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少年が来る|ハン・ガン
¥2,750
SOLD OUT
新しい韓国の文学巻次:15 翻訳 井手俊作 発行 クオン 四六判 厚さ195mm 280ページ 並製 価格 2,500円+税 ISBN978-4-904855-40-9 初版年月日 2016年10月31日 1980 年5月18 日、韓国全羅南道の光州を中心として起きた民主化抗争、光州事件。戒厳軍の武力鎮圧によって5月27日に終息するまでに、夥しい数の活動家や学生や市民が犠牲になった。抗争で命を落とした者がその時何を想い、生存者や家族は事件後どんな生を余儀なくされたのか。その一人一人の生を深く見つめ描き出すことで、「韓国の地方で起きた過去の話」ではなく、時間や地域を越えた鎮魂の物語となっている。
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そっと 静かに|ハン・ガン
¥2,420
新しい韓国の文学シリーズ巻次:18 発行 クオン 翻訳 古川綾子 四六変形判 192ページ 並製 価格 2,200円+税 ISBN978-4-904855-70-6 CコードC0097 初版年月日 2018年6月25日 「歌は翼を広げて、私たちの生の上へと滑り出す。歌がなくて、その翼で生の上へと滑空する瞬間すらもなかったら、私たちの苦しみはどれほど重さを増すだろうか」――本文より ハン・ガンが「書きたいのに、書けなかった」と回想する時期に生まれた本書には、音楽との出会い、さまざまな思い出にまつわる歌、著者自身がつくった歌について綴られている。著者の繊細な感性に触れるエッセイ集の初邦訳。 巻末にはオリジナルアルバムの音源情報も収録!
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引き出しに夕方をしまっておいた|ハン・ガン
¥2,420
発行 クオン 翻訳:きむ ふな、斎藤真理子 編集:アサノタカオ 装幀:松岡里美(gocoro) 刊行:2022年6月30日 頁数:192ページ装 版型:四六変形判、仮フランス装 価格:2,200円+税 978-4-910214-28-3 C0098 回復に導く詩の言葉 ハン・ガンが20年余りにわたり書き続けてきた60篇を収めた詩集『引き出しに夕方をしまっておいた』を、著者の小説を手掛けてきた翻訳家きむ ふなと斎藤真理子の共訳により刊行致します。 巻末に収録した翻訳家対談では、韓国における詩の受容や詩人としてのハン・ガンなど、広く深みのある話が繰り広げられており読者を韓国の詩の世界へ誘う格好のガイドとなっています。 ハン・ガンの小説は美しく、同時に力がある。繊細さだけではなく強さがある。 その元にあるものがこの詩にあらわれている。 ――斎藤真理子 ハン・ガンにとって詩は内密な自分自身の声に正直なもの。 詩を書くことで、心身のバランスや問いを直視し続ける力を回復していく。 ――きむ ふな
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0%に向かって|ソ・イジェ
¥2,640
翻訳 原田いず 発行 左右社 定価 2,640 円(税込) 刊行日 2024年10月31日 判型/ページ数 四六判変形 並製 384ページ ISBN 978-4-86528-439-3 Cコード C0097 装幀・装画 森敬太(合同会社飛ぶ教室)/装幀、ぱいせん/装画 独立映画、モータウン・サウンド、HIPHOP…… メインストリームから外れたソウルの「B面」 市場における観客占有率が「0%に向かって」減少の一途をたどっている独立映画をテーマとした表題作ほか、映画のシーンナンバーをつけられた章が散らばる「セルロイドフィルムのための禅」、公務員試験予備校のあつまる鷺梁津(ノリャンジン)を舞台に、勉強はそっちのけで恋と音楽にのめり込む〈俺〉の物語「SoundCloud」など。 若者たちの苦い日々がオフビートに展開する7篇。 〈李箱文学賞〉優秀賞、〈若い作家賞〉受賞作家による注目のデビュー作! ▼ライムスター宇多丸さん 主流文化からこぼれ落ちたものをこそ「逡巡がグルーヴする」文体で掬い取る、鋭くも優しい視点。これは凄い人が出てきたかもしれない……! ▼大田ステファニー歓人さん 映画的非連続性(モンタージュ) 音楽的重層性(サンプリング) 断片記憶の不確実性(マルチタスク)が現代人のフロウ(文体)
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突囲表演|残雪
¥1,650
翻訳 近藤直子 河出文庫 520ページ ISBN:978-4-309-46721-4 Cコード:0197 発売日:2020.09.08 定価1,650円(本体1,500円) 若き絶世の美女であり皺だらけの老婆、煎り豆屋であり国家諜報員、X女史が五香街(ウーシャンチェ)をとりまく熱愛と殺意の包囲を突破する!世界文学の異端にして中国を代表する作家が紡ぐ想像力の極北。 カフカやピンチョンと並ぶ天衣無縫の想像力。 現代中国の鬼才による代表作が、ついに文庫化。 X女史の年齢は諸説紛々二十八通りあり、ピンは五十歳からキリは二十二歳まで。 容姿は「皺だらけ」とも「性感(セクシー)」とも噂され、小さな煎り豆屋を営みながら、 裏で五香街(ウーシャンチェ)の住人たちを狂気へと誘う……。 おそるべき密度と回転速度で描き出す、究極の監視社会と、アナーキーなX女史。 突破せよ、女たち! 軽やかに、ひょうひょうと。 ——斎藤美奈子
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つまみぐい文学食堂|柴田元幸
¥704
角川文庫 発売日:2010年02月25日 判型:文庫判 ページ数:240 ISBN:9784043943302 名翻訳家柴田氏の筆が光る名エッセイ! O・ヘンリーのライスプディング、カポーティのフルーツ・ケーキなど、一皿の表現が作品の印象を決めるような食にまつわるあれこれを綴った、柴田節光る異色エッセイ。吉野朔実さんのイラストつきでお届けします。
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●訳者サイン本 天国ではなく、どこかよそで|レベッカ・ブラウン
¥2,200
翻訳 柴田元幸 出版社:twililight 2000円+税 10月30日発売予定 B6変形 / 136P / モノクロ / 上製本 『体の贈り物』『私たちがやったこと』『若かった日々』などで知られるアメリカの作家、レベッカ・ブラウンの最新物語集『天国ではなく、どこかよそで』。 「三匹の子ぶた」を踏まえた「豚たち」、「赤ずきんちゃん」を踏まえた「おばあさまの家に」をはじめ、ピノキオ、ヘンゼルとグレーテルなど、さまざまな伝統的物語やキャラクターを、レベッカ流に夢見なおした物語が並びます。 語り直しの切り口は作品によってさまざまですが、単一のメッセージに還元できない、怒りと希望をシンプルな文章で発信しつづける作家の神髄が伝わってくる、豊かな「サイクル」が出来上がっています。 訳者の柴田元幸が「この人の文章は言葉というよりほとんど呪文のようなリズムを持っている」と評するレベッカ・ブラウン独自の文体によって、 読者を暗闇から光へ、厳しさから愛へ、私たちが今いる場所から私たちが行くべき場所へと導きます。 “ここにあるのは「めでたし、めでたし」の死角を辛辣なユーモアで照らしてみせる物語。 そうやってわたしたちが見えないふり、聞こえないふり、わからないふりをしてきた暴力の轍を、怒りでもって洗い出し、祈りをこめて語り直すのだ。” 倉本さおり “そこではみんな、ほんものの肉体を得る。 痛みに苛まれ、声は揺らぎ、歪み、叫ぶ。 闇の中、寓話は変わり果てた姿になって 赦しを求め、こちらを見つめる。 どうしてこんなに、愛おしいのだろう。” 大崎清夏
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●サイン本 MONKEY vol. 34 特集 ここにもっといいものがある。岸本佐知子+柴田元幸 短篇競訳
¥1,320
柴田元幸さんサイン本 特典ポストカード付き 発行 スイッチ・パブリッシング ISBN:9784884186463 2024年10月15日刊行 価格 1,320円 (うち税 120円) 翻訳家・岸本佐知子と柴田元幸が、いまいちばん訳したい創作をあつめた海外文学作品特集の第2弾。 2人が選んで訳した英語圏の作家6名による、珠玉の8作品をお届け‼︎ ○ 【CONTENTS】 特集 ここにもっといいものがある。 岸本佐知子+柴田元幸 短篇競訳 Cover and contents artwork by Takada Akiko & Masako Photograph by Tada 2 猿のあいさつ(柴田元幸) 12 スーヴァンカム・タマヴォンサ ランディ・トラヴィス 訳―岸本佐知子 16 エリック・マコーマック 家族の伝統 訳―柴田元幸 31 競訳余話1 KnifeのKを読め ダニエル・ダットン 38 インスタレーション 44 書かないこと 訳―岸本佐知子 ヘザー・アルトフェルド 48 死んだ言語たちを悼む 56 沈黙を悼む 訳―柴田元幸 59 競訳余話2 テクストは星座 64 アンバー・スパークス 大切なものを隠しておくための場所 訳―岸本佐知子 75 ステイシー・オーモニエ 「将軍」拉致 訳―柴田元幸 88 競訳余話3 短篇に求めるもの 94 坂口恭平 今もなんとか生きのびている 104 No Music, No Stories ブレイディみかこ 道、川、線路 絵ー長崎訓子 114 百の耳の都市 古川日出男 文字禍 artwork―*高田安規子・政子 写真―ただ 118 このあたりの人たち 川上弘美 ラーメン 写真―野口里佳 120 死ぬまでに行きたい海 岸本佐知子 下北沢 124 ネルソン・オルグレン あんたの名前、ジョー? 訳―柴田元幸 絵―平松麻 130 本号の執筆者/次号予告 132 猿の仕事 134 ケリー・リンク 他人のゴースト・ストーリー 訳―柴田元幸 絵―見崎彰広 *……(はしご高)
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MONKEY(英語版)Vol.5 CREATURES: A MONKEY’S DOZEN
¥1,650
発行 スイッチ・パブリッシング ISBN:978-4-88418-645-6 2024年10月4日刊行 柴田元幸責任編集の文芸誌「MONKEY」英語版第5弾が刊行決定。CREATURES=「いきものたち」をテーマにした、ここでしか読めない「猿の一ダース」が誕生。最良の翻訳者たちと最高の英訳を作成した特別な1冊です。 【CONTENTS】 6 This Precious Opportunity a story by Aoko Matsuda translated by Polly Barton 8 Tamba-Sasayama a story by Sachiko Kishimoto translated by Margaret Mitsutani 12 White Dog, Black Crow an excerpt from The Holy Family by Hideo Furukawa translated by Kendall Heitzman 17 A Phone Call from Emily Dickinson a poem by Inuo Taguchi translated by Leo Elizabeth Takada 20 Bird’s-Eye View a chapter from Sheltering from Reality by Kyōhei Sakaguchi translated by Sam Malissa 25 After two years in a first-floor apartment, the tenant realizes that a certain cat would pass along the street in front at precisely the same time each day; following the cat, the tenant sees it disappear into a vacant house; when the tenant first moved into the apartment, the house wasn’t vacant a story by Tomoka Shibasaki translated by Polly Barton 28 Selections from Communications from a Wandering Comet five poems by Makoto Takayanagi translated by Michael Emmerich Creatures: A Monkey’s Dozen 36 Cathedral a story by Hiromi Kawakami translated by Ted Goossen 40 Bearman a story by Natsuki Ikezawa translated by Chris Corker 49 Other People’s Ghost Stories a story by Kelly Link 56 The Heron a selection from the novel Gretel and the Great War by Adam Ehrlich Sachs 59 Fish in Muddy Waters graphic vignettes by Satoshi Kitamura 66 Four Poems Sawako Nakayasu 72 The Q-Town Gazelle a story by Kikuko Tsumura translated by Polly Barton 82 Hildisvínis a story by Hiromi Itō translated by Jeffrey Angles 90 Four Modern Haiku Poets on Encounters with Creatures selected and translated by Andrew Campana 100 A Bear’s Tale a story by Laird Hunt 104 Discoveries a story by Hiroko Oyamada translated by David Boyd 112 To Abuse a Monster a story by Kaori Fujino translated by Laurel Taylor 122 A Night in Anton’s Basement a story by Midori Osaki translated by Asa Yoneda and David Boyd 130 Utō: A Noh Play from the modern Japanese translation by Seikō Itō translated and with an introduction by Jay Rubin 136 True Story and They Say two poems by Eleni Sikelianos 138 An Empty Shell a story by Ichiyō Higuchi translated by Hitomi Yoshio 146 Remembering Seiji Ozawa an essay by Haruki Murakami translated by Ted Goossen 150 Letter to the Silent Book Club by Eric McCormack 154 What do you do when a straightforward translation sounds weird? Remarks from twelve translators Jeffrey Angles on peculiar poetry and lucid prose Sonja Arntzen on the power of names David Boyd in defense of weirdness Ted Goossen on translating onomatopoeias Kendall Heitzman on discovering what a thing meant Sam Malissa on putting the pieces together Jay Rubin on the freedom to improvise Mariko Saitō on Japanese loanwords in Korean Motoyuki Shibata on “you” Asa Yoneda on rooms to dream in Hitomi Yoshio on titles and cover designs Anna Zielinska-Elliott on the temptation to add
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●訳者サイン本 パルプ|チャールズ・ブコウスキー
¥990
翻訳 柴田元幸 ちくま文庫 定価990円(10%税込) ISBN 978-4-480-43347-3 Cコード 0197 整理番号 ふ-50-1 刊行日 2016/06/08 判型 文庫判 ページ数 336頁 バーと競馬場に入りびたり、ろくに仕事もしない史上最低の私立探偵ニック・ビレーンのもとに、死んだはずの作家セリーヌを探してくれという依頼が来る。早速調査に乗り出すビレーンだが、それを皮切りに、いくつもの奇妙な事件に巻き込まれていく。死神、浮気妻、宇宙人等が入り乱れ、物語は佳境に突入する。伝説的カル?g作家の遺作にして怪作探偵小説が復刊。
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●訳者サイン本 楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集
¥2,860
翻訳 岸本佐知子 発売日 2024年09月26日 価格 定価:2,860円(本体2,600円) ISBN 978-4-06-533229-0 判型 四六 ページ数 392ページ 初出 「オルゴールつき化粧ボックス」「日干しレンガのブリキ屋根の家」「妻たち」群像2024年5月号。ほかは訳し下ろしです。 人生を物語に刻んで。 ロングセラー『掃除婦のための手引き書』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位)、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。 「彼女の書く文章はほかの誰とも似ていない。読むものの心を鷲づかみにして、五感を強く揺さぶる。読んだときは文字であったはずのものが、本を閉じて思い返すと、色彩や声や匂いをともなった「体験」に変わっている。(中略)まるで自分もそこにいて、それらを見、聞き、感じたような錯覚にとらわれる。それほどに、彼女の言葉の刻印力は強い。」(「訳者あとがき」より) 【目 次】 オルゴールつき化粧ボックス 夏のどこかで アンダード あるゴシック・ロマンス 塵は塵に 旅程表 リード通り、アルバカーキ 聖夜、テキサス 一九五六年 日干しレンガのブリキ屋根の家 霧の日 桜の花咲くころ 楽園の夕べ 幻の船 わたしの人生は開いた本 妻たち 聖夜、一九七四年 ポニー・バー、オークランド 娘たち 雨の日 われらが兄弟の守り手 ルーブルで迷子 陰 新月
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ペドロ・パラモ|フアン・ルルフォ
¥792
翻訳 杉山晃/増田義郎 通し番号 赤791-1 刊行日 1992/10/16 ISBN 9784003279113 Cコード 0197 体裁 文庫 ・ 224頁 定価 792円 ペドロ・パラモという名の,顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく.しかしそこは,ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…….生者と死者が混交し,現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し,ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作.(解説 杉山 晃)
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ズボンをはいた雲|マヤコフスキー
¥1,047
発行 土曜社 翻訳:小笠原豊樹 序文:入沢康夫 仕様:ペーパーバック判(172 × 112 × 8ミリ)96頁 番号:978-4-907511-01-2 初版:2014年5月10日 定価:952円+税 ぼくの精神には一筋の白髪もない! 戦争と革命に揺れる世紀転換期のロシアに空前絶後の青年詩人が現れる。名は、V・マヤコフスキー。「ナイフをふりかざして神をアラスカまで追い詰めてやる!」と言い放ち、恋に身体を燃やしにゆく道すがら、皇帝ナポレオンを鎖につないでお供させる。1915年9月に友人オシップ・ブリークの私家版として1050部が世に出た青年マヤコフスキー22歳の啖呵が、世紀を越えて、みずみずしい新訳で甦る。入沢康夫序文。日本翻訳家協会特別賞。
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裸のランチ|ウィリアム・バロウズ
¥1,320
翻訳 鮎川信夫 河出文庫 376ページ ISBN:978-4-309-46231-8 ● Cコード:0197 発売日:2003.08.06 クローネンバーグが映画化したW・バロウズの代表作にして、ケルアックやギンズバーグなどビートニク文学の中でも最高峰作品。麻薬中毒の幻覚や混乱した超現実的イメージが全く前衛的な世界へ誘う。
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実存と人生 新装版|フランツ・カフカ
¥3,080
発行 白水社 編訳 辻瑆 出版年月日 2024/05/27 ISBN 9784560093269 判型・ページ数 4-6・250ページ 定価 3,080円(本体2,800円+税) カフカが書き残した多くのアフォリズムと日記を編纂した一冊。そこにはさまざまな謎を秘めた彼の文学が映し出されている。 カフカの世界、それは名状しがたい不安の告白であり、日常生活における〈ある闘い〉の記録である。深い実存の寓意は、あらゆる解釈を受け入れると同時に鋭く拒否する。それは一面では、難解さを表わすものかもしれないが、汲めどもつきぬ豊かさ、魅惑の証でもある。 本書はブロート版全集の『田舎の婚礼準備』と『日記』の巻から、アフォリズムのすべてと、比喩、そして生活表明に関する文章を訳者によるオリジナル編集でおくる。カフカのテクストは、長いものにせよ短いものにせよそれぞれが独自の振幅と強度を有すると同時に、それらすべてに「カフカ的」としか言いようのない何かが通底している。本書に収められた小さなことばの群れもまた、そうした「カフカ的」なものの結晶である。生きることと書くこととが相即不離のカフカにとって、本書はいわば、「彼自身によるカフカ」であり、その箴言と比喩の迷宮へとわたしたちをいざなう。 一六 籠が鳥をさがしに出かけた 二二 おまえはやらなければならない宿題そのものなのだ。あたりにはどこにも生徒はいない。(本文より) [著者略歴] フランツ・カフカ(1883–1924) Franz Kafka チェコのプラハ(当時はオーストリア=ハンガリー帝国領)に生まれる。両親ともドイツ系ユダヤ人。プラハ大学で法学を専攻、在学中に小説の習作を始める。卒業後は労働者傷害保険協会に勤めながら執筆にはげむ。若くして結核にかかり、41歳で死去。『変身』などわずかな作品をのぞき、そのほとんどは発表されることなくノートに残された。それらは死後、友 人マックス・ブロートの手で世に出され、現在では世界文学のもっとも重要な作家のひとりとなっている。本書はブロート版全集の『田舎の婚礼準備』と『日記』の巻から、アフォリズムのすべてと、比喩、そして生活表明に関する文章を訳者によるオリジナル編集でおくる。 [編訳者略歴] 辻 瑆(つじ・ひかる) 1923年生。東京大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学名誉教授、ミュンヘン大 学名誉評議員。編著に『カフカの世界』、訳書にカフカ『審判』『ミレナへの手紙』、ブロート『フランツ・カフカ』(共訳)、ツヴァイク『歴史の決定的瞬間』『女の二十四時間』(共訳)など。
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第五インターナショナル|マヤコフスキー
¥1,047
マヤコフスキー叢書9 発行 土曜社 翻訳 小笠原豊樹 仕様 ペーパーバック判(172 × 112 × 6.4ミリ)80頁 番号 978-4-907511-29-6 初版 2016年7月14日 定価 952円+税 五百年後の芸術を描く 1922年秋。30歳の詩人は、3年越しの大作の冒頭をイズヴェスチヤ紙上に発表し、ベルリンへ発つ。やがてディアギレフの案内でパリに入り、ピカソ、レジェ、ストラヴィンスキーらと会う。全八部と構想されながら未完に終わった長篇詩の冒頭二部を、詩人・小笠原豊樹の最後の新訳でおくる。日本翻訳家協会特別賞。 表紙 「労働のかたわらに小銃もお忘れなく」(マヤコフスキー=文、レーベデフ=絵、1921年、ロスタの窓、サンクトペテルブルク) 何か珍しいことでも起こらぬ限り、雲を身にまとっていよう 三年越しの計画だった「第五インターナショナル」を書き始めた。ユートピアである。五百年後の芸術を描くつもりである マヤコフスキー(詩人) この詩の主人公マヤコフスキーは、リュドグス(人間鵞鳥)という生き物を発明する。ネジをキリキリと巻くと、リュドグスの頸は数千メートルも伸び、その伸びた頸を所々方々に向けて、傍観者たることは辛いなどと呟きつつ、世界各地の事象を眺める 小笠原豊樹(詩人・翻訳家) 著 者 略 歴 ヴラジーミル・マヤコフスキー Влади́мир Влади́мирович Маяко́вский ロシア未来派の詩人。1893年、グルジアのバグダジ村に生まれる。1906年、父親が急死し、母親・姉たちとモスクワへ引っ越す。非合法のロシア社会民主労働党に入党し逮捕3回、のべ11か月間の獄中で詩作を始める。10年釈放、モスクワの美術学校に入学。12年、上級生ダヴィド・ブルリュックらと未来派アンソロジー『社会の趣味を殴る』のマニフェストに参加。13年、戯曲『悲劇ヴラジーミル・マヤコフスキー』を自身の演出・主演で上演。14年、第一次世界大戦が勃発し、義勇兵に志願するも結局、ペトログラード陸軍自動車学校に徴用。戦中に長詩『ズボンをはいた雲』『背骨のフルート』『戦争と世界』『人間』を完成させる。17年の十月革命を熱狂的に支持し、内戦の戦況を伝えるプラカードを多数制作する。24年、レーニン死去をうけ、叙事詩『ヴラジーミル・イリイチ・レーニン』を捧ぐ。25年、世界一周の旅に出るも、パリのホテルで旅費を失い、北米を旅し帰国。スターリン政権に失望を深め、『南京虫』『風呂』で全体主義体制を諷刺する。30年4月14日、モスクワ市内の仕事部屋で謎の死を遂げる。翌日プラウダ紙が「これでいわゆる《一巻の終り》/愛のボートは粉々だ、くらしと正面衝突して」との「遺書」を掲載した。 訳 者 略 歴 小笠原 豊樹 〈おがさわら・とよき〉 詩人・翻訳家。1932年、北海道虻田郡東倶知安村ワッカタサップ番外地(現・京極町)に生まれる。東京外国語大学ロシア語学科在学中にマヤコフスキー作品と出会い、52年に『マヤコフスキー詩集』を上梓。56年、岩田宏の筆名で第一詩集『独裁』を発表。66年『岩田宏詩集』で歴程賞。71年に『マヤコフスキーの愛』、75年に短篇集『最前線』を発表。露・英・仏の3か国語を操り、『ジャック・プレヴェール詩集』、ナボコフ『四重奏・目』、エレンブルグ『トラストDE』、チェーホフ『かわいい女・犬を連れた奥さん』、ザミャーチン『われら』、カウリー『八十路から眺めれば』、スコリャーチン『きみの出番だ、同志モーゼル』など翻訳多数。2013年出版の『マヤコフスキー事件』で読売文学賞。14年12月、マヤコフスキーの長詩・戯曲の新訳を進めるなか永眠。享年82。
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ホーム・ラン|スティーヴン・ミルハウザー
¥2,640
翻訳 柴田元幸 発行 白水社 出版年月日 2020/07/09 ISBN 9784560097793 判型・ページ数 4-6・206ページ 定価 2,640円(本体2,400円+税) 精緻な筆致、圧倒的想像力で名匠が紡ぐ深遠な宇宙。表題作や「ミラクル・ポリッシュ」など奇想と魔法に満ちた8篇と独特の短篇小説論
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セックスの哀しみ|バリー・ユアグロー
¥1,430
翻訳 柴田元幸 白水Uブックス 発行 2008/10/01 ISBN 9784560071731 判型・ページ数 新書・296ページ 定価 1,430円(本体1,300円+税) 女性器が逃げ出して町をパニックに陥れたり、キスすると恋人の体から花が次々に咲きだしたり、愛と性をめぐる、おかしくて、せつなくて、奇想天外な90の超短篇があなたの度肝を抜く。 で、そのテーマとは、まさにタイトルどおり「セックスの哀しみ」と言ってもいいし、あるいは「恋の歓喜と悲哀」とも言えそうだし、何なら「男の情けなさ」でもよさそうである。(訳者あとがきより)
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生半可な學者|柴田元幸
¥1,650
白水Uブックス 出版年月日 1996/03/01 ISBN 9784560073339 判型・ページ数 新書・204ページ 定価 1,650円(本体1,500円+税) 「肉じゃがとステーキに見る日米文化の差異」「インドで犬に咬まれた私にインド人医師が与えたアドバイスとは」「ジュークボックスをはじめて見たアメリカのお母さんの反応は」等々、アメリカ小説の名翻訳家によるすこぶる愉快でためになるエッセイが満載。
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逸脱のフランス文学史 ウリポのプリズムから世界を見る|塩塚秀一郎
¥2,090
発行 書肆侃侃房 四六判、並製、272ページ 定価:本体1,900円+税 ISBN978-4-86385-613-4 C1098 装幀 加藤賢策(LABORATORIES) 『聖アレクシス伝』『狐物語』からパトリック・モディアノ、アニー・エルノーまで。 新たな角度から提示される、わくわくするフランス文学講義! レーモン・クノーやジョルジュ・ペレックらによる前衛的な実験文学集団「ウリポ」。 言語に秘められた潜在的可能性を追求した彼らの営為を研究してきた著者が、「ウリポ」の視点からフランス文学史を新たに捉え直す。 古典から現代作品まで25の名作でたどるフランス文学案内。 「私がウリポの作家たちを身近に感じるのは、彼らが深刻さを拒んでいるからです。この深刻さというやつは、フランス文学の風土のいたるところで感じられるもので、ちょっとは自分を皮肉る必要がありそうなときでも消えはしません」(イタロ・カルヴィーノ) 【紹介される作品】 フランソワ・ラブレー『ガルガンチュアとパンタグリュエルの物語』 ジャン=ジャック・ルソー『告白』 ドニ・ディドロ『運命論者ジャックとその主人』 スタンダール『パルムの僧院』 オノレ・ド・バルザック『従兄ポンス』 シャルル・ボードレール『悪の華』 ギュスターヴ・フロベール『感情教育』 ギュスローヴ・フロベール『ブヴァールとペキュシェ』 ジュール・ヴェルヌ『神秘の島』 レーモン・ルーセル『ロクス・ソルス』 アンドレ・ジッド『贋金つかい』 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』 アニー・エルノー『戸外の日記』 ほか 【著者プロフィール】 塩塚秀一郎(しおつか・しゅういちろう) 1970年、福岡県北九州市生まれ。専門は近現代フランス文学。 東京大学教養学部(フランスの文化と社会)卒業。同大学院人文 科学研究科修士課程(仏語仏文学専攻)修了。パリ第3大学博士 (文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に 『ジョルジュ・ペレック 制約と実存』『レーモン・クノー 〈与太郎〉的叡智』、訳書にジョルジュ・ペレック『さまざまな空間』『煙滅』、レーモン・クノー『あなたまかせのお話』『リモンの子供たち』(日仏翻訳文学賞受賞)などがある。
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水車小屋のウィル|R.L.スティーヴンソン
¥1,650
翻訳 有吉新吾 解説 堀江敏幸 発行 西田書店 2024年5月15日刊行 判型、ページ数 四六判上製、88ページ IISBN ISBN978-4-88866-691-6 C0097 ¥1500E 価格(本体1500円+税) スコットランドの山峡から届いた不朽の名作。『宝島』『ジキル博士とハイド氏』の作者スティーヴンソンが、幼少時代・恋情と死を題材に、「人間の真の仕合せ」をこの短編に込める。 深い、生き生きとした夢の中で 解説:堀江敏幸 ウィルの「素朴な人生哲学」は、ひとりの人間が生き、そして死ぬことの意味を、深く考えさせてくれる。若い日に出会った英国十九世紀に英語で書かれた短篇小説の香気を味わい直すために、自分の手で日本語に移そうと試みた有吉氏の姿勢に感銘を受ける。そればかりではない。「春を待たずに逝った老妻に手向ける」と扉の献辞にあるとおり、本書はその喜びを共有してくれるであろう妻の命を少しでも長くこの世に引き留めるために、いわば渾身の力でなしとげた魂の写経であり、翻訳がそのまま鎮魂歌となった美しい事例として、読者の胸に残り続けるだろう。 本書解説文より抜粋
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●訳者サイン本 すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集|ルシア・ベルリン
¥1,100
訳者サイン本 講談社文庫 発売日 2024年9月13日 価格 1,100円 ISBN 9784065366752 ページ数 448p 一篇読むたびに本を置いて小さくうなり、深呼吸せずにいられない。 このように書く作家はほかにはいないと、何度でも思う。 ーー訳者あとがきより 中学でスペイン語を教える新米女性教師が、 聡明な不良少年のティムにとことん振り回される(「エル・ティム」)。 夫を失った傷を癒やすために訪れたメキシコの小さな漁村で、 女がダイビングを通じて新たな自分と出会う(「すべての月、すべての年」)。 世界中で驚きと喜びをもって迎えられた、至高の短篇集。
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すべての月、すべての年 ルシア・ベルリン作品集
¥2,640
発行 講談社 訳:岸本佐知子 発売日 2022年04月22日 価格 定価:2,640円(本体2,400円) ISBN 978-4-06-524166-0 判型 四六 ページ数 376ページ 初出 「虎に噛まれて」「カルメン」「B・Fとわたし」…「群像」2021年6月号。その他は訳し下ろしです。 魂の作家による19の短編。 ロングセラー『掃除婦のための手引き書』のルシア・ベルリン、待望の新邦訳作品集。 『掃除婦のための手引き書』の底本である短編集 A Manual for Cleaning Women より、同書に収録しきれなかった19編を収録、今回も傑作ぞろいの作品集です。 〈収録作品〉 虎に噛まれて/エル・ティム/視点/緊急救命室ノート、一九七七年/失われた時/すべての月、すべての年/メリーナ/友人/野良犬/哀しみ/ブルーボネット/コンチへの手紙/泣くなんて馬鹿/情事/笑ってみせてよ/カルメン/ミヒート/502/B・Fとわたし 著者紹介 著:ルシア・ベルリン(ルシア・ベルリン) 1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、学校教師、掃除婦、電話交換手、看護助手などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざした小説を書きはじめ、77年に最初の作品集が発表されると、その斬新な「声」により、多くの同時代人作家に衝撃を与える。90年代に入ってサンフランシスコ郡刑務所などで創作を教えるようになり、のちにコロラド大学准教授になる。2004年逝去。レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィスをはじめ多くの作家に影響を与えながらも、生前は一部にその名を知られるのみであったが、2015年、本書の底本となるA Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、多くの読者に驚きとともに「再発見」された。邦訳書に『掃除婦のための手引き書』(岸本佐知子訳)がある。
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小説の読み方、書き方、訳し方|柴田元幸/高橋源一郎
¥814
河出文庫 256ページ ISBN:978-4-309-41215-3 ● Cコード:0190 発売日:2013.04.06 定価814円(本体740円) 小説は、読むだけじゃもったいない。読んで、書いて、訳してみれば、百倍楽しめる! 文豪と人気翻訳者が〈読む=書く=訳す〉ための実践的メソッドを解説した、究極の小説入門。