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愛の練習|中村季節
¥1,000
リトルプレス 発行 2025年4月6日 文庫サイズ、118ページ 1000円(税込) 『大工日記』に続く、中村季節さんによる日記集第二弾。 ◯ まともな恋愛経験をもたぬ私がはじめてちゃんと人と〝付き合う〟ということをしはじめた数カ月の記録。 (著者より)
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演出をさがして 映画の勉強会|濱口竜介/三宅唱/三浦哲哉
¥2,860
発行:フィルムアート社 四六判 定価 2,600 円+税 2,860 円(税込) ISBN978-4-8459-2500-1 発売日 2025年12月12日 現代日本映画を牽引する映画監督・濱口竜介と三宅唱、そして同時代を並走してきた映画研究者・三浦哲哉の3人による「映画の勉強会」が発足! 映画の「演出」とは何か? ロベール・ブレッソン、ビクトル・エリセ、トニー・スコット、侯孝賢── 巨匠たちの作品の「演出」に焦点を当て、 つかまえようとしては逃げていく、目には見えない「演出」のありかを探す。 見れば見るほど発見があり、考えれば考えるほど面白い「演出」の魅力に迫る、 映画の演出をめぐる、終わりなき学びのドキュメント。 画面に映る映像になぜ心が動かされるのでしょうか。 そこに張り巡らされている「演出」とは、いったいどういうものなのでしょうか。 本書は、映画監督の濱口竜介と三宅唱、映画研究者の三浦哲哉という気心の知れた3人が集い、2018年より続けてきた映画の演出についての勉強会の「第1集」です。 3人がそれぞれ手にした地図とアイテムを持ち寄り、共に旅に出る、映画の演出をめぐる冒険の書です。 映画から受け取った驚きや喜び、問い、そして戸惑いを、共有する。 3人の勉強会だからこそ見つけられる(ひとりでは見つけられなかったかもしれない)発見がある。 見つける人と見逃す人が交代していきながら、その発見をバトンにしてリレーしていく。 そんな「映画の勉強会」の面白さ、興奮、熱気を存分にお楽しみ下さい。 【言及される主な作品】 ロベール・ブレッソン『ブローニュの森の貴婦人たち』『ジャンヌ・ダルク裁判』『やさしい女』『ラルジャン』 ビクトル・エリセ『マルメロの陽光』『エル・スール』『ミツバチのささやき』 トニー・スコット『ハンガー』『ザ・ファン』『エネミー・オブ・アメリカ』『デジャヴ』『アンストッパブル』 侯孝賢『ミレニアム・マンボ』『百年恋歌』『童年往事 時の流れ』『悲情城市』 * 濱口竜介『ドライブ・マイ・カー』 三宅唱『ケイコ 目を澄ませて』 ──映画を勉強するということは、いったいなんなのでしょうかね? (版元より)
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穴の空いた真空|みやざきゆりえる
¥1,818
リトルプレス サイズ:文庫サイズ(A6)/170頁 価格:1,818円(税込) 執筆・編集:みやざきゆりえる デザイン:鈴木大輔(濁点) 表紙絵:kie 印刷:東湘印版株式会社 初版発行:2025年8月11日 アートマネージャーとしてアートや音楽、ダンス、演劇などに携わる仕事をしながら、俳優や服のリメイク販売など、一言では言い表せない様々な活動をしているみやざきゆりえるが、2025年8月に初の日記とエッセイ本『穴の空いた真空』を発表します。 この本には、著者が2022年から1年間Instagramに投稿していた日記や、日々の中で発することに違和感を持つ言葉を集めたコラム「うまく語れない言葉」、最近自身に起きた未知の体験をテーマにこの本のために書き下ろしたエッセイ2本、そして過去に作詞作曲したふたつの楽曲の詞を掲載。 アーティストのkieさんによって描き下ろされた表紙絵は、タイトルから着想を得て、実際に表紙カバーに穴が空けられています。 何も考えずに開いたページから読み始めたり、本を読んでいる日に近い日付を探したり、短いコラムから読み進めたり、どこから読んでいただいても構いません。私のこれまでの記録が、どこかのあなたに寄り添えたら幸いです。今のあなたの気分やペースに合わせて、おたのしみください。 《目次》 はじめに/日記/うまく語れない言葉 書き下ろしエッセイ「1.5cm」「動き出せないからだ」 歌「WAO!」「朝」/おわりに (版元より)
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よそ見とその反対|飯村大樹
¥1,100
リトルプレス 1000円 ページ数 92ページ サイズ 文庫版 過去に起こった出来事や生活にまつわることから想起されたことをエッセイにしてみました。 最近は、自分のルーツや本質について切実に考えることと、そこから「よそ見」をしてまったく違うことを考えることの間の関係性に興味があります。 例えば「カッパのいる街」では最近引っ越してきた街にカッパを見つけたことから、街と自分の関係性について書いてみました。「予知能力」では自分の持っていた2つの予知能力から人生について振り返ったりしています。よそ見をして、もう一度よそ見をしたらそれはどちらを向いているのか。そういう思いつきがインスピレーションになっています。 今回の本では、なるべく具体的な出来事に即して書けないかなと思って試行錯誤してみました。 おもしろがって読んでくださったら嬉しいです! もくじ ・よそ見とその反対 ─ まえがきにかえて ・カッパのいる街 ・「おばあちゃんと行ってきな」 ・予知能力 ・無関係に明るくて心地の良い ・卵とひまわり ・父と呪い 飯村大樹(いいむら・ひろき) 1995年、茨城県水戸市生。ブックデザイナー。好きな食べ物はタコスとたこ焼きとモンブラン。 お問い合わせは [email protected] までお願い致します。 Twitter: https://twitter.com/iimuraaaaaa Instagram: https://www.instagram.com/iimuraaaaaa/ (版元より)
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サッド・バケーション|飯村大樹
¥990
リトルプレス 値段 900円 +tax ページ数 94ページ サイズ 文庫版 エッセイ6本+日記を収録。 ①「風景になる」は、自分の加害性の発見から出発して、かわいいものが好きになり、願わくば木や風景になりたいんだという話。 ②「祝福の生クリーム」は人生で初めて展示というものをやってみたら、 人々が結婚式をやる意味がすこし分かった。 ③表題作「サッド・バケーション」は、生きていると自然に湧いてきてしまう人生の「さみしさ・悲しさ・むなしさ etc…」の感情についての記録。 ④「僕の見た3月11日」は、約7年前に書いた震災についての文章。茨城県北部で被災するとこういう風になるということが書かれています。 ⑤「変奏」は、その名の通り変装してceroのライブに行った話。楽しくもあり、痛々しい記憶でもあります。 ⑥「そわそわする身体」。これはその名の通りそわそわしちゃうな〜という話。そこから、自らの身体をケアする視点を身につけるようになったという話です。 目次 ・風景になる ・祝福の生クリーム ・サッド・バケーション ・僕の見た3月11日 ・変奏 ・そわそわする身体 飯村大樹(いいむら・ひろき) 1995年、茨城県水戸市生。フリーランスでデザイン・書籍組版業。好きな食べ物はたこ焼きとモンブラン。 お問い合わせは [email protected] までお願い致します。 Twitter: https://twitter.com/iimuraaaaaa Instagram: https://www.instagram.com/iimuraaaaaa/ https://linktr.ee/iimura (版元より)
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GOAT Winter 2026
¥510
発行:小学館 A5判 488ページ 定価 510円(税込) ISBN978-4-09-802118-5 初版年月日 2025年12月8日 〇特集「美」 【小説】 高瀬隼子 九段理江 間宮改衣 山口未桜 芦沢 央 井上先斗 大前粟生 児玉雨子 蝉谷めぐ実 永井紗耶子他 【インタビュー】 池田エライザ 【対談】 上白石萌音×藤原さくら 恩田 陸×鈴木成一 【芸術新潮コラボ企画】 暮田真名×Nerhol ぱらり×諏訪 敦 【鼎談】 佐藤 究×IIISU [本格ミステリ特集] 【鼎談】 青崎有吾×阿津川辰海×白井智之 【エッセイ】 有栖川有栖 法月綸太郎 【私のGOAT本】 町屋良平 松井玲奈 宮内悠介 yama他 【文学賞】 第3回GOAT×monogatary.com文学賞 受賞作発表 選考委員長:加藤シゲアキ 【対談】 藤ヶ谷太輔×朝井リョウ 俵 万智×岸田 繁 平野啓一郎×マライ・メントライン 【鼎談】 浜辺美波×目黒 蓮×長月天音 [特集] 「ぎんなみ商店街の事件簿」完全ガイド 読書系 YouTube「ほんタメ」×「GOAT」コラボ 【対談】たくみ×齋藤明里 【インタビュー】井上真偽 新作試し読みも! 【小説】 金子玲介 貴志祐介 佐原ひかり 遠田潤子 八木詠美 他豪華企画多数! (版元より)
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ペットを愛した人たちがペットロスについて語ったこと 作家・アーティストたちの152の言葉|サラ・ベイダー
¥2,200
翻訳 佐藤弥生/茂木靖枝 発行:フィルムアート社 四六判 248ページ 並製 定価 2,000 円+税 2,200 円(税込) ISBN978-4-8459-2408-0 発売日 2025年5月24日 レイモンド・チャンドラー、エドワード・ゴーリー、ビリー・ホリデイ、チャールズ・シュルツ、ヘレン・ケラー、バラク・オバマ―― 古今東西の作家、芸術家、音楽家、研究者、医者、政治家、トレーナーたちが、 どれほどの愛をもってペットに接し、そしてその別れにどう向き合ってきたか 本書は、100名以上の著名人がのこした、ペットにまつわる152のことばと、24名についてのエッセイを収録した、ペットへの深い愛が詰まった一冊です。 手紙や日記、伝記、回顧録、エッセイ、インタビュー等を通して明らかにされるペットとの絆、別れを迎える「そのとき」の心境、その後の喪失感とどう向き合ったかがそれぞれ綴られています。 エッセイでは写真とともにエピソードを紹介しており、『ピーナッツ』作者のチャールズ・シュルツとスパイク(スヌーピーのモデル、雑種犬)、『ピータラビット』作者のビアトリクス・ポターとシャリファ(ネズミ)、レイモンド・チャンドラーと女王タキ(ペルシャ猫)など、犬や猫だけでなく、ウサギや鳥、馬、ネズミ、マングースなどの動物も登場します。 愛するペットを失うその心の痛みについて、ノーベル賞作家のV・S・ナイポールは「大きな悲劇」と表現し、作家のメイ・サートンは「火山が噴きあがるような激しい悲しみ」と称しています。本書は、ペットロスに悩む方、「そのとき」への心構えができない・想像もつかないという方にとって、慰めと将来への展望を与えてくれる、道しるべとなる一冊です。 この数年間、あの子は部屋の隅々を、分刻みの時間を、そしてわたしを、とてもやさしく満たしてくれた。 ――アリス・B・トクラス(芸術家) 探しものの最中に、うちの猫の1匹がもうじき9歳になり、そしてもう1匹がまもなく8歳になるという事実に出くわした。 てっきりまだ5歳か6歳くらいだと思っていたのに。 ――エドワード・ゴーリー(作家・芸術家) 悲しみは長くつづき、もう二度と犬は飼わないと心に決めた。 けれども、誰もが知っているように、そのうちにまた別の犬がやって来るのだ。 ――ヘレン・ケラー(教育家・作家・社会活動家) その駆け抜ける生は、あまりにも短い。犬はあっという間に行ってしまう。 その悲しみの物語なら、わたしにもあるし、きっとあなたにもあるだろう。 老いていくのをただ見守るなんて、意志の敗北、愛の敗北のようにさえ思える。 どんな手を尽くしてでも、ずっとそばにいてほしい、若いままでいてほしい。 ただひとつ、わたしたちが与えられぬ贈り物。 ――メアリー・ウォリバー(詩人) 【本書に登場する主な人々】 アンディ・ウォーホル、フレッド・ロジャース、村上春樹、E・B・ホワイト、キース・リチャーズ、ジュリア・チャイルド、ヴァージニア・ウルフ、ルイ・アームストロング、アントン・チェーホフ、レイモンド・チャンドラー、ゾラ・ニール・ハーストン、ジョン・スタインベック、チャールズ・シュルツ、パブロ・ネルーダ、ニコラ・テスラ、マンディ・パティンキン、ロバート・フロスト、ヘレン・ケラー、エミリー・ディキンソン、P・G・ウッドハウス、ビリー・ホリデイ、ジョージア・オキーフ、アリス・ウォーカー、ウィリアム・S・バロウズ、アーシュラ・K・ル゠グウィン、エドワード・ゴーリー、イーディス・ウォートン、アーサー・C・クラーク、アリス・B・トクラス、エドワード・オールビー、ジョン・スタインベック、ディーン・クーンツ、フィオナ・アップル、ユージン・オニール、バラク・オバマ、エレノア・ルーズベルト、エイミ・タン、ビアトリクス・ポター、ウィンストン・チャーチル、レイチェル・カーソン、セレーナ・ウィリアムズ、パティ・スミス、ジェーン・グドール、トルーマン・カポーティ、ウォルター・スコット、ジークムント・フロイト、マーク・トゥエイン、ジョージ・ゴードン・バイロン…… (版元より)
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私たちはいつから「孤独」になったのか|フェイ・バウンド・アルバーティ
¥4,620
発行 みすず書房 訳者 神崎朗子 判型 四六判 頁数 344頁 定価 4,620円 (本体:4,200円) ISBN 978-4-622-09655-9 Cコード C0036 発行日 2023年11月16日 自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。 (版元より)
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skmt 坂本龍一とは誰か|坂本龍一/後藤繁雄
¥1,210
発行 筑摩書房 定価 1,210円(10%税込) ISBN 978-4-480-43307-7 Cコード 0195 整理番号 さ-43-1 刊行日 2015/11/10 判型 文庫判 ページ数 400頁 坂本龍一は、何を感じ、どのように時代をとらえ、どこへ行こうとしているのか?彼の感受性にぶつかるのは何であり、時事性がどのように創作へと彫琢されるのか? インタビューの達人として知られる独特編集者・後藤繁雄とともに、坂本の思考の系統樹をたどり、「時代」に解消されない独創性の秘密にせまる。 『skmt』『skmt2』を合本した「予見」の書。 (版元より)
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るきさん(新装版)|高野文子
¥1,760
発行 筑摩書房 定価 1,760円(10%税込) ISBN 978-4-480-88808-2 Cコード 0079 刊行日 2015/06/25 判型 A5判 ページ数 128頁 のんびりしていてマイペース。だけどどこかヘンテコな、るきさん。読めば読むほどクセになる彼女の日常生活をオールカラーでお届けします。大きめで読みやすい、新装版での登場です。 その後のるきさんを描いた番外編1編を増補! (版元より)
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ともだちがほしかったこいぬ|奈良美智
¥1,760
SOLD OUT
発行 マガジンハウス ページ数:40頁 ISBN:9784838711543 定価:1,760円 (税込) 発売:1999.11.18 世界的アーティストとして人々を魅了する奈良美智が ドイツ・ケルン滞在中の1999年に作品集として発表した絵本が この「ともだちがほしかったこいぬ」。 数多くの魅力的な女の子や動物を描いてきた 奈良美智の原点ともいうべき一冊です。 表紙を飾るのは赤い鼻の「こいぬ」。 この「こいぬ」の意外な真実、気になりませんか? もう一人、登場するのは好奇心旺盛な「おんなのこ」。 この子も奈良作品ならではの魅力全開。 どの表情も印象的な「こいぬ」と「おんなのこ」が、 出会い、そしてーーー。 ファンタジックで心温まるストーリーとともに 眺めるだけでも楽しい、 奈良美智の世界をたっぷりお届けします。 ◯ きみが もしも ひとりぼっちで とても さびしくても きっと どこかでだれかが きみとであうのを まってるよ だいじなのは さがすきもち! (本文より) (版元より)
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私はそうは思わない|佐野洋子
¥748
発行 筑摩書房 定価 748円(10%税込) ISBN 978-4-480-03153-2 Cコード 0195 整理番号 さ-5-3 刊行日 1996/02/22 判型 文庫判 ページ数 304頁 解説: 群ようこ 佐野洋子は過激だ。ふつうの人が思うようには思わない。大胆で意表をついたまっすぐな発言をする。だから読後が気持ちいい。 目次 「まえがき」のかわりの自問自答 二つ違いの兄が居て でっかいおしりの働き者だったから 野っ原には可憐な花も咲き お友達なんかいりませんでした やがて慣れてくると女は もしかして夫婦ってこんなじゃないか 段々畑を上がっていった家にお嫁にいった 女は一度も起き上がらなかった なんだ野原の原なのか〔ほか〕 (版元より)
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生活の観客|柴沼千春
¥2,200
リトルプレス ページ数:316 判型:四六判変形 発行年月日:2025年11月30日 第1刷 2022年の元日から毎日日記をつけ、年に一度か二度本をつくる著者の5冊目となる日記集。体調不良、休職、引っ越しといった個人的な変化と、演劇などの芸術鑑賞、旅、周囲の人との関わりや日常のささやかな出来事を含む2025年1月からの289日分の日記と、表題エッセイ「生活の観客」を収録。 日記をつけるという行為は、個人的な記録であると同時に、虐殺や差別、分断が蔓延する現代社会で無視できない「他者の痛み」とどう向き合うかという倫理的な試みでもあります。想像しきれない他者と関わる上で、ある程度の距離をもって「観客」として暮らすことの後ろめたさや戸惑いを、著者の感覚を込めた言葉で日々率直に書き記しながら、距離がある場所から自分ではない誰かとどのように関係できるかを思考するドキュメンタリーのような作品を目指しました。 (版元より)
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長い話|柴沼千晴
¥1,300
リトルプレス A5変形/72ページ/ミシン綴じ製本 価格 税込1300円 2025年11月30日 第1刷 発行 装丁・組版:栗本 凌太郎 印刷・製本:イニュニック 演劇が、音楽が、文学が、映画が、 写真が、絵画が、日記が 世界をよく見るための通り道だとしたら? (本文より) それぞれの場所で暮らしていても、 一緒に生きていると思えることについて、 最近はずっと考えている。 (帯文より) 毎日の日記を束ねることで日記本を制作してきた著者初の「日記エッセイ集」。2025年の日記の中から、演劇や音楽、本などの作品を鑑賞した6日間の日記を抜粋し、計3万字の作品として纏めました。(いずれも『生活の観客』にも収録している日付ですが、日記は異なる文章です)。 自分の生活を綴りながら他者の痛みを想像し、「それぞれの場所で暮らしていても、一緒に生きていると思えること」を考え続ける日々。著者が日頃から関心を持つ文化芸術の作品に触れる(=観客である)ことは、そのアーティストの考え方を借りて世界をよりよく見ようとする営みでした。そして、それを受け取った自分の中に何が起こったかを自分なりの通り道(=日記)で書き残すことで、その作品に出てきた人やその作品をつくった人、そしてまだ出会えていない誰かへの応答を試みました。『生活の観客』と対をなすもうひとつのまなざしのドキュメンタリーであり、また、ひとりの人間が、表現に向かうまでの物語です。 (版元より)
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Personal matters -結婚のこと-|星野文月
¥1,320
リトルプレス 2025年11月1日初版1刷発行 2025年11月18日初版2刷発行 2025年12月5日初版3刷発行 平綴じ、本文106p、B6新書版 結婚に憧れを抱けず、どこか抵抗感を感じていた自分が、実際に結婚してから直面した葛藤や揺らぎを綴ったルポ・エッセイです。 「結婚した人」として見られる居心地の悪さや、揺れ続けるセクシャリティ、ほかにも好きな人がいること— 制度や常識にぶつかりながら、”人と一緒に生きること”と”自分のままでいる”ことのあいだで揺れながら綴った一冊です。 <目次> のれない「恋愛」 社会保険 さみしい結婚観 ほかにも好きな人がいること セクシャリティがわからない 婚約 入籍 わたしにとってのセックス 愛されることがこわい ふたりで生きる (版元より)
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引き裂かれた心について私に言える、スプーンひと匙ほどのこと|関根愛
¥1,200
リトルプレス 発行日 2025 年12 月21 日 初版第1 刷 装 丁 domeki 印 刷 株式会社イニュニック 無線綴じ/全50ページ "ある女性が自分自身の傷としん、とふたりきりになり これからのために書き置いたメモ" という形をとった、痛みと喪失に関する私的な物語。 〈 もくじ 〉 -傷、哀しみ、喪失、苦痛ーーー引き裂かれた心についての自然と態度の断片メモ- A.「痛い」と認める B. あなたが傷つくかどうかは、あなたがえらべる C. 傷を味わう/傷と創造 E. 傷のあるがままーーーあるいは、そのままでいい F. Can you feel or imagine the pain of people who… ? (版元より)
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光あるうち光のなかを歩む|橋本亮二
¥1,100
SOLD OUT
発行 十七時退勤社 B6判並製/本文110ページ 本体価格:1,100円 装丁:関口竜平(本屋lighthouse) 装画・挿絵:佐藤ジュンコ 「ずっと怒っていたように思う。何者でもない自分に、劣等感とともに生きている自分に。人は常にひとりなのに、寄りかかって、思いを向けてほしいとすがっていた。なぜこんなに凪いだのか。すぐ言葉にできない思索を、文字で綴ることで回復の道を歩んだのかもしれない。いま、日々は光にあふれている。」(「はじめに」より) 出版社の営業、二十二年目。本を抱えて会いにいく日々の延長にある、つまずきと回復の記録。 (版元より)
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綴じること 綴ること A Day of Binding and Writing in Pages.|笠井瑠美子
¥1,430
発行 十七時退勤社 B6判並製/本文144頁 本体価格:1,300円 装丁:千葉美穂(Ophelia Design Studio.) 寄稿ゲスト:宮崎麻紀(かもめブックス)、花本武(今野書店)、鈴木雅代(石堂書店/本屋・生活綴方) 「紙からしか得られない栄養がある。飽きもせず、今日も本を触っている。無地のレポート用紙を買い集めて、恍惚としていた小さい頃となにも変わっていないと思う。ただ、ひとつだけ変わったのは、わたしが日々触っている紙は、必ずしも真っ白ではなく、そこには文字が綴られている。」(「はじめに」より) 製本の仕事と、文章を書くこと、綴じると綴るを行ったり来たりする日々をまとめた、著者はじめてのエッセイ集。 (版元より)
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夜明けと音楽 새벽과 음악 Dawn and Music|イ・ジェニ
¥2,200
翻訳 橋本智保 発行 書肆侃侃房 四六変形並製、240ページ 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-703-2 C0098 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 Karolina Skórka 発売 2025年11月 「結局のところ物を書くというのは、よく知っている単語の中に、自分の悲しみを見つけること」 なくなったものの痕跡をたどり、孤独とともに創作する詩人イ・ジェニが綴るエッセイ集。 夜の闇に流れる、長く静かな時間に立ち上がる静謐な26編。 ある夜明けには涙のようにあふれる音楽について語り、またある夜明けには悲しみに満ちたプレイリストを思い出しながら詩を読む。 旅先で遭った不慮の事故、長いあいだ不眠症に悩まされたこと、ロックバンドで音楽に心酔していた二十代の頃のこと。 孤独とともに創作する詩人が、母の最期に立ち会い、イヨネスコやボードレールなど文人たちの足跡をたどり生まれた、詩と散文の境界を行き来するような言葉の記録。 ロングセラーエッセイ『詩と散策』(ハン・ジョンウォン)と並ぶ、“言葉の流れ”シリーズの代表作。 ①「チェチェク―花の別称」 ②「夢はどこから流れてきて、どこへ流れていくのか ――夜明けの日記 二〇一六年二月七日 一時三十一分」 ③「白紙は削除された文章を抱いている」 『夜明けと音楽』は、時間の流れという出版社の「言葉の流れ」シリーズ全十巻の十巻目にあたり、本書はその全訳です。しりとりをするように前の著者が次の著者に言葉をバトンタッチをする形を取っており、四冊目の『詩と散策』(ハン・ジョンウォン、拙訳 二〇二三年 書肆侃侃房)から『散策と恋愛』へ、『恋愛と酒』から『酒と冗談』へ、『冗談と影』から『影と夜明け』へ、そして最後を詩人イ・ジェニの『夜明けと音楽』が飾ります。(訳者あとがき) 【目次】 Ⅰ 音楽もしくは孤独、あるいは愛と呼んでいた瞬間 チェチェク―花の別称 涙のようにあふれ出る音楽 誰かがあなたのために祈りを捧げる 文章は上から下へ降り注ぐ 跳躍する曲線があるから、私たちは メタリカフォーエバー その光が私のもとへやってくる 夢はどこから流れてきて、どこへ流れていくのか 事物に慣れた目だけが事物の不在を見る 回復期の歌 私の部屋の旅行―天井と床のあいだで一週間 麻田―繰り返し広がる 夜釣りのためのプレイリスト 眠れない夜のためのプレイリスト Ⅱ 再び明るむ夜明けのリズムから 未知の書き物 夢から来た手紙―天上の音を歌うあなたへ 直前の軌跡 夜明けに詩を読むあなたに 暗闇の中から暗闇に向かって イメージは言語を必要とする 言葉が魂へ流れたら 紙の魂 白紙は削除された文章を抱いている 墓地を散策する人の手紙 瞬間の中から、瞬間に向かって 朝の木から夜明けの海まで 日本の読者のみなさんへ 訳者あとがき 【著者プロフィール】 イ・ジェニ 이제니 1972年生まれ。2008年、京郷新聞新春文芸によりデビュー。詩集『たぶんアフリカ』『なぜなら、私たちは自分を知らなくて』『流れるように書いたものたち』『ありもしない文章は美しく』を発表。片雲文学賞優秀賞、金炫文学牌、現代文学賞を受賞。 言葉によって世界の細部を書き、消し、再び書くことをとおして、既知の世界と少しは違う世界、少しは広く深い世界にたどり着くことを願っている。 【訳者プロフィール】 橋本智保(はしもと・ちほ) 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』『七年の最後』(共に新泉社)、李炳注『関釜連絡船』(藤原書店)、朴婉緒『あの山は、本当にそこにあったのだろうか』(かんよう出版)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(書肆侃侃房)、ハン・ジョンウォン『詩と散策』(書肆侃侃房)、チョン・ジア『父の革命日誌』(河出書房新社)など多数。 (版元より)
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七月堂ZINE AM 4:07 vol.4
¥1,100
SOLD OUT
印刷・製本・発行┊七月堂 発行人┆後藤聖子 組版・デザイン┆川島雄太郎 写真┆寺岡圭介(紙片) 製本指導┆紙とゆびさき 発行日┆2025年12月5日 発売┆11月23日 「AM 4:07」創刊にあたって この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。 自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。 これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。 詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。 手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。 2024年3月 七月堂 後藤聖子 ◯ 〈内容紹介〉 【第4号ゲスト】 詩| 向坂くじら 短歌| 小津夜景 エッセイ|〈テーマ:冬、AM 3:10〉 浅生鴨 青柳菜摘 【連載】 詩| 西尾勝彦 エッセイ| 全12回 Pippo/近現代詩紹介 西尾勝彦/マーホローバだより 第4回 池上規公子(葉ね文庫)/中崎町2番出口で考え中 第4回 後藤聖子(七月堂)/なんだかうまく眠れない。 第4回 全4回 城下康明(ひとやすみ書店)/ぼく、おつりもらいましたっけ? 最終回 選書│テーマ〈ある冬の午後、ちいさなブーケといっしょに自分のために買って帰りたい詩歌本〉 吉川祥一郎 / blackbird books 辻山良雄 / Title 加賀谷敦 / あんず文庫 カバー写真| 寺岡圭介(紙片) (版元より)
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七月堂の詩集アンソロジーZINE
¥880
印刷・製本・発行 七月堂 各号880円 【七月堂詩集アンソロジーvol.1 『やさしくてらす』】 このたび七月堂刊行書籍より、西尾勝彦、海老名絢、佐々木蒼馬、佐野豊、古溝真一郎5人の詩を一篇ずつ、『やさしくてらす』のテーマに収録した七月堂初めてのスペシャルオムニバスZINEを刊行いたします! 七月堂スタッフ手作業、印刷と糸綴じ製本で限定部数を発行。 今後もテーマを変えて発行してまいりますので楽しみにお待ちください。 発行日 2024年8月23日 ―――――――――――――――――――――――――――― 【七月堂詩集アンソロジーvol.2 『音』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第二弾のテーマは「音」。ふだん耳でしか聞くことのできない『音』をポケットサイズの詩集のかたちにしてお届けいたします。著者は、髙塚謙太郎、萩野なつみ、尾形亀之助、うるし山千尋、小島日和、黒田夜雨。 発行日 2024年10月5日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.3 『暮らし』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第三弾のテーマは「暮らし」。さまざまな事が変動する日々のなか、選択し、取捨することもふえてきたように感じます。そんななかでも変わらずにある暮らしの光景。営みのなかで生まれたアンソロジーをぜひご覧くださいませ。 著者は、一方井亜稀、佐々木蒼馬、江戸雪、國松絵梨、川上亜紀。 発行日 2024年11月1日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.4 『花』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第四弾のテーマは「花」。 今回は、峯澤典子、菊石明、西尾勝彦、星野灯、暁方ミセイ、梁川梨里 6人の詩を『花』をテーマに収録しました。 珠玉の詩編との新たなる出会いをお楽しみください。 発行日 2025年9月18日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.5 『幽か』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第五弾のテーマは「幽か」。 今回は、西尾勝彦、たかすかまさゆき、一方井亜稀、デイヴィッド・イグナトー、高嶋樹壱、小川三郎 6人の詩を『幽か』をテーマに収録しました。 それぞれの詩や詩集との新たなる出会いとなることを願い制作しています。 発行日 2025年10月5日 (版元より)
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芸人短歌2
¥2,200
発行:笠間書院 四六判 144ページ 上製 定価 2,000 円+税 2,200 円(税込) ISBN978-4-305-71066-6 初版年月日 2025年12月20日 個人制作冊子で話題沸騰!芸人による短歌連作「芸人短歌」が書籍化 個人製作冊子Zine版「芸人短歌」「芸人短歌2」に収録された短歌に加えて新作短歌も掲載。 若手からベテランまで、芸人33名の短歌が詠める1冊 店員の爪が光で溢れてて今日の割引券が出せない 加賀翔 「あとがきにかえて」より 以前から、芸人さんにとっての創作が小説の分野に偏っているのは不思議だなと思っていました。小説を書くのにはかなりの時間をとらせてしまうし、本を一冊出すことはさらにかかる時間も出版にかかるお金も手間も大きいし、あまりにリスキーです。じゃあ短歌ならもうすこし気軽に手が出せるのではないか、また、それぞれの個性がばきっと出るのではないかと思って「芸人短歌」というものをはじめたのだったように記憶しています。 zine『芸人短歌』の初版は2021年11月です。当時と今では多くの芸人さんと短歌の距離がかなり違っており、ここ数年で、短歌をつくっている芸人さんはかなり増えたという実感を持っています。短歌というものの広まりもそうなのですが、創作をやっているということがお笑いの活動に対して以前よりマイナスではなくなってきたのかもしれないと思う部分もあります(たとえば昔は芸人さんが小説を発表すると「小説の本出したのかよ~作家先生じゃん~」みたいないじりをされている場面を頻繁に見かけました)。 これから短歌は、お笑いは、芸人と短歌のかかわりはどうなっていくのだろうということについて、わたしがコントロールできるような波ではないと思っています。わたしができるのはサーフボードの貸し出しだけで、乗りこなすのは芸人さんの力です。いいときにサーフボード屋さんを開いたという気はしています。 【目 次】 芸人短歌1 特に抑揚のない日々 ブティックあゆみ 優先席 鈴木ジェロニモ 生きていく 根本ろ過(車海老のダンス) おしっこは端っこ 船引亮佑(ガクヅケ) なんでこんな 大久保八億 酔ってないフリ 加賀翔(かが屋) 木田短歌 木田(ガクヅケ) 有題 岡田百永(ナガオサフェスタオカダ) 21回目の10月28日 サツマカワRPG インターネットに君が散らばる 谷口つばさ 台詞と名前 相川弘道 芸人短歌2 知っていますか? 大久保八億 何が 高橋鉄太郎(マタンゴ) ちいさくて純粋な大豆のいきもの プノまろ 油断大敵 土岡哲朗(春とヒコーキ) 底の先 小松海佑 進め、里奈 街裏ぴんく レイラへ ガク(真空ジェシカ) 童貞喪失作 川北茂澄(真空ジェシカ) 手先 加賀翔(かが屋) あふたぁ・さまぁ 相川弘道 芸人短歌 新作 家 徳永敦(バローズ) 仰いでも 芍薬アカデミー(写実派) 冬 岡本雄矢(スキンヘッドカメラ) ゴー☆ジャス短歌 ゴー☆ジャス よくあるし、よくあった日 村上(マヂカルラブリ―) 脊髄からの31 立ちのぼる虎の如し こんにちパンクールの短歌 こんにちパンクール コラム 芸人短歌教室 井口可奈×ケビンス(仁木恭平・山口コンボイ) あとがきにかえて (版元より)
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芸人短歌
¥2,200
編著 井口可奈 発行 笠間書院 四六判 144頁 上製 定価 2,000円+税 ISBN 978-4-305-71027-7 C0092 2024年12月11日発行 個人製作冊子で話題沸騰! 芸人による短歌連作「芸人短歌」をオール新作で書籍化 若手からベテランまで、芸人32名の短歌がよめる1冊 【執筆者一覧】 赤嶺総理 しらす(牛女) 大久保八億 加賀翔(かが屋) ガクヅケ 木田・サスペンダーズ 古川彰悟・フランツ 土岐真太郎(キモシェアハウス) ぴろ・清水誠(キュウ) 水川かたまり(空気階段) 蛇口捻流・アオリーカ・ジョンソンともゆき・FAN・田野・ぺるとも・警備員(こんにちパンクール) ゆッちゃんw・松永勝忢(十九人) 西野諒太郎・よしおか(シンクロニシティ) 鈴木ジェロニモ 春とヒコーキ 土岡哲朗・マタンゴ 高橋鉄太郎・町ルダさん(スタンダードヒューマンハウス) 野澤輸出(ダイヤモンド) 谷口つばさ 糸原沙也加(つぼみ大革命) 布川ひろき・みちお(トム・ブラウン) 村上健志(フルーツポンチ) 吉田大吾(POISON GIRL BAND) 「あとがきにかえて」より 『芸人短歌』は2021年11月にzine(個人で制作した冊子)として文学フリマ東京にて発売されました。2023年11月には『芸人短歌2』を同様に文学フリマ東京で発表します。2冊の芸人短歌の販売部数は2024年6月現在、合計2000部を超えました。 (中略) ここ数年で芸人さんと短歌の距離は近づいたように思います。 わたしが繰り返し言っていきたいことは、すべての芸人さんが短歌が得意ではないとい うことです。しかし、短歌の才能を秘めているひとが芸人さんのなかにはたくさんいると 考えます。表現者としての気質が短歌の方向にむかいやすい芸人さんがいるという意味で す。そのような方に短歌を書いてもらうことにより、仕事の幅が広がっていけばいいなと いう気持ちで活動をしています。 わたしはお笑いライブによく通っていますが、とくにライブシーンの芸人さんの活路に なればいいと思っています。 芸人さんには芸人さんの人生があります。その人生の時間を使ってもらう覚悟を決めて、使っていただいた時間のぶん芸人活動へのお返しができるように、芸人短歌という本をつくっています。いつかは短歌をつくった経験が芸人さんのためになると信じてやっています。 それはわたしの心持ちの話なので、芸人さんには軽率に短歌をつくってほしいです。軽率にやめても構いません。思い出したころにまたやってもいいです。芸人さんにとって短 歌は逃げないものです。と言いながらも、一方で、いま捕まえなくてはならない衝動を捕 まえられる方が強いということはお笑いをやっている方はご存知と思います。 (中略) 短歌が芸人さんの活動の後押しになるのだと思うととても嬉しいです。ただそれは芸人 さんの掴み取ったものであり、あくまでわたしはごくわずかなきっかけや場をつくったに 過ぎないと考えています。 いつも表現者の立場を忘れずにありたいと思います。そのために自分の創作する手を休 めずやっていきたいという気持ちがあります。 同時に鑑賞者としてお笑いライブを見ることも続けていきたいと思っています。見えな いものを見ていきたい、知らない芸人さんに出会いたい、なにかをたくらんで動き続けていたい、そういう素朴な欲求でわたしは動いています。
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詩と散策 시와 산책 Poetry and Walks|ハン・ジョンウォン
¥1,760
橋本智保 訳 発行 書肆侃侃房 四六変形並製、152ページ 定価:本体1,600円+税 ISBN978-4-86385-560-1 C0098 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 日下明 散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ 雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編 オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス…… 『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。 【本文中に出てくる詩人や作家たち】 オクタビオ・パス/フェルナンド・ペソア/ウォレス・スティーヴンズ/アーチボルト・マクリーシュ/ローベルト・ヴァルザー/シモーヌ・ヴェイユ/パウル・ツェラン/セサル・バジェホ/ガブリエラ・ミストラル/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー/カミュ/源信明/ウラフ・H・ハウゲ/エミリー・ディキンソン/アンナ・アフマートヴァ/ライナー・マリア・リルケ/フォルーグ・ファッロフザード/シルヴィア・プラス/チェ・ヨンミ/金子みすゞ/ジョージ・ゴードン・バイロン/ボルヘス 【著者プロフィール】 ハン・ジョンウォン 한정원 大学で詩と映画を学んだ。 修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。 エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。 【訳者プロフィール】 橋本智保(はしもと・ちほ) 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。
