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●Wサイン本 体の贈り物|レベッカ・ブラウン/柴田元幸
¥2,420
SOLD OUT
著者のレベッカ・ブラウン、翻訳者の柴田元幸のWサイン本 発行 twililight B6変形判 縦170mm 横122mm 厚さ170mm 194ページ 上製 価格 2,200 円+税 ISBN978-4-9912851-9-6 CコードC0097 初版年月日 2025年6月16日 アメリカの作家、レベッカ・ブラウンの代表作を復刊。 逃れようのない死の前で、料理を作り、家を掃除し、洗濯をし、入浴を手伝う。 喜びと悲しみ、生きるということを丸ごと受け止めた時、私は11の贈り物を受け取った。 エイズ患者とホームケア・ワーカーの交流が描き出す、悼みと希望の連作短篇。 著者書き下ろし「『体の贈り物』三十年後」を収録。 金井冬樹の装画による新装版。 “横溢するケアに包まれました。ホームケアワーカーの「私」が派遣されるのは死の恐 怖に向き合う患者たちのところ。ケアする側が彼ら、彼女らの生を“尊重されるべき もの”として丸ごと抱擁するとき、曇っていた生がみるみる輝きを取り戻していく。 まさに奇跡のような贈り物。” 小川公代 “透きとおるような日本語で訳されたこの小説集における、死にゆく人々の生を支える主人公の冷静さ、 心身の痛みにたいする想像力の深さ、そこから生まれる交流のぬくもりは、 いま、世界でなにより大事なものに思える。” 木村紅美 目次 汗の贈り物 充足の贈り物 涙の贈り物 肌の贈り物 飢えの贈り物 動きの贈り物 死の贈り物 言葉の贈り物 姿の贈り物 希望の贈り物 悼みの贈り物 謝辞 『体の贈り物』三十年後 二〇二五年版訳者あとがき 著者プロフィール レベッカ・ブラウン (レベッカ ブラウン) (著) 1956年ワシントン州生まれ、シアトル在住。作家。翻訳されている著書に『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』『家庭の医学』『犬たち』、ナンシー・キーファーとの共著に『かつらの合っていない女』がある。『体の贈り物』でラムダ文学賞、ボストン書評家賞、太平洋岸北西地区書店連合賞受賞。 柴田元幸 (シバタ モトユキ) (訳) 1954年生まれ。翻訳家・アメリカ文学研究者。 ポール・オースター、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソン、レベッカ・ブラウン、バリー・ユアグロー、トマス・ピンチョン、マーク・トウェイン、ジャック・ロンドンなど翻訳多数。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクソン』で日本翻訳文化賞、また2017年に早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。 文芸誌『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング)責任編集。 (版元より)
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●Wサイン本 天国ではなく、どこかよそで|レベッカ・ブラウン
¥2,200
著者のレベッカ・ブラウン、翻訳者の柴田元幸のWサイン本 翻訳 柴田元幸 出版社:twililight 2000円+税 10月30日発売 B6変形 / 136P / モノクロ / 上製本 『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』などで知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの最新物語集『天国ではなく、どこかよそで』。 「三匹の子ぶた」を踏まえた「豚たち」、「赤ずきんちゃん」を踏まえた「おばあさまの家に」をはじめ、ピノキオ、ヘンゼルとグレーテルなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターを、レベッカ流に夢見なおした物語が並びます。 語り直しの切り口は作品によってさまざまですが、単一のメッセージに還元できない、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづける作家の神髄が伝わってくる、豊かな「サイクル」が出来上がっています。 訳者の柴田元幸が「この人の文章は言葉というよりほとんど呪文のようなリズムを持っている」と評するレベッカ・ブラウン独自の文体によって、 読者を暗闇から光へ、厳しさから愛へ、私たちが今いる場所から私たちが行くべき場所へと導きます。 “ここにあるのは「めでたし、めでたし」の死角を辛辣なユーモアで照らしてみせる物語。 そうやってわたしたちが見えないふり、聞こえないふり、わからないふりをしてきた暴力の轍を、怒りでもって洗い出し、祈りをこめて語り直すのだ。” 倉本さおり “そこではみんな、ほんものの肉体を得る。 痛みに苛まれ、声は揺らぎ、歪み、叫ぶ。 闇の中、寓話は変わり果てた姿になって 赦しを求め、こちらを見つめる。 どうしてこんなに、愛おしいのだろう。” 大崎清夏 (版元より)
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ベル・ジャー|シルヴィア・プラス
¥2,750
SOLD OUT
翻訳 小澤身和子 発行 晶文社 四六判 388ページ 定価 2,500 円+税 2,750 円(税込) ISBN978-4-7949-7435-8 発売日 2024年7月25日 わたしはぜんぶ覚えている。あの痛みも、暗闇も――。 ピュリツァ―賞受賞の天才詩人が書き残した伝説的長編小説、20年ぶりの新訳。 優秀な大学生のエスター・グリーンウッドはニューヨークのファッション誌でのインターンを勝ち取ったとき、夢がついに叶うと信じて喜んだ。しかし、退屈なパーティー、偽善的に感じられる恋人、空虚なだけのニューヨークでの生活に違和感を覚え、世界が支離滅裂なものに感じられる。そして、とあることをきっかけに精神のバランスが徐々に崩れていく。 世の中は欺瞞だらけだと感じる人、かつてそう思ったことがある人たちに刺さりつづける、英米だけで430万部を売り上げた世界的ベストセラー、待望の新訳。 海外文学シリーズ「I am I am I am」、第一弾! 著者プロフィール シルヴィア・プラス(著) 1932-1963年。ボストン生まれ。詩人、作家。8歳から詩を、9歳から物語を書き始め、10代から作品が雑誌に掲載される。1955年にスミス・カレッジを卒業後、フルブライト奨学金でケンブリッジ大学へ留学。1960年に詩集『The Colossus』を出版。1963年、唯一の長編小説である『ベル・ジャー』を別名のもと出版。同年、自ら命を絶つ。1982年『The Collected Poems』でピュリツァー賞を受賞。 本書『ベル・ジャー』は英米だけで430万部を売り上げた世界的ベストセラーであり、現在も多くの読者の心を掴んでいる。 小澤身和子 (オザワミワコ) (訳) 東京大学大学院人文社会系研究科修士号取得、博士課程満期修了。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン修士号取得。「クーリエ・ジャポン」の編集者を経て翻訳家に。訳書にリン・エンライト『これからのヴァギナの話をしよう』、ウォルター・テヴィス『クイーンズ・ギャンビット』、カルメン・マリア・マチャド『イン・ザ・ドリームハウス』、デボラ・レヴィ『ホットミルク』、ニナ・マグロクリン『覚醒せよ、セイレーン』など。 (版元より)
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●訳者サイン本 ゼペット|レベッカ・ブラウン/訳・柴田元幸
¥1,760
翻訳者柴田元幸さんのサイン入り 翻訳 柴田元幸 発行 ignition gallery 絵:カナイフユキ 装幀:横山雄(BOOTLEG) 判型:w148×h196mm 並製本+両雁だれ ページ数:28ページ カラー 本体価格:1,600円+税 発行:ignition gallery 発行所:twililight 刊行日:2022年9月20日 レベッカ・ブラウンが夢見なおした『ピノキオ』です。 不器用で、弱く、失敗して負けていく人、周縁化されていく人のために、そういう人たちが孤独ではないんだと思えるように描いているカナイフユキと、レベッカ・ブラウンによる、「祈り」にも似た絵本が誕生しました。 以下、柴田元幸さんより。 レベッカ・ブラウンの「ゼペット」(“Geppetto”)は、2018年に刊行されたNot Heaven, Somewhere Else: A Cycle of Stories(『天国ではなく、どこか別の場所 物語集』、Tarpaulin Sky Press刊、邦訳なし)に収められている。この物語集には、「三匹の子ぶた」を踏まえた“Pigs”、「赤ずきんちゃん」を踏まえた“To Grandmother’s House”をはじめ、ヘンゼルとグレーテル、ハンプティ・ダンプティなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターがレベッカ流に語りなおされた物語が並んでいる。語り直しの切り口は作品によってさまざまで、単一のメッセージに還元できない、豊かな「サイクル」が出来上がっている。100ページに満たない小著だが、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづけるレズビアン作家レベッカ・ブラウンの神髄が伝わってくる。 「ゼペット」は厳しさと優しさが並存していて、中でもとりわけ味わい深い。 柴田元幸 (版元より)
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両膝を怪我したわたしの聖女|アンドレア・アブレウ
¥3,190
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翻訳 村岡直子/五十嵐絢音 発行:国書刊行会 四六判 208ページ 定価 2,900 円+税 3,190 円(税込) ISBN978-4-336-07771-4 初版年月日 2025年5月12日 装丁:コバヤシタケシ 装画:さめほし「夜明けの海」 決 壊 す る 文 体 ――圧倒的な感情がほとばしり、膨れ上がり自壊する言葉の群れが未熟な欲望を覆い尽くす。10歳の少女らを閉じ込めるひどく退屈な夏休み、早熟なふたりの過激で破滅的な友情。 スペイン最南カナリア諸島発、世界18カ国語に翻訳の問題作。 スペイン・カナリア諸島に暮らす、10歳の「わたし」と親友イソラ。 せっかくの夏休みは、憂鬱な曇天に覆われていた。薄暗い貧困の地区を抜け出して、陽光のふりそそぐサン・マルコス海岸に出かけたいのに、仕事に追われる大人たちは車を出してやる余裕がない。ふたりの少女は退屈しのぎのため、不潔にして乱暴、猥雑で危うい遊びにつぎつぎ手を染める。 親友というには過激すぎる、共依存的関係性。 「わたし」にとってイソラはまるで聖女のように絶対的な存在だった。イソラが両膝を怪我すれば、舌でその血をなめとった。イソラの飼い犬になりたかった。粗暴な物語に織り込まれた緻密な象徴の数々。子どもらしいイノセンスとは無縁の、深い悲しみに由来する頽廃と陶酔の日々。 イソラと共にある日常は永遠に続くかに思われた。しかし―― Andrea Abreu, Panza de burro (2020) 目次 あんなに大胆で、あんなに怖いもの知らずに ほんのちびっとだけ イソラ・カンデラリア・ゴンサレス=エレラ 松葉の下のキノコ これは雨になりそうだ クリームを、首にクリームを タイヤをきしませながら行くメタリックのビマー ヨソモンは臭い ウサギを嚙まずに丸ごと食べちゃう フアニータの叫び声は十字路の向こうまで響いた イソラを食べてしまう まだはつ明されてないような愛ぶをしてやるぜ イソラの足がアスファルトを踏む 猟犬みたいにやせっぽち こすりつける 両膝を怪我したわたしの聖女 イエス・キリストの小さな顔 その日はキャベツシチューしかなかった [email protected] ペペ・ベナベンテのBGM クロウタドリの羽みたいに黒い目 エドウィン・リベラ ジャガイモひとつごとに半キロ 胴体にナイフ イソラが存在しなかったときみたいに 女に残る最後のもの わたしたちはこんなふうに夜の蛾のように ひとりでこする 這い回るトカゲ 広場の上につるした色紙 訳者あとがき 著者プロフィール アンドレア・アブレウ (著) Andrea Abreu 作家、詩人。1995年スペイン・カナリア諸島のテネリフェ島北部で生まれる。島内のラ・ラグーナ大学でジャーナリズムを学び、マドリードのレイ・フアン・カルロス大学の修士課程を修了。新聞社のインターンとして働いたものの辞職し、ランジェリーショップの店員の仕事に就く。詩人としての著作に、詩集『まぶたのない女』(2017)、詩誌『血を流す春』(2017)など。同じくテネリフェ島育ちの作家サビーナ・ウラカに師事し、2020年、『両膝を怪我したわたしの聖女』(原題 Panza de burro)により小説家としてデビュー、専業作家となる。危うい年頃の少女の姿を、カナリア方言を駆使した口語調で活写した本作は、発売後3年足らずのうちにスペイン国内だけで6万6000部を販売、18言語に翻訳され、新人作家としては異例のヒットを記録。ドゥルセ・チャコン賞(2021)、シャンベリー・デビュー小説賞(2021)を受賞した。 村岡直子 (ムラオカナオコ) (訳) スペイン語翻訳者、(有)イスパニカ翻訳講座講師、校正者。兵庫県出身、同志社大学文学部卒業。グラナダ大学セントロ・デ・レングアス・モデルナス留学。訳書にピラール・キンタナ『雌犬』(国書刊行会)、マイク・ライトウッド『ぼくを燃やす炎』『ぼくに流れる氷』(サウザンブックス)、フェデリコ・アシャット『ラスト・ウェイ・アウト』(早川書房)、トニ・ヒル『ガラスの虎たち』(小学館)、共訳書にペドロ・バーニョス『地政学の思考法』(講談社)、マリア・ピラール・ケラルト・デル・イエロ『ヴィジュアル版スペイン王家の歴史』(原書房、青砥直子名義)などがある。 五十嵐絢音 (イガラシアヤネ) (訳) 東京都出身。神田外語大学外国語学部イベロアメリカ言語学科スペイン語専攻卒業。在学中にスペインカナリア諸島グラン・カナリア島のラスパルマス・デ・グラン・カナリア大学に留学し、カナリア諸島特有のスペイン語に魅了され現地の言語を学ぶ。アンドレア・アブレウ『両膝を怪我したわたしの聖女』原作 Panza de burro を留学時代の恩師から紹介されたことをきっかけに、神田外語大学卒業研究として本書全文を試訳するとともに、小説内で用いられるカナリア諸島特有の表現について調査した。 (版元より)
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誰でもない|ファン・ジョンウン
¥1,298
翻訳 斎藤真理子 発行 河出書房新社 文庫判 256ページ 定価 1,180円+税 ISBN978-4-309-46811-2 CコードC0197 初版年月日 2025年3月6日 恋人をなくした老婦人、閉ざされた未来を前に生き延びようとする若者……。ハン・ガン以後最も注目される韓国作家が描き出す、現代を生きる私たちの日常という祈り。 著者プロフィール ファン・ジョンウン 著 1976年生まれ。邦訳著書に『百の影』、『続けてみます』(以上、オ・ヨンア訳)『野蛮なアリスさん』『誰でもない』『ディディの傘』『年年歳歳』(以上、斎藤真理子訳)がある。 斎藤 真理子 (サイトウ マリコ) 訳 韓国語翻訳者。著書に『韓国文学の中心にあるもの』『隣の国の人々と出会う』等。訳書にパク・ミンギュ『カステラ』、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』、ハン・ガン『別れを告げない』等。 (版元より)
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アメリカン・マスターピース 戦後篇
¥2,970
シリーズ 柴田元幸翻訳叢書 発行 スイッチ・パブリッシング ISBN:9784884186494 2024年12月20日刊行 価格:2,970円 (うち税 270円) 時はまさに「短篇小説の黄金時代」。 重要作家が次々と登場する、1950年代前後の傑作10篇を収録。 “名作中の名作”でアメリカ文学史をたどる、シリーズ第3弾。 【収録作品一覧】 ●シャーリイ・ジャクスン「くじ」 ●J・D・サリンジャー「バナナフィッシュ日和」 ●ウラジーミル・ナボコフ「記号と象徴」 ●ポール・ボウルズ「あんたはあたしじゃない」 ●フラナリー・オコナー「善人はなかなかいない」 ●フィリップ・K・ディック「プリザビング・マシン」 ●ティリー・オルセン「あたしはここに立ってアイロンをかけていて」 ●ジェームズ・ボールドウィン「サニーのブルース」 ●ジャック・フィニイ「愛の手紙」 ●バーナード・マラマッド「白痴が先」 (版元より)
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パトリシア・ハイスミスの華麗なる人生|アンドリュー・ウィルソン
¥7,480
翻訳 柿沼瑛子 発行 書肆侃侃房 A5判、並製、712ページ 定価:本体6,800円+税 ISBN 978-4-86385-654-7 C0098 残された膨大な日記と手紙、インタビューから 謎のベールに包まれたサスペンスの巨匠の全貌に迫る 生まれながらに背徳と残虐、愛への渇望に苦しむ。「愛される」よりも「愛する」を選んだ孤独の女性作家。生誕100年を迎え、いま明らかにされる苦悩と野心、ゆがんだ愛。母親への愛憎のすべては小説作品の中に埋め込まれた――。 ハイスミスが保管していた資料、友人、敵、仲間の思い出、そして強迫観念的な人生の貴重な記録。 ーーFinancial Times紙 力強く、時に美しい伝記であり、1ページたりとも無駄がない。細部の積み重ねにより、20世紀の偉大な作家の忘れがたい肖像を生み出している。 ーーNew Statesman紙 ハイスミスは、彼女のいたずら好きなヒーローと同じように、逸脱した風変わりな人だった。 ーーJ. G. Ballard, Daily Telegraph Summer Reads トルーマン・カポーティが絶賛した才能 20世紀を代表する作家 パトリシア・ハイスミス 代表作 『キャロル』自らの体験を基に男性作家名で発表したレズビアン小説 『見知らぬ乗客』ヒッチコックによって映画化された長編デビュー作 『太陽がいっぱい』アラン・ドロン主演で知られる名作映画の原作 パトリシア・ハイスミス Patricia Highsmith (1921〜1995) 別名クレア・モーガン。アメリカの女性作家。テキサス州フォートワースに生まれるが、生涯の大半をヨーロッパ大陸で過ごし、最終的にはスイスのロカルノで病死する。父親はジェイ・バーナード・プラングマン、母親はメアリー・コーツ。後に母親がスタンリー・ハイスミスと結婚したことにより、ハイスミス姓となる。最初の長編『見知らぬ乗客』がヒッチコック監督に、第三作目『太陽がいっぱい』がルネ・クレマン監督によって映画化され、作家としての地位を確立する。「不安の詩人」と評された彼女の作風はアメリカよりもむしろヨーロッパで先に受け入れられた。またクレア・モーガン名義で自らの恋愛体験をもとにしたレズビアンロマンス小説『ザ・ブライス・オブ・ソルト』(後に『キャロル』)を発表し、こちらもトッド・ヘインズ監督によって映画化された。 【著者プロフィール】 アンドリュー・ウィルソン Andrew Wilson イギリスのジャーナリスト、小説家、伝記作家。「オブザーバー」、「デイリー・テレグラフ」、「ザ・ガーディアン」といった一流紙で活躍後、ハイスミスの伝記で伝記作家としてデビュー。ハイスミス以外にもハロルド・ロビンズ、シルヴィア・プラス、アレキサンダー・マックイーンなどの伝記を手掛ける。本書『パトリシア・ハイスミスの華麗なる人生』は2004年度エドガー・アラン・ポー賞を受賞している。 【訳者プロフィール】 柿沼瑛子(かきぬま・えいこ) 英米文学翻訳家。主訳書『妄想の世界史 10の奇想天外な話』(ビクトリア・シェパード)、『誰?』(アルジス・バドリス)、『Gストリング殺人事件』(ジプシー・ローズ・リー)、『魔術師の帝国』(C・A・スミス、共訳)、『わが愛しのホームズ』(ローズ・ピアシー)、『キャロル』(パトリシア・ハイスミス)、『ヴァンパイア・クロニクルズ』シリーズ/『眠り姫』シリーズ(アン・ライス)など訳書多数。 (版元より)
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幕間|ヴァージニア・ウルフ
¥1,540
翻訳 片山亜紀 発行:平凡社 B6変型判 304ページ 定価 1,400円+税 ISBN978-4-582-76897-8 初版年月日 2020年2月10日 スターリンがムッソリーニが、ヒトラーが台頭しつつあった頃、イギリス内陸の古い屋敷で上演される野外劇に集った人々──迫り来る戦争の気配と時代の気分を捉えた遺作の新訳。 (版元より)
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病むことについて 新装版|ヴァージニア・ウルフ
¥3,300
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編訳 川本静子 発行 みすず書房 判型 四六判 頁数 264頁 定価 3,300円 (本体:3,000円) ISBN 978-4-622-09024-3 Cコード C1097 発行日 2021年5月20日 〈病気がいかにありふれたものであるか、病気のもたらす精神的変化がいかに大きいか、健康の光の衰えとともに姿をあらわす未発見の国々がいかに驚くばかりか、インフルエンザにちょっとかかっただけで、なんという魂の荒涼たる広がりと砂漠が目に映るか、熱が少し上がると、なんという絶壁や色鮮やかな花々の点在する芝地が見えてくるか、病気にかかると、私たちの内部でなんと古びた、がんこな樫の木々が根こそぎになるか、歯医者で歯を一本抜かれ、ひじ掛け椅子に座ったまま浮かび上がり、「口をゆすいで下さい――ゆすいで」という医者の言葉を、天国の床から身をかがめて迎えてくれる神の歓迎の言葉と取りちがえるとき、いかに私たちが死の淵に沈み、頭上にかぶさる水で息絶える思いをし、麻酔から覚めて天使やハープ奏者たちの面前にいるとばかり思いこんでいるか――こうしたことを考えるとき――しばしば考えざるをえないのだが――病気が、愛や戦いや嫉妬とともに、文学の主要テーマの一つにならないのは、たしかに奇妙なことに思われる。〉 (「病むことについて」) 『灯台へ』『ダロウェイ夫人』『波』を執筆した小説家ヴァージニア・ウルフは、同時に幅広い分野に及ぶエッセイを生涯書きつづけた評論家でもあった。インフルエンザにかかったときの心象を描く表題作ほか、書評の役割、ジャンルの特質を追求した伝記論、父の思い出から『源氏物語』評まで。アイロニーとユーモアに充ちたエッセイ・短編、全16篇。 [初版2002年12月20日発行] (版元より)
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灯台へ|ヴァージニア・ウルフ
¥1,221
翻訳 御輿哲也 岩波文庫 赤291-1 刊行日 2004/12/16 体裁 文庫・並製・418頁 ISBN9784003229118 Cコード 0197 スコットランドの孤島の別荘.哲学者ラムジー氏の妻と末息子は,闇夜に神秘的に明滅する灯台への旅を夢に描き,若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとするのだが――第1次大戦を背景に,微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体によって繊細に織り上げられた,去りゆく時代への清冽なレクイエム. (版元より)
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ユリイカ2025年1月号 特集=ハン・ガン
¥1,760
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-傷を照らし、回復を導く灯……ノーベル文学賞受賞記念- 発行 青土社 定価 1,760円(本体1,600円) 発売日 2024年12月27日 ISBN978-4-7917-0456-9 表紙・目次・扉……北岡誠吾 表紙写真……백다흠 2024年ノーベル文学賞受賞記念 傷をつくるのも癒すのも同じ人間であるということを、 ハン・ガンは果てしないスペクトラムとして物語の中に描き出す。『菜食主義者』『少年が来る』『すべての、白いものたちの』『別れを告げない』……数々の名作によって導き出されてきた他者への愛が、惨たらしい暴力の中にある人間の生の儚さを照らす灯として、いま世界中で必要とされている。ハン・ガンの苛烈なまでに静謐な作品風景に迫り、さまざまな痛みと回復の過程を見つめる。 ○ 特集*ハン・ガン――傷を照らし、回復を導く灯…ノーベル文学賞受賞記念 ❖インタビュー 心臓の実、小さな炎が生み出す言葉 / ハン・ガン 訳=柳美佐 ❖回復への導き もう「白いもの」ではないあなたに、「しなないで」と祈ること――ハン・ガン『すべての、白いものたちの』 / 菊間晴子 傷と回復について――ハン・ガン「回復する人間」 / 岩川ありさ 不可視の光、雪の声――ギリシャ語の時間について / 髙山花子 ❖わたしとハン・ガン 理想は、ハン・ガンのように / 温又柔 アンソロジーのなかのハン・ガン / 頭木弘樹 ❖対談 傷の痛さ、雪の白さ / 斎藤真理子×宮地尚子 ❖韓国文学の扉 ハン・ガンワールドを日本語圏でも存分に味わってもらうために / 金承福 ハン・ガンと今日の韓国文学――苦痛と悲しみに対する思索 / きむふな ❖残響を痛む 腐肉の愛しさ――『少年が来る』『別れを告げない』 / 佐藤泉 ハン・ガン、歴史の証言と沈黙を描く作家 / 江南亜美子 宴の終わりに抗う――『少年が来る』と『別れを告げない』光州民主化運動と四・三をめぐる歴史の逆説 / 真鍋祐子 物語の鳥――歴史の身体を超えて / 須藤輝彦 ❖死者とともに生きる 暗がりに差し込む一筋の光 / 井手俊作 島々の祈り / 石井美保 ❖詩 白いごはん / 小野絵里華 ❖かすかに聴こえる そっと静かに、けれど強く思い続ける人 / 古川綾子 人は歌うときこどもになる / 寺尾紗穂 ❖身体のあわい 潰えた希望から芽吹くもの / 山家悠平 夢から醒めるとき――『菜食主義者』 / 今村純子 舌が溶け、唇をほどく――詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』より / 森山恵 ❖「受賞」に際して ハン・ガンのノーベル文学賞受賞を考える二つの視点 / 崔誠姫 辺境に詩する声――キム・ヘスンとハン・ガン / 吉川凪 傷みの記憶を共にする――ロシア語圏のハン・ガン / 奈倉有里 ❖現代韓国の地平から 黄晳暎からハン・ガンまで――文学作品の当事者性と私たちの〈いま・ここ〉 / 渡辺直紀 「歴史的トラウマ」と文学――韓国でハン・ガンはどう読まれてきたか / 金ヨンロン ❖資料 ハン・ガン全著作解題 / udtt book club ❖忘れられぬ人々*39 故旧哀傷・川喜多長政・かしこ夫妻 / 中村稔 ❖詩 花々・四月中旬 他二篇 / 中村稔 ❖ユリイカの新人 Lost / 湖中千絵 ❖われ発見せり 跡形もなく残るもの / 中田崚太郎 (版元より)
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MONKEY vol. 35 特集 ポール・オースター 君に物語を語りたい
¥2,200
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発行 スイッチ・パブリッシング ISBN:9784884186692 2025年2月15日刊行 2024年にこの世を去った作家、ポール・オースター。 その最晩年に遺した長篇、ノンフィクション、評伝からの新訳、柴田元幸による全作品解説、プライベートな姿を捉えたポートレイト集、妻シリ・ハストヴェットが綴った回想録。永久保存版特集 【CONTENTS】 特集 ポール・オースター 君に物語を語りたい Cover and contents photographs by Spencer Ostrander 2 猿のあいさつ(柴田元幸) ポール・オースター 訳―柴田元幸 8 君に物語を語りたい 12 『バウムガートナー』より第四章 絵―町田かおる 40 『殺戮の国』より第五章 写真―スペンサー・オストランダー 62 『燃える若者 スティーヴン・クレイン評伝』抄訳 94 Portraits of Paul Auster 写真―スペンサー・オストランダー 110 ポール・オースターはこう語った 124 ポールオースター全作品解説 文―柴田元幸 147 シリ・ハストヴェット ANDを悼む 訳―柴田元幸 162 坂口恭平 居眠り 172 No Music, No Stories ブレイディみかこその音を聞いていた 絵ー長崎訓子 183 このあたりの人たち 川上弘美 龍と恋愛 写真―野口里佳 186 百の耳の都市 古川日出男 紫苑物語 artwork―*高田安規子・政子 写真―ただ 190 死ぬまでに行きたい海 岸本佐知子 狸穴 194 本郷の執筆者/次回予告 198 スティーヴン・クレイン 詩 10選 訳―菅啓次郎 絵―きたむらさとし 204 猿の仕事 *……(はしご高) (版元より)
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汚れた歳月|A・P・ド・マンディアルグ
¥3,080
挿画 レオノール・フィニ 翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ A5変型上製本、挿画3点入、208頁 定価 2,800円 (税込3,080円) 悪夢とエロスが混淆した《奇態な》イメージが炸裂する、極彩色の「幻象綺譚集」26篇。 第二次世界大戦下のモナコ隠遁中に書かれた、驚異のヴィジョンと世界終末のデジャヴュ。 作家としての地歩を固めた記念碑的作品。 (版元より)
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時計のなかのランプ|アンドレ・ブルトン
¥2,750
扉絵 トワイヤン 翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ A5変型仮フランス装、カバー箔押し、カラー扉絵付 定価 2,500円 (税込2,750円) 核の脅威に危機感を募らせた、現代に通じる、憤激と祈りのエクリチュール!広島に核が投下された3年後の1948年に発表された戦後のシュルレアリスムを代表するエッセイ。「世界市民」運動でのブルトンのスピーチも追加収録。 「…すなわちこの時代に対する憤りである。あらかじめ憤りに息を詰まらせているのでなければ、驚くような真実に目覚めることもできないだろう」──ジョルジュ・バタイユの書評 (版元より)
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ジャック・リゴー遺稿集
¥2,750
SOLD OUT
発行 エディション・イレーヌ 四六判、写真29点、224頁 定価 2,500円(税込 2,750円) 周到に予定された自殺。 銃弾を胸に撃ち込んで、自らの人生に《予定された》終止符を打ったダダイストにして、美貌のダンディ、ジャック・リゴー。 2007年当社刊『自殺総代理店』の約3倍に上るテクストを完訳、数々の貴重な証言、詳細な年譜、関連写真29点を付した決定版。 ルイ・マルの映画『鬼火』のモデルとなったジャック・リゴーの実像に迫る本邦初の完訳版。 (版元より)
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換気口 Appel d'Air|アニー・ル・ブラン
¥2,750
翻訳 前之園望 A5変形美装本、造本/アトリエ空中線・間奈美子 カバー写真/トワイヤン、本文162頁 定価2,500円+税 最晩年のブルトンが将来を期待した最後の現存するシュルレアリスト──アニー・ル・ブランの著作を本邦初紹介! あたかもブルトンの遺志を継ぐがごとく、詩想なき現代社会の閉塞性を穿つ ポエジーの復権を縦横に訴えた、シュルレアリスム詩論の名著。 (版元より)
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あの日々のすべてを想い起こせ|ラドヴァン・イヴシック
¥2,750
翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ A5変形美装本、造本/アトリエ空中線・間奈美子 写真多数収録、本文164頁 定価2,500円+税 中世の美しい村、サン=シル=ラポピーで繰り広げられる至純の交流。 晩年のブルトンと行動を共にした著者が、圧政下のザグレブから逃れ、 パリでブルトンに出会い、その死に立ち会うまでの12年間の記憶を綴った 渾心の回想録。1966年晩夏、アンドレ・ブルトンの死に至る、衝撃の真実! (版元より)
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マルティニーク島 蛇使いの女|アンドレ・ブルトン
¥2,475
挿画 アンドレ・マッソン 翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ 造本:アトリエ空中線・間奈美子A5変形美装本 挿画全9点、うち7点別丁綴込・一部特色刷り、解題資料写真多数収録 本文144頁 定価2,250円+税 待望の日本語完訳版がついに刊行! マッソンのデッサン9点と、詩と散文と対話が奏でる、 目くるめく《魅惑》と《憤激》のエクリチュール。 カリブ海に浮かぶ熱帯の島マルティニーク。 非西洋文明下における原初の豊饒たる神秘と、それを侵すものへの憤激が、 ブルトンやマッソンの詩文と絵に溶け合って、 昂揚せる詩的融合体と化した シュルレアリスムの不朽の傑作。 「シュルレアリストが作ったエクゾティスムの書物では唯一無二のものだ」 ──アンドレ・マッソン (版元より)
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●訳者サイン本 虎紳士|ジャン・フェリー
¥3,520
SOLD OUT
翻訳者・松本完治のサイン本です 序文 アンドレ・ブルトン 翻訳 生田耕作/松本完治 発行 エディション・イレーヌ B6変型上製本、挿画20点入、200頁 定価 3,200円 (税込3,520円) 生田耕作訳の表題作を再録した他、恐怖と暗いユーモア、ポエジーとリリスムの漂うパタフィジックな奇想コント20篇を本邦初訳で収録。 (版元より)
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●訳者サイン本 神秘の女へ|ロベール・デスノス
¥3,630
挿画 アンドレ・マッソン 翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ A5変型・布張り上製本、表紙箔押し題簽貼り、フルカラー挿画4点入 定価 3,300円 (税込3,630円) 表題詩集に加え、貴重な散文及び没後出版の詩集を収録。盟友マッソンの圧巻のカラー・エッチングを配し、もう一人の盟友アルトーのオマージュを付して、贅を凝らした布張り美装本で贈る! 「この愛の詩集は、私が何年も見聞きしてきたものの中で、最も感動的で、最も決定的なものです」──アントナン・アルトー (版元より)
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サバト館刊行 全書籍目録
¥2,200
SOLD OUT
発行 エディション・イレーヌ B5判冊子 フルカラー52頁、書影・図版76点入 定価 2,200円(税込) 編集:松本完治 所蔵:鎌田 大 我が国初の完全書誌目録を、フルカラー(書影70点余)で紹介。 1972年創業以来、約30年にわたり、造本デザイン別にして120点余りの美装本を世に出した、世界に例を見ないプライベート・プレス「サバト館」。 仏文学者で編集顧問の生田耕作と、社主・生田かをるの偉業を、書誌と書影でたどる永久保存版冊子。 サバト館本は、今後二度と巡り会うことはない、戦後の日本出版史上、最高の《書籍文化遺産》 だ ── 編者 (版元より)
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●訳者サイン本 異国の女に捧ぐ散文|ジュリアン・グラック
¥3,520
SOLD OUT
翻訳 松本完治 発行 エディション・イレーヌ A5変型上製ドイツ装、糸綴じ美装本、表紙箔押し題簽貼り 挿画8点入(ダブルトーン) 定価 3,200円(税込 3,520円) グラック、幻の散文詩集。著者が私家版・限定63部で発表した知られざる佳品。 硬質で燦めくような隠喩を散りばめた美文が、熱い情念と 直截な愛に高揚する、世にも壮麗な絶唱12篇。 山下陽子の繊細極まる新作挿画8点 《彼方》を想起させるグラックの詩的世界と 絶妙のハーモニーを奏でる、愛蔵版詩画集。 (版元より)
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●訳者サイン本 エロティシズム|ローベル・デスノス
¥2,750
序文 アニー・ル・ブラン 翻訳 松本完治 四六判上製本、152頁定価 2,500円+税 プラトニックな愛の極北へ──。 バタイユに先駆けること34年、 シュルレアリスト、ロベール・デスノスが放つ究極のエロティシズム概論。 現代フランス・サド研究の第一人者 アニー・ル・ブランの序文を新たに付し、 1958年発表の澁澤龍彦訳以来、60余年ぶりの新訳で贈る! 閨房に哲学を置いた天底のサドと、 狂おしい愛に白熱する天頂のデスノスが重なり合う、想念のダイナミズム。 本作は、2014年、サド没後200年を期し、パリのオルセー美術館で開催された 大規模なサド展「サド、太陽を撃つ者」の重要な視座となった──。 (版元より)