルスナールの靴』『須賀敦子全集(全8巻・別巻1)』など。1998年没。
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遠い朝の本たち|須賀敦子
¥682
ちくま文庫 682円(税込) 刊行日: 2001/03/07 ページ数:224 ISBN:978-4-480-03628-5 JANコード:9784480036285 人生が深いよろこびと数々の翳りに満ちたものだということを、まだ知らなかった遠い朝、「私」を魅了した数々の本たち。それは私の肉体の一部となり、精神の羅針盤となった―。一人の少女が大人になっていく過程で出会い、愛しんだ文学作品の数々を、記憶の中のひとをめぐるエピソードや、失われた日本の風景を織り交ぜて描く。病床の著者が最期まで推敲を加えた一冊。
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安吾史譚|坂口安吾
¥874
発行 土曜社 - 仕 様:文庫判(148 × 105 × 5.8ミリ)160頁 - 図書番号:978-4-907511-53-1 - 初 版:2017年9月30日 - 定 価:795円+税 すべてが慟哭したいのだ。一生の全てが。 窮すれば誰しもミジメになるもので、それは見てやらぬ方がよい――。人麿、道鏡、頼朝、小西行長、直江兼続、天草四郎、勝夢酔。七人の日本男子を安吾独自の人間理解で談ずる。歴史の面白さに心弾む傑作講釈。1952年作品。 目 次 天草四郎 道鏡童子 柿本人麿 直江山城守 勝夢酔 小西行長 源頼朝
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YURIKO TAIJUN HANA 武田百合子『富士日記』の4426日 Vol.3|水本アキラ
¥2,200
SOLD OUT
発行 FUTON & Co. サイズ : A6(文庫)全204P 「YURIKO TAIJUN HANA 武田百合子『富士日記』の4426日」シリーズ最終巻。 武田百合子の名著『富士日記』をとことん精読し、あらんかぎりの知識を駆使して、あらゆる部分に独自の解説を付け加えていく途方も無いエッセイ「YURIKO TAIJUN HANA 武田百合子『富士日記』の4426日」を文庫化。毎時更新されるウェブニュースやツイートが読み飛ばされる時代、ひとつの作品にとことん付き合うという行為の豊かさよ! 『富士日記』を知らずとも楽しめる、本を読むことについての本。
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伝説の編集者 坂本一亀とその時代|田邊園子
¥913
河出文庫 発行 河出書房新社 240ページ ISBN:978-4-309-41600-7 ● Cコード:0195 発売日:2018.04.17 定価913円(本体830円) 戦後の新たな才能を次々と世に送り出した編集者・坂本一亀は戦後日本に何を問うたのか? 妥協なき精神で作家と文学に対峙し、〈戦後〉という時代を作った編集者の軌跡に迫る評伝の決定版。 著者 田邊 園子 (タナベ ソノコ) 1937年東京都生まれ。61年から78年まで河出書房新社に勤務し、寺田透『藝術の理路』、野見山暁治『四百字のデッサン』などを担当。著書に『女の夢 男の夢』がある。
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落穂拾い・犬の生活|小山清
¥1,045
ちくま文庫 発行 筑摩書房 解説: 三上延 1,045円(税込) 刊行日: 2013/03/06 判型:文庫判 ページ数:448 ISBN:978-4-480-43046-5 「仄聞するところによると、ある老詩人が長い歳月をかけて執筆している日記は嘘の日記だそうである。僕はその話を聞いて、その人の孤独にふれる思いがした」(落穂拾い)明治の匂いの残る浅草に育ち、純粋無比の作品を遺して短い生涯を終えた小山清。不遇をかこちながら、心あたたまる作品を書き続けた作家の代表作を文庫化。いまなお新しい、清らかな祈りのような作品集。
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憧れの住む東京へ|岡崎武志
¥1,980
発行 本の雑誌社 定価1980円(税込) 2023年1月24日発売 ■四六判並製 ■264ページ ISBN978-4-86011-475-6 上京の数だけ物語がある。 東京人が生まれてから真っ直ぐの道を歩くとすれば、「田舎者」は上京という分かれ道に立って、進路を大きく変えていく。複雑にならざるをえないのである。私はそこのところに魅力を感じてきたし、今も感じる。(本文より) 6人の作家が生きた東京とは── 赤瀬川原平、洲之内徹、浅川マキ、田中小実昌、山之口獏、耕治人 この街に住み、生きること。 岡崎武志氏のライフワークである「上京」をテーマに、『上京する文学 漱石から春樹まで』、『ここが私の東京』に続く、上京もの第3弾。 目次 まえがき 第一章 赤瀬川原平 前衛に押し流された東京の足跡 第二章 洲之内徹 銀座「気まぐれ美術館」への道 第三章 浅川マキ 雨降る新宿の黒の歌姫 第四章 田中小実昌 路線バスで知る東京のもう一つの顔 第五章 山之口貘 沖縄から池袋へたどり着いた放浪詩人 第六章 耕治人 野方に苦しみ生きた二人ぼっちの二人 あとがきに代えて
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上林曉傑作小説集 孤独先生
¥3,080
山本善行 撰 発行 夏葉社 四六判変形・ハードカバー 416ページ 昭和を代表する私小説作家、上林曉(1902―1980)。太宰治と同時期にデビューした作家は、心を病んだ妻を見つめ、のちに脳溢血によって半身不随となったあとも、震える左手で小説を書き続けました。その不屈の精神がすなわち作品になっていることが、作家の名を著名にしましたが、上林曉はいわゆる私小説以外にも、未来に残る美しい小説もたくさん残しています。2011年に制作した『星を撒いた街』は、作家のそうした美しい面に光を当て好評を博しましたが(4刷、5500部)、本書は同じコンセプトでつくる小説撰集の続編です。 装画は阿部海太さん。装丁以外にもカラー挿絵を10 点収録した豪華な本です。収録する短篇は初期の傑作「天草土産」ほか10点。本の大きさは新書サイズとほとんど同じです。432ページ、ハードカバー、背継ぎ表紙という瀟洒なデザインが、作家の瑞々しい作品の魅力を伝えます。ベストセラーにはなりませんが、長く、細々と売れる本になるのではと思います。ぜひご期待ください。 目次 007 天草土産 045 淋しき足跡 091 海山 137 夭折 171 トンネルの娘 199 冬営 221 清福 243 景色 261 ニ閑人交遊図 333 孤独先生 357 手風琴は古びた 401 撰者あとがき
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海を渡った日本文学 『蟹工船』から『雪国』まで|堀邦維
¥2,200
発行 書肆侃侃房 四六判、並製、240ページ 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-563-2 C0095 日本の現代文学が海外の読者の目に触れるようになったのは、 いつ、いったいどのようにして? 次々に明らかになっていく戦前戦後の日本文学への知られざるまなざし。推理ドラマをひもとくようなスリリングな展開に思わず読み進まずにいられない。 村上春樹、多和田葉子、小川洋子、川上未映子へと続く、海外における日本文学人気の源泉はどこにあるのか。 著者はイギリスの「エンカウンター」誌に掲載された吉田健一による英文書評記事を目にしたことをきっかけに、海外において日本文学が受容され人気を得た過程に強い関心を抱く。1950年代の新聞・雑誌を読み継ぎ、太宰治の英訳作品、小林多喜二の『蟹工船』と辿るうちに、著者は日本文学を照らし出す海外からの光を見い出す。 小林多喜二の『蟹工船』が日本の現代作品で初めて英訳出版されたのはなぜか、そしてドナルド・キーンに並ぶ戦後の日本文学人気の立役者、エドワード・サイデンステッカーと川端康成『雪国』の関係とは。 海外の日本文学発掘の経緯をひもとき、日本現代文学史に新たな視野をもたらす一冊。 【もくじ】 序章 キーン、サイデンステッカー、角田 Ⅰ 大戦前 戦略としての文学 第1章 国際文化振興会と角田柳作 1 『現代日本文学概説』/2 国際文化振興会の試み/3 角田柳作の努力 第2章 国際共産主義と『蟹工船』 1 最初に英語に訳された現代日本文学/2 ビカートン/3 秘密裏の英訳/4 海外出版へ 第3章 宣伝としての『麦と兵隊』 1 アメリカでの出版/2 改変された原文/3 日本の新聞報道/4 キーンの評価 Ⅱ 大戦後 キーンとサイデンステッカー再上陸 第4章 日本文学者ドナルド・キーンの誕生 1 ドナルド・キーン著『日本の文学』の書評/2 推測される書評掲載の経緯/3 『日本の文学』と書評の中身 第5章 文化自由会議とサイデンステッカー 1 文化冷戦と「文化自由会議」/2 CIAとユダヤ人の共同/3 「エンカウンター」誌とサイデンステッカー/4 「自由」誌と日本文化フォーラム 第6章 「エンカウンター」誌が伝えた戦後日本 1 メルヴィン・ラスキーの日本レポート/2 サイデンステッカーの東京/3 ハーバート・パッシンの見た日本の雑誌事情 Ⅲ 新たな日本文学ブーム 第7章 クノップフ社の「日本文学英訳プログラム」 1 ハロルド・ストラウスの目論み/2 二つの財団の資金援助/3 ストラウスの日本文学探訪/4 英訳プログラム始動/5 クノップフ社という出版社 第8章 高まりゆく日本文学への関心 1「アトランティック」誌の日本特集/2「伊豆の踊子」の抄訳 3 二つの日本文学論 〈中島健蔵〉 〈サイデンステッカー〉 第9章 一九五五年、英訳プログラム始動 1 大佛次郎の「帰郷」/2 谷崎潤一郎「蓼食う虫」/3 英訳の経緯と反響/4 サイデンステッカーの序文 第10章 川端康成『雪国』 1 川端との出会い/2 翻訳の妙味/3 アメリカでの評判 終章 【著者プロフィール】 堀邦維(ほり・くにしげ) 日本大学特任教授。 1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。ケンブリッジ大学客員研究員、日本大学教授を経て現職。著書『ニューヨーク知識人―ユダヤ的知性とアメリカ文化』(彩流社)、『ユダヤ人と大衆文化』(ゆまに書房)他。専攻:ユダヤ文化、比較思想、比較文学。
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狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅|中澤雄大
¥4,180
発行 中央公論新社 初版刊行日2022/4/19 判型四六判 ページ数608ページ 定価4180円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005530-0 『きみの鳥はうたえる』『海炭市叙景』『草の響き』……芥川賞候補5回、41歳で自死した作家の全作品と膨大な手紙を読解、「1968年」からバブル期の文学状況と世相、作家の抱えた修羅に圧巻の取材で肉薄した、渾身の書き下ろし1500枚
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シュークリーム|内田百閒
¥2,200
SOLD OUT
本のともしび5 監修 山本善行 発行:灯光舎 縦183mm 横123mm 厚さ12mm 160ページ 上製 定価 2,000円+税 ISBN978-4-909992-54-3 初版年月日2023年3月10日 書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに刊行してきた「灯光舎 本のともしび」第1期最終巻。 第1期の最後を飾るのはいまも根強いファンが多い文豪・内田百閒。敬愛してやまなかった師・夏目漱石にお金を借りに行く諧謔のきいた随筆から古郷・岡山と祖母のおもかげを語る小話「シュークリーム」など7作品を収録。 どことなく悲しさを感じる百閒独特のユーモアや、収録作「昇天」に感じる怪奇的な世界観など百閒文学の旨みを凝縮した1冊。本や文学に親しむきっかけを与えてくれる小品集です。 収録作 ・漱石先生臨終記 ・長春香 ・昇天 ・掻痒記 ・乱れ輪舌FOT ・寺田寅彦博士 ・シュークリーム 著者プロフィール 内田百閒(うちだ・ひゃっけん)1889―1970 岡山県生まれ。本名・栄造。15歳のときに親友・堀野寛と出会い、堀野を通じて読書の趣味に目覚める。翌年、夏目漱石の『吾輩は猫である』上篇を読み、漱石に傾倒。19歳のころには俳句熱が高まって、俳諧一夜会や苦渋会という句会を結成。岡山近郊の百間川から俳号を「百間」とした。1910年、東京帝国大学文科大学へ入学。翌年2月に、静養中だった漱石を訪ねる。漱石の面会日「漱石山房」に出席するようになり、小宮豊隆、津田青楓、森田草平、芥川龍之介、久米正雄などと知り合う。以後、陸軍士官学校や法政大学で教鞭をとる。1920年には、作曲家・筝曲家の宮城道雄に知遇を得て親交が続く。同年、幼少期より寵愛を受けてきた祖母の竹が死去。1922年、はじめての著作集『冥途』を稲門堂書店より刊行。翌年、関東大震災に遭い、『冥途』の印刷紙型を焼失してしまう。1933年に三笠書房から『百鬼園随筆』を刊行してから、『冥途』の再劂版や第二創作集『旅順入城式』(岩波書店)、『百鬼園俳句帖』(三笠書房)などを刊行。その他、『贋作吾輩は猫である』(新潮社)、『ノラや』(文藝春秋社)など多数の書籍、作品を発表する。1965年には、これまでの功績を評価され芸術会員に推薦されながらも「いやだから、いやだ」とそれを辞退。それからも『麗らかや』『残夢三昧』(いずれも三笠書房)などを著す。多くの名筆を世に刻み、1971年4月20日に逝去。 監修 山本善行(やまもと よしゆき)(1956–) 大阪府生まれ。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。 2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン。 著書に『関西赤貧古本道』(新潮社)、『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)、『定本古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)、編者として上林曉の『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『埴原一亟古本小説集』(以上、夏葉社)、黒島伝治『瀬戸内海のスケッチ』(サウダージ・ブックス)など。
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作家と猫
¥2,090
夏目漱石、谷崎潤一郎、石井桃子、佐野洋子、中島らも、水木しげる ほか 著 発行 平凡社 平凡社 編 出版年月 2021/03 ISBN 9784582747119 Cコード・NDCコード 0091 NDC 910 判型・ページ数 B6変 304ページ 今も昔も、猫は作家の愛するパートナー。昭和の文豪から現代の人気作家まで、49名によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。笑いあり、涙ありの猫づくしのアンソロジー! 【収録作品(掲載順)】 Ⅰ 猫、この不可思議な生き物 猫の定義と語源 佐野洋子 『猫ばっか』より二編 串田孫一 猫 日髙敏隆 ネコとドア 手塚治虫 「動物つれづれ草」より「ネコ」 室生犀星 ネコのうた まど・みちお ネコ 和田誠 桃代 岩合光昭 ネコの時間割/かわいいのに撮れない 出久根達郎 猫の犬 Ⅱ 猫ほど見惚れるものはない 向田邦子 マハシャイ・マミオ殿 寺山修司 猫の辞典 尾辻克彦 黒猫が来た 開高健 猫と小説家と人間 萩原朔太郎 青猫 伊丹十三 わが思い出の猫猫 洲之内徹 長谷川潾二郎「猫」 中島らも 『中島らものもっと明るい悩み相談室』より 妻とオス猫への嫉妬で狂いそう 松田青子 選ばれし者になりたい 近藤聡乃 猫はかわいい Ⅲ いっしょに暮らす日々 武田百合子 『富士日記』より 金井美恵子 猫と暮らす12の苦労 石牟礼道子 愛猫ノンノとの縁 大佛次郎 暴王ネコ 永六輔 猫と結婚して 南伸坊 わたしがやってんですよ いがらしみきお 猫よ猫よ猫よ 小松左京 猫の喧嘩 小沢昭一 老猫・ボロ猫・愛猫記 春日武彦 猫・勾玉 工藤久代 野良猫と老人たち やまだ紫 山吹 Ⅳ 猫への反省文 幸田文 小猫 石井桃子 愛情の重さ 梅崎春生 猫のことなど 石垣りん 白い猫 室生朝子 優雅なカメチョロ Ⅴ 猫がいない! 内田百閒 迷い猫の広告 石田孫太郎 猫の帰らぬ時の心得 岡倉天心/大岡信 訳 親愛なるコーちゃん 武田花 雲 三谷幸喜 「おっしー」を抱いて……/最期に見せた「奇跡」 井坂洋子 黒猫のひたい 吉本隆明 一匹の猫が死ぬこと/自分の「うつし」がそこにいる 夏目漱石 猫の死亡通知 Ⅵ 猫的生き方のススメ 田村隆一 カイロの猫 水木しげる 猫の道 養老孟司 猫派と犬派の違いについて 谷崎潤一郎 客ぎらい 平岩米吉 絵画にあらわれた日本猫の尾についての一考察
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作家と犬
¥2,090
坂口安吾、田辺聖子、深沢七郎、田中小実昌、長谷川町子 ほか 著 発行 平凡社 平凡社編集部 編 出版年月 2021/06 ISBN 9784582747126 Cコード・NDCコード 0091 NDC 910 判型・ページ数 B6変 304ページ 愛犬家へ贈る、作家と犬をめぐる48編! 昭和の文豪や現代の人気作家による、エッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。名犬、忠犬、猛犬、のら犬たちの忘れがたいエピソードが満載。 【収録作品(掲載順)】 1 わが家へようこそ 犬の定義と語源 ヒト、イヌに会う 押井守 老人と老犬 団鬼六 犬猫の仲 米原万里 「動物つれづれ草」より「イヌ」 手塚治虫 平泉栄吉宛 書簡 坂口安吾(檀一雄連名) 2 犬に名前をつけるなら 犬の銀行 向田邦子 犬の話 小沼丹 動物同棲 草野心平 我が犬の系譜 椎名誠 クロや 杉浦日向子 『犬は本よりも電信柱が好き』より あとがきにかえて――イアン・フィリップス『ロスト』 吉野朔実 犬の名は。 高橋久美子 3 うちの名犬自慢 犬と男 田辺聖子 犬馬鹿 江藤淳 親ゆずりの犬好き 幸田文 愛としての犬、そして猫 服部みれい 駄犬・駄主人 徳川夢声 犬の瘡蓋 荒畑寒村 『フクチャン』より 横山隆一 人間、土に還るもの 深沢七郎×中上健次 4 犬たちの不思議 イヌはなぜワンワンと吠えるか 戸川幸夫 犬のわる口 田中小実昌 牧場 長谷川町子 犬が西向きゃ 柴田元幸 わが家の動物記 山田風太郎 イヌキのムグ 辻まこと イヌのうた 室生犀星 『一草庵日記』より 種田山頭火 ゆっくり犬の冒険 レインコートの巻 クラフト・エヴィング商會 5 いつもの散歩道 朝の散歩 石井桃子 『雨はコーラがのめない』より 江國香織 とにかく散歩いたしましょう 小川洋子 犬にも劣る…… 安岡章太郎 「野性」と付き合う 梨木香歩 チャンプのこと 池内紀 海の散歩道 鴨居羊子 犬の俳句 尾崎放哉 6 お別れの日 いつも見ている 吉本ばなな 芸術の神様 山本容子 ジロウ惜別 舟越保武 ジルの話 寺山修司 犬 金子みすゞ 犬のパピルス 管啓次郎 7 犬と暮らす心得 ぼくは世界的犬恐怖症 安西水丸 一代目ハラス 中野孝次 飼犬に手を嚙まれる 白洲正子 訓練士とグレイ/絵描きとグレイ いせひでこ 愛犬家心得 川端康成
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作家と酒
¥2,090
開高健、吉田健一、赤塚不二夫、中上健次、さくらももこ、内田百閒 ほか 著 発行 平凡社 平凡社編集部 編 出版年月 2021/09 ISBN 9784582747133 Cコード・NDCコード 0091 NDC 910 判型・ページ数 B6変 304ページ 酒呑みへ捧ぐ、作家と酒をめぐる44編! 昭和の文豪や現代の人気作家によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。ほろ酔い、泥酔、二日酔い……そして今宵も酒を呑む。 1 酒呑みの流儀 正しい酒の呑み方七箇条/おいしいお酒、ありがとう 杉浦日向子 二十年来の酒 立原正秋 或一頁 林芙美子 ビールの歌 火野葦平 酒と小鳥 若山牧水 ビールの味 高村光太郎 あたしは御飯が好きなんだ! 新井素子 酒のエッセイについて 二分法的に 丸谷才一 2 酒の悪癖 酒徒交伝 永井龍男 失敗 小林秀雄 酒は旅の代用にならないという話 吉田健一 一品大盛りの味─尾道のママカリ 種村季弘 更年期の酒 田辺聖子 やけ酒 サトウハチロー 『バカは死んでもバカなのだ赤塚不二夫対談集』より 赤塚不二夫×野坂昭如 ビール会社征伐 夢野久作 3 わたしの酒遍歴 ホワイト・オン・ザ・スノー 中上健次 音痴の酒甕 石牟礼道子 酒の楽しみ 金井美恵子 eについて 田村隆一 先生の偉さ/酒 横山大観 酒のうまさ 岡本太郎 私は酒がやめられない 古川緑波 ビールに操を捧げた夏だった 夢枕獏 妻に似ている 川上弘美 4 酒は相棒 ブルー・リボン・ビールのある光景 村上春樹 薯焼酎 伊丹十三 サントリー禍 檀一雄 香水を飲む 開高健 人生がバラ色に見えるとき 石井好子 パタンと死ねたら最高! 高田渡 風色の一夜 山田風太郎×中島らも 冷蔵庫マイ・ラブ 尾瀬あきら 『4コマ ちびまる子ちゃん』より さくらももこ こういう時だからこそ出来るだけ街で飲み歩かなければ 坪内祐三 焼酎歌 山尾三省 5 酒場の人間模様 未練 内田百閒 カフヱーにて 中原中也 三鞭酒 宮本百合子 星新一のサービス酒 筒井康隆 とりあえずビールでいいのか 赤瀬川原平 「火の車」盛衰記 草野心平 水曜日の男、今泉さんの豊かなおひげ 金井真紀 終電車 たむらしげる
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昔日の客|関口良雄
¥2,420
発行 夏葉社 2010年9月発行 ISBN978-4-904816-01-1 四六判上製 232ページ 価格 2,200円+税 装丁 櫻井久 「私は常々こう思っているんです。古本屋という職業は、一冊の本に込められた作家、詩人の魂を扱う仕事なんだって」 かつて東京大森にあった古書店「山王書房」の主人が残した、一冊の随筆集。 古本と文学を愛するすべての人へ。
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戦争と五人の女|土門蘭
¥2,420
SOLD OUT
発行 文鳥社 装釘:橋本太郎 仕様:変形四六上製、408頁 定価:2200円(税別) 発行 2019年10月1日 読者諸兄姉へ 『戦争と五人の女』は、太平洋戦争の終戦後、そして、朝鮮戦争の休戦間近である1953年7月、その、僅かひと月の物語です。本作では、そのたった一ヵ月で、繰り返し繰り返し、五人の女が描かれます。 「五人の女」とは、主に戦争という混乱期に翻弄された娼婦たちのことです。娼婦という職業が重要なのではなく、外的な要因に翻弄されていくという、その輪郭が文学になります。 思えば、戦争というものは「個人の力ではどうにもならない世界の理不尽なシステム」の比喩なのでしょう。その「理不尽な暴力」「抗うことができない絶望的な世界の仕組み」は、現代の我々が感じている閉塞感と、とても似ているように思えます。時代が違っても、人間というものの本質はあまり変わっていないのかもしれませんね。 著者の筆致は判然として明快とも言えますが、しかしモチーフは重厚。そのようなテーマを、小説という体系を使い、女性そのものを描こうとしています。 舞台は広島県呉市朝日町。 『この世界の片隅に』(こうの史代著、双葉社刊)を読まれた読書子ならば、リンという遊女が出てきた街として記憶されていることでしょう。時代は10年ほど違いますが、場所は同じです。 それは著者が生まれ育った、故郷でもあります。行間の生々しい息遣いは、そのような背景から生まれているのかもしれません。 また、本作は、これまで中短編を書いてきた土門蘭の、初の長編小説でもあります。 画文集やルポルタージュなどで(つまり、歌人としてインタビュアーとして)定評と人気を集める著者ですが、待望の文芸作品が刊行される運びとなりました。 普段、読書をしていないひとでも読みやすく、しかし、読む時期によっては人生が変わってしまうほどの強い小説です。ぜひぜひ、この機会にお求めください。請御好評。 編集部より 【著者プロフィール】 土門 蘭(どもん らん) 1985年広島出身、京都在住。同志社大学文学部国文学科卒。小説・短歌等の文芸作品を執筆するほか、インタビュー記事のライティングやコピーライティングなども行う。著書に、歌集『100年後あなたもわたしもいない日に』(共著・京都文鳥社刊)、ルポルタージュ『経営者の孤独。』(ポプラ社刊)。
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胞子文学名作選
¥2,860
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田中美穂 編 発行 港の人 四六判/ソフトカバー/本文364頁 2,600円(本体価格・税別) 2013年9月刊 ISBN978-4-89629-266-4 C0093 永瀬清子、小川洋子、太宰治、井伏鱒二、松尾芭蕉、小林一茶、伊藤香織、谷川俊太郎、多和田葉子、野木桃花、川上弘美、尾崎一雄、河井酔茗、栗本薫、宮沢賢治、佐伯一麦、前川佐美雄、内田百閒、尾崎翠、金子光晴 著 ◎苔、羊歯、茸、黴、麹、海藻……。町の片隅、山の奥や海の底にひっそりと息づき、鮮やかな花や大きな木々のように人間たちに注目されることもなく、ときには敬遠されがちな、これらの生物たちもまた、命の営みを日々活発に行ない、私たちの暮らしや環境を支えてくれる大切な存在です。本書は、これらの生物が登場する小説や詩を集めたアンソロジー。ふだん見落とされがちな、自然界の密やかな存在に目を向けた諸作品を「胞子文学」と名づけ、文学の新しい楽しみ方を発見します。 ◎2010年に港の人より限定部数刊行し、完売となった『きのこ文学名作選』(飯沢耕太郎編)の姉妹編。ブックデザインは、吉岡秀典(セプテンバーカウボーイ)。 ■ 編者 田中美穂(たなか・みほ) 1972 年、岡山県倉敷市生まれ。古本屋「蟲文庫」店主。岡山コケの会会員、日本蘚苔類学会会員。著書に『苔とあるく』『亀のひみつ』(WAVE出版)、『わたしの小さな古本屋』(洋泉社)。 ■収録作品(全20作品) 永瀬清子「苔について」…[詩] 小川洋子「原稿零枚日記」抄…[小説] 太宰治「魚服記」…[小説] 井伏鱒二「幽閉」…[小説] 松尾芭蕉2句…[俳句] 小林一茶3句…[俳句] 伊藤香織「苔やはらかに。」…[小説] 谷川俊太郎「交合」…[詩] 多和田葉子「胞子」…[小説] 野木桃花1句…[俳句] 川上弘美「アレルギー」…[小説] 尾崎一雄「苔」…[小説] 河井酔茗「海草の誇」…[詩] 栗本薫「黴」…[小説] 宮沢賢治「春 変奏曲」…[詩] 佐伯一麦「カビ」…[小説] 前川佐美雄 3首 …[短歌] 内田百閒「大手饅頭」…[小説] 尾崎翠「第七官界彷徨」…[小説] 金子光晴「苔」…[詩] 解説 田中美穂
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木の十字架|堀辰雄
¥1,870
本のともしび4 発行 灯光舎 監修 山本善行 B6変型判 縦183mm 横123mm 厚さ11mm 112ページ 上製 定価 1,700円+税 ISBN978-4-909992-53-6 CコードC0095 初版年月日2022年8月20日 小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしび」第4弾は、「風立ちぬ」、「聖家族」などの作品を残した堀辰雄です。 表題作の「木の十字架」という随筆は、堀辰雄と親交が深く、彼の弟子でもあった詩人・立原道造への追慕と次第に沸きおこる彼の死に対しての実感と喪失感を描いたものです。 舞台は堀辰雄の愛した信州・軽井沢。作中で、堀は教会のミサに訪れています。それは、ちょうどドイツ軍がポーランドへ宣戦布告をした翌日のこと。祖国を想って祈るさまざまな国の人々を眼前にして、堀は立原道造の形見となったドビュッシーの晩年の歌曲「もう家もない子等のクリスマス」のレコードを思い出し、戦争に苦しむ人々を想いました。 本書には、ほかにも、堀辰雄が影響を受けたひとり、萩原朔太郎との回想を綴る「「青猫」について」、冬の神戸への旅の記憶を綴った「旅の繪」など5つの小品を収録しています。 迫り来る戦争の足音、立原道造と萩原朔太郎への追憶、小さな旅の記憶など堀辰雄の文学のさまざまな側面を凝縮した1冊が仕上がりました。 目次 旅の繪 晝顔 「青猫」について 二人の友 木の十字架 著者 堀辰雄 (ホリタツオ) (著) 東京生まれ。第一高等学校時代、生涯親交の深かった神西清(ロシア文学者・小説家)と出会う。このころ、ツルゲーネフやハウプトマンの小説や戯曲、ショーペンハウアー、ニーチェなどの哲学書に接する。1923年、19歳のころに荻原朔太郎『青猫』を耽読し、大きな影響を受ける。同時期に室生犀星を知り、犀星の紹介で師・芥川龍之介と出会う。以後、軽井沢にいた芥川を訪ね、芥川の死後も度々軽井沢へ赴く。 1925年、東京帝国大学へ入学。田端にいた萩原朔太郎を訪問。翌年に中野重治、窪川鶴次郎らと雑誌『驢馬』を創刊。同誌に堀はアポリネールやコクトーの詩を訳して掲載し、自作の小品を発表。1927年に芥川が自殺し、翌年には自身も肋膜炎を患い、生死の境をさまよう。1930年、最初の作品集『不器用な天使』を改造社より刊行。同年「聖家族」を「改造」に発表。その後は病を患い入院と静養をくり返しながらも、「美しい村」「風立ちぬ」「菜穂子」と数々の名作をうみだす。その間、詩人・立原道造との出会い、また加藤多恵との結婚があった。1940年、前年に死去した立原が戯れに編んだ『堀辰雄詩集』を山本書店よりそのまま刊行し、墓前に捧げる。1953年、春先より喀血が続き、5月28日逝去。 監修 山本善行(やまもと よしゆき)(1956–) 大阪府出身。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。 2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン。 著書に『関西赤貧古本道』(新潮社)、『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)、『定本古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)、編者として上林曉の『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『埴原一亟古本小説集』(以上、夏葉社)、黒島伝治『瀬戸内海のスケッチ』(サウダージ・ブックス)など。
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〆切本2
¥2,530
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発行 左右社 著者:森鷗外、二葉亭四迷、武者小路実篤、北原白秋、石川啄木、芥川龍之介、横溝正史、小林多喜二、堀辰雄、丸山眞男、水木しげる、山崎豊子、田辺聖子、赤塚不二夫、高橋留美子、穂村弘ほか 装幀:鈴木千佳子 定価:本体2300円+税 46変並製/392ページ 2017年10月30日 第一刷発行 978-4-86528-177-4 C0095 「やっぱりサラリーマンのままでいればよかったなア」 あの怪物がかえってきた!作家と〆切のアンソロジー待望の第2弾。非情なる編集者の催促、絶え間ない臀部の痛み、よぎる幻覚と、猛猿からの攻撃をくぐり抜け〆切と戦った先に、待っているはずの家族は仏か鬼か。バルザックから川上未映子まで、それでも筆を執り続ける作家たちによる、勇気と慟哭の80篇。今回は前回より遅い… ❖ 目次 学問のすゝめ 福沢諭吉 はじめに Ⅰ章 今に死ぬ、どうしても書けぬ 作家の生活 源氏鶏太 書簡 明治四十年 二葉亭四迷 気まぐれ日記 大正十二年/十三年 武者小路実篤 夜なかに思つた事 森鷗外 手紙 大正十一年 北原白秋 明治四十二年当用日記 石川啄木 当分原稿御依頼謝絶 山本有三 手紙 一八六六年 ドストエフスキー スランプ 夢野久作 手紙 大正八年/十年 芥川龍之介 坂口安吾との往復書簡 昭和二十九年 石川淳 愛妻日記 昭和五年 山本周五郎 書簡 昭和七年 小林多喜二 義務 太宰治 灰色の皺 松本清張 永久未完成型、いつもトルソー 丸山眞男 『放送朝日』は死んだ 梅棹忠夫 妥協する地点 安岡章太郎 井上ひさしの遅筆詫び状 井上ひさし 編集後記 『面白半分』編集部 かんづめ 宮尾登美子 有眠 向田邦子 引っ越しだったんです。 川上弘美 約束 リリー・フランキー 愛の対応、余生は反省 川上未映子 だれが理解するかあ、ぼけ。 町田康 Ⅱ章 編集者はつらいよ 手紙/はがき 昭和八年/十一年 萩原朔太郎 虚子さんの文章 滝井孝作 手紙/はがき 昭和四年/六年/十五年/十六年 堀辰雄 拝啓 編集長がた様 深沢七郎 作家と、挿絵画家と、編集者と 五味康祐 待つこと 小川国夫 バカラシ記者はつらいのだ 赤塚不二夫 変人 吉村昭 野坂昭如「失踪」事件始末 校條剛 Ⅲ章 〆切タイムスリップ さようなら 團伊玖磨 「骨の肉」の思い出 河野多惠子 カンヅメ稼業に悔あり 五木寛之 神保町 2 片岡義男 けもの24時間 高橋留美子 一枚の写真、妻のヒトコト- 嫌になった、そのときに 椎名誠 国境と締切り 平出隆 自由であるということ 村山由佳 新しいスタート さくらももこ Ⅳ章 助けておくれよ、家族 妻と作家は両立するか 神近市子・岡本かの子・今井邦子・宇野千代・中條百合子・美川きよ・平林たい子 愛猿記 子母澤寛 書簡 昭和九年 川端康成 異国の女への手紙 一八三三年 バルザック 一杯亭綺言 横溝正史 字を書く手 辻佐保子 『銀杏散りやまず』歴史紀行 辻邦生 おそ起きは三文の得 田中小実昌 執筆の日々 澁澤龍子 随筆家失格 澁澤龍彥 ミステリー作家の二十四時間 赤川次郎 僕は、とにかくよく眠る 中島らも 骨折り損のくたびれもうけ 三浦しをん Ⅴ章 〆切幻覚作用 化物 野間宏 研究室裏の空想 木下杢太郎 水木しげる伝 水木しげる 直哉の夢 小川国夫 日々疲々 笹沢左保 腹立半分日記 昭和五十三年 筒井康隆 ストップ!!ひばりくん! 江口寿史 デッドライン 穂村弘 なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか 松尾豊 作家の時間割 冲方丁 Ⅵ章 それでも〆切はやってくる 締切り 井上靖 晩年の父犀星 室生朝子 私の履歴書 室生犀星 まぼろしの七里湖 大庭みな子 締切りがまた来る それが人生 伊集院静 物書き根性 ハルノ宵子 残花亭日暦 平成十三年 田辺聖子 最後の決断 山崎豊子 Ⅹ章 〆切の刑 ハナモゲラ語の思想 タモリ 読者へ 野坂昭如 奥付 著者紹介・出典 〆切のない世界 堀道広
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作家と珈琲
¥2,090
発行 平凡社 平凡社編集部 編 出版年月 2022/01 ISBN 9784582747140 Cコード・NDCコード 0091 NDC 910 判型・ページ数 B6変 288ページ 毎日の食卓で、行きつけの喫茶店で、異国の地で味わう、一杯の珈琲。昭和の文豪や現代の人気作家によるエッセイ、詩、漫画、写真資料を収録。珈琲の香りただよう52編。 【収録作品(掲載順)】 1 珈琲のある風景 茨木のり子 食卓に珈琲の匂い流れ 小沼丹 珈琲の木 獅子文六 『可否道』を終えて 寺田寅彦 コーヒー哲学序説 北原白秋 六月 有吉玉青 緑の珈琲 原田宗典 モーニングコーヒー余話 中村好文 カフェオレ ボウル 2 珈琲一杯の時間 串田孫一 山旅と珈琲 片岡義男 タヒチ・パペーテの、インスタント・コーヒー。 長田弘 コーヒー屋で馬に出会った朝の話 水木しげる ある一日 しりあがり寿 ジブン的コーヒー史三つの時代。 渡辺貞夫 開け放したドアから聞こえてくるジャズに憧れた。 吉井勇 珈琲の歌 永田耕衣 珈琲の句 3 喫茶店よ永遠に 植草甚一 喫茶店で本を読んでいるかい 赤川次郎 コーヒー色の回想。 沼田元氣 純喫茶愛50カ条 小田島雄志 喫茶店人生 曽我部恵一 「コーヒーと恋愛」 田河水泡 『のらくろ喫茶店』より 鷲田清一×木村衣有子 「平熱」としての京都の喫茶店 織田作之助 大阪の憂鬱 萩原朔太郎 喫茶店にて 今和次郎/吉田謙吉 銀座のカフェー女給さん服装 佐藤春夫 芝公園から銀座へ 古川緑波 甘話休題 広津和郎 正宗白鳥と珈琲 4 わたしの珈琲作法 安岡章太郎 〈コーヒー道〉のウラおもて 池波正太郎 下町の〔コーヒー〕 永井荷風 砂糖 花森安治 コーヒーのふしぎ 石井好子 どんぶりで飲む、キャフェ・オ・レ 別役実 コーヒー 珈琲 平岩弓枝 珈琲と私 多和田葉子 ゆずる物腰ものほしげ 村田沙耶香 タイムスリップコーヒー 吉田戦車 ああ、豆の持ちこみ 土屋賢二 コーヒーの魅力を捨ててきた。 十文字美信 珈琲 『現代礼儀作法図説』より 珈琲のすすめ方/珈琲の飲み方 5 珈琲見聞録 シーボルト(斎藤信訳)「小倉から下関への渡航と下関滞在」より 夏目漱石 珈琲店、酒肆及び倶楽部 人見一太郎 巴里の珈琲店 勝本清一郎 カフェー 斎藤茂吉 カフエ・ミネルワ 林芙美子 「巴里日記」より 片山廣子 コーヒー五千円 日高敏隆 フランス家族の中の九カ月 高山なおみ ネスカフェ 石川直樹 エチオピアのワイルドコーヒー
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人生で大切なことは泥酔に学んだ|栗下直也
¥1,980
発行 左右社 装幀:鈴木成一デザイン室 装画・カット:早川志織 定価:本体1,800円+税 46判並製/240ページ 2019年6月30日 第一刷発行 978-4-86528-239-9 C0095 酒癖がヤバいのにどう生きていくか。それが問題だ――。 酔人の星(?)栗下直也が描くアクの強い偉人の爆笑泥酔話27。福澤諭吉から平塚らいてう、そして力道山まで。 酔いがまわって師匠の妻を全裸で通せんぼ 日本開国の父・福澤諭吉 泥酔し大砲で住民を誤射、妻斬り殺しの容疑までかかる 第2代内閣総理大臣・黒田清隆 ウィスキーを呑みながら日本刀で素振り 世界のミフネ・三船敏郎 脅迫されされても飲酒をやめなかった 女性解放運動の先駆者・平塚らいてう 無銭飲食で親友檀一雄を置き去り、おかげで『走れメロス』を書けた 天下のナルシスト・太宰治 日本は失敗が許されない社会といわれ、一度、レールを踏み外すと再浮上が難しい。 しかし、悲しいかな、酒を呑んでしくじったところで人生は終わらない。 出世に通勤、上司、危機管理、宴会から健康。 笑え。潰れるな。バカにされても気にするな!!!! ――ありがとう。いい薬です。 (弊社担当営業 R・A) 彼らはしくじりながらも、それなりに成功を収めた。現代とは生きていた時代が違うと一刀両断されそうだが、彼らは彼らで当時は壮絶に叩かれたり、バカにされたりしている。プライバシーなど皆無な時代なのだから想像するに難くない。それでも前を向いて生きた。ーー「はじめに」より 著者:栗下直也(くりした・なおや) 1980年生まれ、東京都出身。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科経営学専攻修了。経済記者のかたわら、書評サイト「HONZ」や週刊誌、月刊誌などでレビューを執筆。書籍構成も手がける。新橋系泥酔派を自認するが、酒場詩人は目指していない。Twitter:@naokurishita ❖目次 はじめに 第一章 リスク管理篇 ・太宰治(作家) お金がなくても、呑んでしまったら ・三船敏郎(俳優) ヤクザに殴りかかってしまったら ・小島武夫(雀士) お金がなくても、やっぱり呑んでしまったら ・梶原一騎(漫画原作者) 呑んでばかりいて、いきなり、逮捕されたら 第二章 通勤篇 ・横溝正史(作家) どうしても電車に乗れなかったら ・河上徹太郎(評論家) 目が覚めて警察に保護されていたら ・小林秀雄(評論家) 駅のプラットホームから落っこちたら ・永淵洋三(野球選手) 職場にはきたものの、二日酔いでしんどかったら 第三章 出世篇 ・白壁王(政治家) 派閥争いに巻き込まれたら ・源頼朝(武士) 今日は無礼講だぞといわれたら ・藤原冬嗣(政治家) 接待をひたすら頑張ってみたら ・力道山(プロレスラー) どうしても新事業をやってみたかったら 第四章 宴会篇 ・福澤諭吉 (思想家) 同僚が上司の奥さんに全裸を見せつけたら ・大伴旅人 (歌人) 同僚が酒を呑まない奴は猿だといい出したら ・中原中也(詩人) 同僚がビール壜で殴りかかりそうになったら ・平塚らいてう(思想家) 同僚が家に石を投げ込まれても飲酒をやめなかったら ・梶井基次郎(作家) 同僚が路上でねそべって駄々をこねはじめたら ・辻潤(作家) 同僚が屋根の上から飛び降りたら 第五章 上司篇 ・黒田清隆(政治家) 上司が大砲を誤射したら ・米内光政(政治家) 上司が解放してくれなかったら ・古田晁(経営者) 上司が永遠に解放してくれなかった ・泉山三六(政治家) 上司がいきなり女性に抱きついたら 第六章 健康篇 ・藤沢秀行(囲碁棋士) 大事な仕事を抱えながらアル中になったら ・梅崎春生(作家) メチルアルコールを呑んでみた ・葛西善蔵(作家) 何も考えずに呑み続けてみたら ・藤原敏男(キックボクサー) 一日八時間でも呑みたかった ・原節子(女優) やることがないのでとりあえず呑んでみたら おわりに 【誤記訂正】 本書にて、下記の箇所に誤りがございました。 皆様に心よりお詫び申し上げます。 〈234ぺージ 3行目〉 (誤)歩けるときがい作るかしら (正)歩けるときがいつくるかしら