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生活の観客|柴沼千春
¥2,200
リトルプレス ページ数:316 判型:四六判変形 発行年月日:2025年11月30日 第1刷 2022年の元日から毎日日記をつけ、年に一度か二度本をつくる著者の5冊目となる日記集。体調不良、休職、引っ越しといった個人的な変化と、演劇などの芸術鑑賞、旅、周囲の人との関わりや日常のささやかな出来事を含む2025年1月からの289日分の日記と、表題エッセイ「生活の観客」を収録。 日記をつけるという行為は、個人的な記録であると同時に、虐殺や差別、分断が蔓延する現代社会で無視できない「他者の痛み」とどう向き合うかという倫理的な試みでもあります。想像しきれない他者と関わる上で、ある程度の距離をもって「観客」として暮らすことの後ろめたさや戸惑いを、著者の感覚を込めた言葉で日々率直に書き記しながら、距離がある場所から自分ではない誰かとどのように関係できるかを思考するドキュメンタリーのような作品を目指しました。 (版元より)
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長い話|柴沼千晴
¥1,300
リトルプレス A5変形/72ページ/ミシン綴じ製本 価格 税込1300円 2025年11月30日 第1刷 発行 装丁・組版:栗本 凌太郎 印刷・製本:イニュニック 演劇が、音楽が、文学が、映画が、 写真が、絵画が、日記が 世界をよく見るための通り道だとしたら? (本文より) それぞれの場所で暮らしていても、 一緒に生きていると思えることについて、 最近はずっと考えている。 (帯文より) 毎日の日記を束ねることで日記本を制作してきた著者初の「日記エッセイ集」。2025年の日記の中から、演劇や音楽、本などの作品を鑑賞した6日間の日記を抜粋し、計3万字の作品として纏めました。(いずれも『生活の観客』にも収録している日付ですが、日記は異なる文章です)。 自分の生活を綴りながら他者の痛みを想像し、「それぞれの場所で暮らしていても、一緒に生きていると思えること」を考え続ける日々。著者が日頃から関心を持つ文化芸術の作品に触れる(=観客である)ことは、そのアーティストの考え方を借りて世界をよりよく見ようとする営みでした。そして、それを受け取った自分の中に何が起こったかを自分なりの通り道(=日記)で書き残すことで、その作品に出てきた人やその作品をつくった人、そしてまだ出会えていない誰かへの応答を試みました。『生活の観客』と対をなすもうひとつのまなざしのドキュメンタリーであり、また、ひとりの人間が、表現に向かうまでの物語です。 (版元より)
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光あるうち光のなかを歩む|橋本亮二
¥1,100
発行 十七時退勤社 B6判並製/本文110ページ 本体価格:1,100円 装丁:関口竜平(本屋lighthouse) 装画・挿絵:佐藤ジュンコ 「ずっと怒っていたように思う。何者でもない自分に、劣等感とともに生きている自分に。人は常にひとりなのに、寄りかかって、思いを向けてほしいとすがっていた。なぜこんなに凪いだのか。すぐ言葉にできない思索を、文字で綴ることで回復の道を歩んだのかもしれない。いま、日々は光にあふれている。」(「はじめに」より) 出版社の営業、二十二年目。本を抱えて会いにいく日々の延長にある、つまずきと回復の記録。 (版元より)
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七月堂ZINE AM 4:07 vol.4
¥1,100
印刷・製本・発行┊七月堂 発行人┆後藤聖子 組版・デザイン┆川島雄太郎 写真┆寺岡圭介(紙片) 製本指導┆紙とゆびさき 発行日┆2025年12月5日 発売┆11月23日 「AM 4:07」創刊にあたって この、「詩」と「エッセイ」そして「書店」をテーマに立ち上げた雑誌のタイトルは、もうすぐ日の出を迎える空を見上げると、夜とも朝とも名付けられない景色が広がっているであろう七月の東京の空のことを想像してつけられました。どちらでもあって、どちらでもない。また、そのものでしかありえないもの。世界にはきっと、名付けられていないものが、名付けられたものの何百倍もあって、そんなことには関心を持たずに存在しているような気がします。 自分らしく生きるということが、何者かになるためではなく、ただその人そのものであればよいと思えたら。 これからの七月堂が目指したいことのひとつ、「自分らしくあれる場所」を自分自身の手で作り守っていくために、全一二回の発行を目標に創刊しました。 詩を書く人と、読む人と、売る人の架け橋になることを願い、ありったけの感謝の気持ちをこめて作っていきます。 手にしてくださる方にとって、思いがけずふと、詩的な世界を楽しんでいただける雑誌になれることを願っています。 2024年3月 七月堂 後藤聖子 ◯ 〈内容紹介〉 【第4号ゲスト】 詩| 向坂くじら 短歌| 小津夜景 エッセイ|〈テーマ:冬、AM 3:10〉 浅生鴨 青柳菜摘 【連載】 詩| 西尾勝彦 エッセイ| 全12回 Pippo/近現代詩紹介 西尾勝彦/マーホローバだより 第4回 池上規公子(葉ね文庫)/中崎町2番出口で考え中 第4回 後藤聖子(七月堂)/なんだかうまく眠れない。 第4回 全4回 城下康明(ひとやすみ書店)/ぼく、おつりもらいましたっけ? 最終回 選書│テーマ〈ある冬の午後、ちいさなブーケといっしょに自分のために買って帰りたい詩歌本〉 吉川祥一郎 / blackbird books 辻山良雄 / Title 加賀谷敦 / あんず文庫 カバー写真| 寺岡圭介(紙片) (版元より)
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七月堂の詩集アンソロジーZINE
¥880
印刷・製本・発行 七月堂 各号880円 【七月堂詩集アンソロジーvol.1 『やさしくてらす』】 このたび七月堂刊行書籍より、西尾勝彦、海老名絢、佐々木蒼馬、佐野豊、古溝真一郎5人の詩を一篇ずつ、『やさしくてらす』のテーマに収録した七月堂初めてのスペシャルオムニバスZINEを刊行いたします! 七月堂スタッフ手作業、印刷と糸綴じ製本で限定部数を発行。 今後もテーマを変えて発行してまいりますので楽しみにお待ちください。 発行日 2024年8月23日 ―――――――――――――――――――――――――――― 【七月堂詩集アンソロジーvol.2 『音』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第二弾のテーマは「音」。ふだん耳でしか聞くことのできない『音』をポケットサイズの詩集のかたちにしてお届けいたします。著者は、髙塚謙太郎、萩野なつみ、尾形亀之助、うるし山千尋、小島日和、黒田夜雨。 発行日 2024年10月5日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.3 『暮らし』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第三弾のテーマは「暮らし」。さまざまな事が変動する日々のなか、選択し、取捨することもふえてきたように感じます。そんななかでも変わらずにある暮らしの光景。営みのなかで生まれたアンソロジーをぜひご覧くださいませ。 著者は、一方井亜稀、佐々木蒼馬、江戸雪、國松絵梨、川上亜紀。 発行日 2024年11月1日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.4 『花』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第四弾のテーマは「花」。 今回は、峯澤典子、菊石明、西尾勝彦、星野灯、暁方ミセイ、梁川梨里 6人の詩を『花』をテーマに収録しました。 珠玉の詩編との新たなる出会いをお楽しみください。 発行日 2025年9月18日 ________________________________________ 【七月堂詩集アンソロジーvol.5 『幽か』】 “七月堂の詩集” アンソロジー第五弾のテーマは「幽か」。 今回は、西尾勝彦、たかすかまさゆき、一方井亜稀、デイヴィッド・イグナトー、高嶋樹壱、小川三郎 6人の詩を『幽か』をテーマに収録しました。 それぞれの詩や詩集との新たなる出会いとなることを願い制作しています。 発行日 2025年10月5日 (版元より)
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本をつくるということについて話そう?|ひとりごと(加藤大雅/星野文月/神岡真拓)
¥1,210
発行 ひとりごと出版 発行日 2025.5.11 価格 1210円(税込) ひとりごと出版立ち上げからの1年を振り返ったZINE。 本を形にすることに加えて、届けること、広がることまで含み「本をつくる」ということ。 「本とZINEのちがいってなんだろう」「初版、何部つくるのか」「書店営業の正解がわからない」などなど、手探りながら出版をはじめた3人のリアルな実態を感じてもらえる一冊になっています。 (版元より)
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取るに足らない大事なこと|ひとりごと(加藤大雅/星野文月/神岡真拓)
¥2,200
発行 ひとりごと出版(株式会社オンフ) 2,000円+税 ISBN:978-4-9913633-0-6 仕様:150p / B6変形(H148 x W100) 発行日:2024年5月19日 東京から地方へ移り住んだ3人が、それぞれの暮らしの中で感じたことをニュースレター《ひとりごと》で綴った1年間。 1年かけて書き溜めたエッセイ20編と、それらを読み直し振り返った対話のテキストを1冊の本にまとめました。 加藤大雅(かとうたいが) 編集と本屋的活動。秋田県北秋田市で暮らしています。 星野文月(ほしのふづき) 物書き。長野県松本市で暮らしています。 神岡真拓(かみおかまひろ) デザイナー。長野県諏訪市で暮らしています。
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季刊日記 創刊号 特集:日記のたのしみ/日記とホラー
¥2,178
発行:日記屋 月日 判型:A5判 ページ数:約350ページ 発売日:2025年12月8日 本体価格:1,980円+税 ISBN:978-4-9913584-1-8 C 0095 書籍設計:明津設計 東京・下北沢にある日記専門店「日記屋 月日」が5年間の実践を経て創刊する、日記専門文芸誌。 総勢25人による1週間の日記や、植本一子×pha対談、「日記×ホラー」特集など話題性のある企画で構成。個人の日記投稿から時評まで、日記を通して音楽・映画・哲学など多様なジャンルを横断し、日記の魅力を多角的に考える。 誰もが一度はつけたことのある日記。読んだ後はきっと日記をつけたくなる、新しい文芸・文化雑誌。 【レギュラー企画】「25人の1週間」:多様な執筆者による1週間の日記 <寄稿者一覧> 安達茉莉子/伊藤亜和/猪瀬浩平/小沼理/北尾修一/こうの史代/古賀及子/こだま/桜林直子/図Yカニナ/武田砂鉄/ドミニク・チェン/鳥トマト/蓮沼執太/葉山莉子/ピエール瀧/東直子/浮/藤原辰史/堀合俊博/前田隆弘/牧野伊三夫/松浦弥太郎/柚木麻子/尹雄大 【特集1】日記のたのしみ 対談「すぐ手元から始める、表現のヒント」:植本一子 × pha エッセイ:金川晋吾、蟹の親子、ネルノダイスキ、品田遊(ダ・ヴィンチ恐山) インタビュー:シットとシッポにきく ※シットとシッポ・・・福尾匠、荘子itによるPodcast番組。 レビュー:me and you(野村由芽、竹中万季) 【特集2】日記とホラー 対談「なぜホラーと日記がブームになったのか」:大森時生 × 山本浩貴 エッセイ:初見健一、柿内正午 ホラー作品レビュー:NOTHING NEW 林健太郎 【その他】 ・日記をつけるプラットフォームを作る会議(仮)株式会社インテージ×日記屋 月日 ・読者投稿コーナー、プレゼント企画 ・次号予告:「日記のくるしみ/日記と植物」 (版元より)
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星のうた
¥2,200
編集 左右社編集部 発行 左右社 定価 2,200 円(税込) 刊行日 2025年12月05日 判型/ページ数 B6判変形 上製 136ページ ISBN 978-4-86528-503-1 Cコード C0092 装幀・装画 装幀/脇田あすか 落ちてくる星のしぶきに口あけてどこからきたのと問われていたりーー盛田志保子 どこから開いても〈星〉が降りそそぐ、はじめて短歌に触れるひとにむけた、とっておきの100首を集めました。 星のきらめき、流れる星、見えない星、燃えている星、滅びゆく星、この星の不思議……100人の歌人がうたった、わたしだけの星のうた。 巻末には、収録歌の著者紹介と出典リストを収録。 この一冊から、お気に入りの歌人を見つけてみてください。 【収録歌人一覧】 我妻俊樹/麻倉遥/左沢森/天野慶/阿波野巧也/飯田彩乃/飯田有子/石川美南/伊舎堂仁/伊藤紺/井上法子/上坂あゆ美/宇都宮敦/宇野なずき/上澄眠/大滝和子/大松逹知/近江瞬/大森静佳/岡崎裕美子/岡本雄矢/荻原裕幸/小野田光/小原奈実/貝澤駿一/香川ヒサ/笠木拓/川野里子/川野芽生/川村有史/北山あさひ/くどうれいん/九螺ささら/小島なお/斉藤斎藤/斎藤美衣/坂口涼太郎/佐クマサトシ/笹井宏之/笹川諒/佐藤弓生/佐藤りえ/篠原仮眠/柴田葵/鈴木加成太/鈴木ジェロニモ/鈴木晴香/鈴木美紀子/タカノリ・タカノ/高柳蕗子/滝本賢太郎/竹中優子/田中有芽子/田中翠香/谷川由里子/田村穂隆/俵万智/千種創一/塚田千束/冨樫由美子/土岐友浩/土門蘭/鳥さんの瞼/toron*/なかはられいこ/野村日魚子/橋爪志保/初谷むい/服部真里子/馬場めぐみ/早坂類/東直子/平岡直子/廣野翔一/枇杷陶子/福山ろか/藤本玲未/穂村弘/堀静香/前田康子/正岡豊/枡野浩一/三上春海/水野しず/三田三郎/光森裕樹/虫武一俊/睦月都/盛田志保子/もりまりこ/柳原恵津子/山下翔/山階基/山田航/山中千瀬/雪舟えま/横山未来子/吉岡太朗/吉川宏志/吉田恭大 (あいうえお順・敬称略、全100名) (版元より)
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ガール・オン・ザ・バッドランズ|犬川蒔
¥1,500
リトルプレス サイズ:B6 ページ数:126ページ 税込価格:1,500円 中学一年で不登校。映画や音楽に救いを求め、愛しながらも時おり傷つけられてきた。 2000年代半ば〜2010年代前半に青春を過ごし、大人になった「元・女の子」による思春期・ サヴァイヴ・エッセイ。 著者情報 犬川蒔(いぬかわ・まき) 東京在住の会社員。映画館で見る映画が好き。 Instagram @hmbllue (版元より)
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オルタナティブ民俗学|島村恭則/畑中章宏
¥1,980
発行 誠光社 四六判 価格 1,800 円+税 1,980 円(税込) ISBN978-4-9911149-7-7 初版年月日 2025年12月5日 182P / ソフトカバー 民俗学がオルタナティブ 民俗学のオルタナティブ 在野のネットワークを重視し、新たな記述法を模索、アカデミアが重視しない周縁や身の回りにこそ目を向けた、「未来の学問」を語り尽くす! 農政官僚であった柳田國男が志した、地方学であり、民間学でもあった民俗学とはどのような学問か。民俗学にとって東北や沖縄は辺境か中心か。民俗学と民藝運動はどのように接近し、どのように袂を分かったのか。民俗学に女性たちはどのように参加し、民俗学は女性たちとどのように関わったのか。そしてこれからの世界的学問である民俗学の行方は。 在野に位置する編集者であり、民俗学者畑中章宏と、21世紀の日本民俗学をリードする島村恭則が、膨大な人名書名を連ねながら語り尽くす民俗学のオルタナティブ性。2024年、誠光社にて開催された前六回の連続対談レクチャーに加筆修正を施し書籍化。ブックデザインは『アウト・オブ・民藝』と同じく、軸原ヨウスケ・中野香によるもの。帯を広げると柳田國男を中心とした民俗学相関図を掲載。 大学に在籍せずとも、年齢性別を問わず身近な関心から始まる学問を知り、学びを再び身近なものに。 (版元より)
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音響・環境・即興 松籟夜話――〈耳〉の冒険|津田貴司/福島恵一
¥4,180
SOLD OUT
発行 カンパニー社 四六判並製:592頁 発行日:2025年12月 本体価格:3,800円(+税) ISBN:978-4-910065-17-5 デザイン:川本要 聴くことを深めるために——2014〜2017年に全10回にわたって開催されたリスニング・イベント「松籟夜話」の記録と考察。 ミシェル・ドネダ、デイヴィッド・トゥープ、フランシスコ・ロペス、ジム・オルーク、tamaru、Amephone、宮里千里、ジル・オーブリー、アルバート・アイラーといった音楽家たちに焦点当てながら、綿密に選定・配列された約200枚の音盤プレイリストをもとに「音をして語らしめる」松籟夜話のドキュメント、そこから浮かび上がるキーワード〈音響・環境・即興〉をめぐる論考・エッセイ・対話から成る全10夜+全18章の592ページ。 〈音響・環境・即興〉の諸相を掘り下げる過程において、著者のリスナー/演奏家としての体験、そして美術、映画、演劇、文学、哲学、建築、都市論、身体論、文化人類学といった他分野の概念・図式を練り合わせて編み出される独自の語法が、来たるべき〈耳〉の態勢を言語化し、「聴くこと」に新たな光を当てる。「音を聴くこと」は単に「情報を読むこと」にとどまらない。音楽の持つ豊かな「汲み尽くせなさ」に、〈耳〉はどのように対峙することができるのか。 ▼目次 ●はじめに Ⅰ|松籟夜話への助走 ●第1章 コンセプト、配置・布置 1. 主要コンセプト 2. 集まっていっしょに聴くこと 3. 言葉を交わす(差し挟む)こと 4. 録音を聴くということ 5. 松籟夜話の求める場のあり方 6. 音を聞き分け、結びつける耳の原理 7. 松籟夜話の志向を具体的に造形する歸山スピーカー 8. 発想・思考の補助線とそれを生み出すアーカイヴ Ⅱ|松籟夜話の実践 ●第一夜 ミシェル・ドネダと「予兆」 1. 環境とドネダ 2. ドネダと声 ●第二夜 音響化する音を捉えるデイヴィッド・トゥープの野生の耳 1. 熱帯雨林という力の場 2. 即興演奏に噴出する過剰な力 3. 溶けていく輪郭、見出される新たなかたち ●第三夜 熱帯雨林を聴くフランシスコ・ロペスの耳の「視界」 1. 熱帯雨林への入り口 2. 熱帯雨林の深奥へ 3. 熱帯雨林に惑わされる ●第四夜 スティルライフによるスティルライフ 1. 身体が理解した(以前から知っている)音 2. 素材の質感 3. 場所性、場所を演奏する 4. 想像的風景 5. 混じりけなしのフィールド・レコーディング 6. 旅路を思い返しつつ現世へと浮上する ●第五夜 ジム・オルークを光源として、音と響きの間を照らし出す 1. ジム・オルークの耳を借りる 2. 沈黙/ざわめき/環境 3. 振動/マテリアルな現象 4. 溶解/変容/襞/気象/分泌/派生 5. 「無景映画」的推移/モンタージュ ●第六夜 360° records 特集・1――tamaruを中心に 1. 音をして語らしめる 2. 音の振る舞いを見つめる耳のまなざし 3. 音へと向かう身体の態勢 ●第七夜 360° records 特集・2――Amephoneを中心に 1. 特定の色や匂いを持つ空間、記憶を持った場所 2. 「捏造」民族音楽 3. 映画的な空間構成 4. 空間による音の変容への眼差し ●第八夜 漂泊する耳の旅路=現地録音を聴く・1――聖なる場所に集う声 1. 複数の煙が立ち上るような声の集積が、その場所を照らし出していく 2. 複数の煙が立ち上るような声の集積が、声の身体を照らし出していく 3. 声の照らし出す空間、環境を触知する息 ●第九夜 漂泊する耳の旅路=現地録音を聴く・2――音響都市の生成 1. スナップショットが浮かび上がらせる都市像 2. 俯瞰と転送――都市空間における身体の位相 3. 路傍の芸 4. 音響都市の生成 ●第十夜 漂泊する耳の旅路=現地録音を聴く・3――移動する音、生成中の音楽 1. 移動/交通による生成と距離のもたらす断絶――あるいは甘さと苦さ 2. 隣接する異郷、変調される音響/変容するリアリティ 3. 幻想の大陸の彼方へ Ⅲ|松籟夜話の核心 ●第2章 耳の眼差し 1. 聴く体験と知ること 2. 注意と対象化 3. 能動的な行為としての「聴くこと」 4. 耳の視界=聴覚のフレーム 5. 距離と内感、音と振動 6. 空気という媒質の手触り 7. 音に伴う触感 8. 聴覚と視覚・1――聴くことに対する見ることの優位 9. 聴覚と視覚・2――視覚なしの聴取 10. 感覚の先端、知覚の手前 ●第3章 オールオーヴァー 1. 『La Selva』の衝撃 2. オールオーヴァーとは 3. 音/響きのオールオーヴァー・1――再定義 4. 写真への迂回 5. 絵画(セザンヌ)への迂回 6. 音/響きのオールオーヴァー・2 7. 補論・1――サウンド・マターについて 8. 補論・2――アコースマティックについて ●第4章 暗騒音――いまそこにあるざわめき 1. 暗騒音とは 2. 暗騒音を聴く 3. 暗騒音と場所 4. 空間を満たしている響き=包囲音 5. 〈地〉の隆起と〈図〉の浸食 6. 「暗騒音」の能産性――ざわめきから生成するもの 7. 「暗騒音」から析出してくるもの ●第5章 地質学的想像力 1. 地質学的想像力とは 2. ヴァナキュラーな声と空間 3. 力の痕跡、形態の生成、「いま・ここ」で拮抗する力をまざまざと感じとること 4. 飛び火――空間的/時間的な「遠さ」を隔てて 5. 深淵へ ●第6章 ダイアグラム 1. ダイアグラムとは 2. 松籟夜話のダイアグラム・1――〈音響・環境・即興〉 3. 松籟夜話のダイアグラム・2――〈音響・環境・即興〉の動詞化 4. 松籟夜話のダイアグラム・3――二つの三角形 5. フランシスコ・ベーコンのダイアグラム(創造の契機として) 6. ジャン゠リュック・ゴダールのダイアグラム 7. プレート・テクトニクス 8. 松籟夜話のダイアグラム・4――三次元化による正八面体 9. 松籟夜話のダイアグラム・5――向かい合う二つの面/膜 10. 付論・1――〈音響・環境・即興〉のパラフレーズ 11. 付論・2――昼間賢の「即響」(「音響音楽論」より) ●第7章 〈興〉の詩学 1. 大伴家持における「興」――和歌の六義 2. 中国古典解釈における「興」――自然風景の呈示 3. 日本における「興」の展開――歴史的再検討 4. 日本上代・中古における〈興〉――原初の豊かさとその後の物象の力への不信 5. 生のイメージとテクスト・1――「外部」の喪失/テクストへの自閉 6. 生のイメージとテクスト・2――「外部」と「内部」の緊張関係 7. 基本的コードの継続 8. 『源氏物語』のサウンドスケープ 9. 言語の働きを成立させている基本的な二つの要素としての〈興〉〈観〉 10. 「引譬連類」の動作原理――イマージュと力(デュナミス) ●第8章 録音という汲み尽くせないもの――ドキュメンタリー映画との比較において 1. ドキュメンタリー映画という手がかり 2. ドキュメンタリー映画と録音(フレーミングとマイキング) 3. フィールド・レコーディングに映り込むもの 4. 即興演奏の録音は単なる記録か 5. 録音/聴取の「現場」とはなにか 6. 録音における「汲み尽くせないもの」 ●第9章 聴取の能動性――フィールド・レコーディングとワークショップの体験に基づいて 1. 音の情動を聴き取る能力 2. フィールド・レコーディングから聴き取れるもの 3. フィールド・レコーディングの体験より 4. 音の消息を追う耳の眼差し 5. 喧騒と静寂、音の「図」と「地」 6. 「みみをすます」の実践 7. フィールド・レコーディングを聴き取るということ ●第10章 変容していく都市のイメージと文化人類学の状況 1. 文化の変容・混淆 2. 龍としての文化――クレオール化と「エートス」 3. 松籟夜話の狙い――聴くことだけが開示してみせる世界の相貌 ●第11章 サブライム・フリーケンシーズとAmephoneの冒険――世界の混沌をオールオーバーな耳で捉える 1. 鳥瞰図と聞き覚え――変容し飛躍するイメージの連鎖 2. 崇高なる周波数 3. Amephoneを巡って――モンタージュとコラージュ 4. 混線する周波数 5. オールオーヴァーな聴取の可能性 ●第12章 即興的瞬間と音の振る舞い――演奏におけるフィードバック作用について ●第13章 聴取の野性と「遠さ」について 1. 古くて遠い音――聴取の野性を遡る 2. 楽器のDNAを辿る 3. 「現地録音」と発見される「故郷/ルーツ/民謡」 4. 身体に刻印された記憶 5. 幻想ノスタルジアとエキゾティズム、フィールド・レコーディングの危うさ 6. 音楽と「ここではないどこか」 7. 「ここでなければならないどこか」 ●第14章 雲のフィールド・レコーディング 1. 雲のフィールド・レコーディング 2. 風のフィールド・レコーディング 3. 雲の〈像〉化 4. 熱学的想像力 5. 精神の気象学 6. パラメトリックな戦略としてのデレク・ベイリーの「反スキル」 7. ウェザーワールドとサウンドスケープ 8. イクィヴァレント――投影を超えて 9. 雲の音 Ⅳ|松籟夜話の周囲/拾遺 ●第15章 聴くことの可塑性 1. 聴取の可塑性とは 2. 聴き尽くせない豊饒さ 3. 耳の態勢 4. 音に名前を付けずに聴くこと 5. 星座を描くこと 6. 可塑性の中身 7. 移ろう世界をその都度とらえる ●第16章 即興のフィードバック回路 1. 即興演奏を聴くとはどういうことか? 2. 運動=アクションの様態をとらえる 3. 響きと聴こえ 4. 〈即〉の回路 5. 即興的瞬間 6. 聴くことのダイナミズム 7. 景色と心の間、無意志的想起 8. 徴候と索引、結び目としての身体 9. 飛び火、持続する底流の噴出 ●第17章 聴くことを深めるとは 1. 音を楽しむ、音が音楽になる瞬間に立ち会う 2. 聴く=面で触れ合い相互浸透的に感じ取る 3. 聴くことの全身体性、身体に流れ込む音の情動 4. 耳の舞踏(聴くことの即興的瞬間としての) ●第18章 「松籟」考――松籟夜話の「松籟」とは何か 1. 松葉に吹く風 2. 伝統美学からの「切断」 3. 「籟」とは何か・1――三孔の笛 4. 「籟」とは何か・2――「韻」との相違 5. 「籟」とは何か・3――人籟・地籟・天籟 6. 「籟」という原器 7. 灯台としての「松籟」 ●おわりに ●「もうひとつの読み方」のための索引 ●松籟夜話の灯台群 ●人名等索引 著者: 津田貴司(つだ・たかし) 1971年「耳の日」生まれ。音楽家・文筆家。「聴くことと奏でることの汀」で演奏および執筆活動を続けている。 90年代より、ソロ名義hofliや、游音、ラジオゾンデ、スティルライフ、星形の庭など、様々なユニットでフィールド・レコーディングや即興性に基づいた音楽活動を展開してきた。サウンド・インスタレーション制作、ワークショップ「みみをすます」シリーズを継続するほか、福島恵一とともにリスニング・イヴェント「松籟夜話」ナビゲーターを務める。 主なソロCD作品は『湿度計』『水の記憶』『雑木林と流星群』『十二ヶ月のフラジャイル』『木漏れ日の消息』『RECOMPOSTELLA』など。編著書『風の人、木立の人』『フィールド・レコーディングの現場から』(ともにカンパニー社刊)。 福島恵一(ふくしま・けいいち) 1960年東京都文京区生まれ、獅子座、O型。音楽批評。プログレを振り出しにフリー・ジャズ、フリー・ミュージック、現代音楽、トラッド、古楽、民族音楽、フィールド・レコーディングなど辺境を探求。 『アヴァン・ミュージック・ガイド』(作品社、1999年)、『プログレのパースペクティヴ』(ミュージックマガジン、2000年)、『200CDプログレッシヴ・ロック』(立風書房、2001年)、『捧げる――灰野敬二の世界』(河出書房新社、2012年)、『カン大全――永遠の未来派』(Pヴァイン、2020年)、『AA 五十年後のアルバート・アイラー』(カンパニー社、2021年)、『フィールド・レコーディングの現場から』(同前、2022年)等に執筆。2010年3~6月の音盤レクチャー「耳の枠はずし」(5回)に続き、津田貴司とリスニング・イヴェント「松籟夜話」(10回)を開催。 ブログ「耳の枠はずし」(http://miminowakuhazushi.blog.fc2.com/)にライヴ・レヴュー、ディスク・レヴュー等を執筆中。 (版元より)
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インディ・ポップ・レッスン ディスクガイド|多屋澄礼
¥2,750
ムードとシーンで選ぶインディ・ポップ、ネオアコ、ギターポップ、オルタナ、シンセポップ&ベッドルームポップの決定盤 750選―― ClairoからWet Leg、The Lemon Twigs、The Linda Lindasまで 発行 DU BOOKS ISBN 9784866472508 発売年月 2025年11月 版型 A5 ページ数 184ページ(2色刷) 製本 並製 イラストレーション ビジュ・カルマン (Bijou Karman) / ささきなそ コラージュ ねね 蝶々 カテゴリアイコン 真舘 晴子 ブックデザイン 藤田康平 (Barber) Twee Grrrls Club『インディ・ポップ・レッスン』10年ぶりの待望の新刊! TikTokじゃ出会えない音楽がある。 ムードや世界観 (キーワード) から選ぶ、新しいお気に入りレコードを見つけよう。 シティポップ以降の、ガーリー&インディーズ音楽ガイド。 〈掲載アーティスト〉 Clairo / The Lemon Twigs / Charli xcx / Wet Leg / The Linda Lindas / Brown Horse / X-CETRA / The Cords / Ginger Root / Teen Jesus and the Jean Teasers / Horsegirl / Ribbon Stage / The Real Distractions / The Smashing Times / Angel Olsen / Molly Nilsson…など750組! 〈執筆者〉 Twee Grrrls Club - 多屋澄礼 / methyl / Moe / Satomi / 上田健司 / 大藤桂 / Oka Hitoshi (Sloppy Joe) / KAOKERUZO / Kato Natsuki (Luby Sparks) / 前田理子 (MARKING RECORDS) / 中村義響 (TYP!CAL) / 矢島和義 (ココナッツディスク吉祥寺店・店長) / 山口美波 (SHE TALKS SILENCE / VIVA Strange Boutique) / tdsgk / ANORAK DAYS 〈主な内容〉 Lesson 1 Romantic / Happy / Twee / Sensitive / DIY / Reunion / Electric / Dream Pop / Prom / By The Sea / Riot Grrrl! / Gentle / Sports / Forever Young / Bed Time Music / Zoo / Tea Time / Gothic / Garage / Wavy / Cover / Food / Boy Meets Girl / Fake Jazz / Girl Rap / Xmas / Urban / Children / Compilation / On Tape / Sound Track Lesson 2 UK / US / Australia / French Pop / Elefant Label & Spain / Other Europe / Japan レーベル特集 Captured Tracks・Night School・Slumberland・Sarah・Les Disques du Crépuscule・Respond Lesson 3 80s / 90s / 00s / 10s / 20s 〈インタビュー〉 サム・ニー (Sam Knee) 80年代イギリス・インディシーンの記録 ロケ・ルイス (Roque Ruiz) ブログが紡いだネットワーク - Cloudberry Cake Proselytismの20年 ニック・ゴドフリー (Nick Godfrey) 失われたBBCセッションを蘇らせる - Precious Records of Londonの挑戦 〈コラム〉 I♡HAPPY extreme feat. 小出亜佐子 (英国音楽) ロマンティックな12ピース 山﨑まどか Indie Icons the 2020s 清水祐也 (Monchicon!) “The Pains of Being Pure At Heart” セルフレビュー キップ・バーマン (Kip Berman) コメント : カジヒデキ、森川直樹 (fastcut records) ほか オススメ・レコードショップ & More 〈Playlist〉 Nine Stories はろー 松尾レミ (GLIM SPANKY) 〈コミック〉 mame “Close To You” 〈正誤表〉 本書の初版に下記の誤りがございました。 以下の通り訂正し、読者および関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。 P151 Vampire Weekend『Father of the Bride』のリリース年 誤 : 2009年 正 : 2019年
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キース・ジャレットの真実 ジャズピアノの歴史を変えた即興演奏とその人生|ヴォルフガング・サンドナー
¥3,080
発行 DU BOOKS ISBN 9784866472218 発売年月 2025年10月 版型 A5 ページ数 352 製本 並製 デザイン 清水翔太郎 (tokyo zuan) 完全即興の名匠、全軌跡 名門ECMを擁するドイツで刊行され、 キース・ジャレットの実弟が英訳したことで話題の本格評伝 生誕80周年に贈る決定版 神童として知られた幼少期から、 ヴィレッジ・ヴァンガードでのセッション、 盟友マンフレート・アイヒャーとの邂逅、 歴史的名演「ケルン・コンサート」の舞台裏まで ジャズとクラシック~現代音楽を架橋する稀代のピアニストの芸術に迫る 〈日本語版オリジナル〉 ・本文写真の追加10点超 ・キース・ジャレットと親交のある訳者が原書刊行後の活動をまとした巻末解説 ・ディスコグラフィに最新のリリース作品を追加 〈目次〉 はじめに 1章 1945年5月8日――第二次大戦戦勝日に生を受ける 2章 ニュージャージー州アレンタウンで育つ 3章 ジャズへの3つのステップ――アート・ブレイキー、チャールス・ロイド、マイルス・デイヴィス 4章 理想的なパートナーシップ――ECMとマンフレート・アイヒャー 5章 アメリカン・カルテットの結成 6章 熟達への紆余曲折の足取り 7章 ソロイストとしての系譜 8章 名声と危機の間――『パリ/ロンドン~遺言』 9章 『ケルン・コンサート』の真実 10章 アメリカン・ソングブック――スタンダーズ・トリオの誕生 11章 クラシック音楽家としてのジャズ・ミュージシャン 12章 完全なるアーティストとしての苦悩 13章 究極の否定論者キース・ジャレット エピローグ ボーナストラック キース・ジャレット、その後 訳者あとがき ディスコグラフィ 翻訳: 稲岡邦彌 1943年、兵庫県伊丹市生まれ。早稲田大学政経学部経済学科卒業。 1971年、トリオ株式会社音楽事業部 (トリオ・レコード) 入社。1972年にECMと独占契約、以降10年間にわたりレーベル・マネージャーを務める。国内外アーティストのアルバムを制作、洋楽部長・制作部長を経て、1984年退社。 2004年、ウェブマガジンJazzTokyoを共同創刊、編集長に就任。2020年、ジャズ・レーベルのNadjaを復活、Nadja21としてアルバム制作を再開。音楽ジャーナリストとともにジャズ・プロデューサーとして活動を続ける。 著書に『新版 ECMの真実』(カンパニー社)、共著に『ジャズCDの名盤』(文春新書)、編著に『ECM catalog 増補改訂版』(東京キララ社)、CD-BOOK『及川公生のサウンド・レシピ』(ユニコム)。 (版元より)
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SPEAK 2|夜なのに朝日
¥1,430
ステッカーつき 発行:ケンエレブックス A5判 192ページ 並製 価格 1,300 円+税 1,430 円(税込) ISBN978-4-910315-60-7 初版年月日 2025年10月29日 悩んだり、喧嘩もするけど……なんだかんだ今日も駄弁ってます。 口喧嘩から純と秋がラップバトルに!?「みんなのうた」、仮面をかぶった秋が本当の自分をさらけ出す!「まともなひと」、共通言語さえあれば友情は永遠?「セコンドラングアゲ」、風船を配り終えた時、何かが起こる!怪奇!ふうせんくばり」など、連載8話分+描き下ろしを収録。真面目な秋が第2巻で覚醒⁉︎ 3人のダべりはまだまだとまらない! 目次 みんなのうた まともなひと セコンドラングアゲ かたし エンカウント 怪奇!ふうせんくばり あーだこーだいういわない ゲームスタート おたよりコーナー 著者プロフィール 夜なのに朝日 漫画家。 2021年コミティアにて自費出版の漫画本「SPEAK」を発表し始める。 2022年くらげバンチ同人誌大賞で「絵が上手くならない問題」が奨励賞を受賞し、2023年「化け!へだてなく」3話読み切りを掲載。 現在に至る。 (版元より)
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書かずにいられない味がある 100年前の韓食文学
¥2,200
原書 100년전 우리가 먹은 음식 編集 イ・サン(李相) 翻訳 八田靖史 発行:クオン 四六判 244ページ 並製 価格 2,000 円+税 2,200 円(税込) ISBN978-4-910214-64-1 初版年月日 2025年10月10日 〈食〉は暮らしと文化の生命線 プルコギや冷麺がソウルで日常的に食べられるようになったのは、 今からたった約百年前のこと。 地方や海外の味が流入し、外食店が増え、 朝鮮半島の食文化が大きく変貌していった時代でもある。 当時の人々のいのちをつなぎ、生活を彩った〈食〉の数々が、 作家や記者らの筆によって臨場感をもって描かれる――。 どこから読んでも味のある、小説、エッセイ、ルポルタージュ40選。 ●訳者解説より すべての作品に共通する内容として、人々の食にかけるひたむきな姿勢があげられる。植民地下の厳しく、貧しかった時代、食べることは生きることと同義であった。大衆居酒屋でマッコリをあおる姿も、水っぽく薄い粟粥を懸命にすする姿も、病気の妻にソルロンタンを買って帰るため必死に働く姿も、日々を懸命に生きる人たちのリアルな日常である。そこには飽食の時代にあって、ついつい忘れがちな食への原初的な情熱が込められており、読めば読むほどに調理技術を超えた「味わい」が伝わってくる。 訳者としての立場ではあるが、一読者としても満腹度の高い一冊であった。 ――コリアン・フード・コラムニスト 八田靖史 目次 はじめに 第1部 春は明月館の交子料理にあり カレイ、ロバ/白石 柳京食譜/李孝石 明太/蔡萬植 エジョチム/蔡萬植 夏の味覚/桂鎔黙 スイカ/崔曙海 マクワウリ/薄田斬雲 青ブドウの思想/李孝石 山菜/蔡萬植 幽霊の鍾路/李泰俊 春を待つ気持ち/金尚鎔 愛酒記/金岸曙 店頭の牛頭骨/薄田斬雲 外国で思い出した朝鮮のもの/李晶燮 麵/白石 海苔/具本雄 第2部 食は小説になる サンジョク/蔡萬植 冷麵/金浪雲 カルビをかじる犬/尹白南 餅/金裕貞 十月に咲くリンゴの花/李孝石 運のよい日/玄鎮健 第3部 チュタン店の下働きとして チュタン店の下働きとして二日間の住み込み/B記者 冷麵配達夫に扮した記者 秘密家庭探訪記/夜光生 朝鮮料理店の始祖明月館 明月館と食道園の料理戦争 富豪の食事と極貧者の食事 菓子屋の人気がある理由 男女の恋愛のおかげ/京城探報軍 ピンス/方定煥 第4部 八道名物飲食礼賛 珍品中の珍品 神仙炉/牛歩生 全州名物 タッぺギクッ/多佳亭人 忠清道名物 鎮川メミルムク/朴瓚煕 慶尚道名物 晋州ビビンバ/飛鳳山人 無視するべからず ソウルのソルロンタン/牛耳生 天下の珍味 開城ピョンス/秦学圃 愛の餅、風流の餅 延白インジョルミ/長寿山人 四季の名物 平壌冷麵/金昭姐 大邱の自慢 大邱湯飯/達城人 京城名物料理 京城名物 野菜と果物 筆者紹介 訳者解説 ◯ 著者プロフィール 編者:イ・サン(李相) 韓国の中央大学で歴史を、弘益大学大学院で文化芸術経営を学ぶ。 文筆・出版活動の傍ら、ヘイリ芸術村事務局の責任者ならびに坡州ブックソリの運営責任者を務めた。 著書に『世界芸術村は何で生きるのか』『世界の本祭り』『李舜臣、昔の絵で読む』ほか、翻訳書に鈴木常勝『大路─朝鮮人の上海電影皇帝』、Gifford, Eli“How Can One Sell the Air?”など。 2020年に韓国出版評論賞を受賞。 訳者:八田靖史 コリアン・フード・コラムニスト。 慶尚北道、および慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。ハングル能力検定協会理事。 1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。トークイベントや講演のほか、企 業向けのアドバイザー、韓国グルメツアーのプロデュースも行う。 著書に『韓国行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)、『あの名シーンを食べる! 韓国ドラマ食堂』(イースト・プレス)、『目からウロコのハングル練習帳 改訂版』(学研プラス)ほか多数。 電子書籍『韓食生活BOOK』シリーズを不定期で刊行。 韓国料理が生活の一部になった人のためのウェブサイト「韓食生活」(https://www.kansyoku-life.com/)、YouTube「八田靖史の韓食動画」を運営。 (版元より)
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2人は翻訳している|すんみ/小山内園子
¥1,980
発行 タバブックス 装丁 沼本明希子(燦々) 四六判・並製・180ページ ISBN978-4-907053-78-9 C0095 発売 2025年11月 定価 1800円+税 翻訳とは、ことばとは、それが生まれる世界とは。 気鋭の韓日翻訳者2人がつむぎ合う、仕事、社会、人生。母語で書いたエッセイをお互いが訳した一編を二言語で収録。 チョ・ナムジュ、チョン・セラン、カン・ファギル... 話題の韓国文学の翻訳を次々手掛ける韓日翻訳者のすんみ、小山内園子。日本でも大きな話題となったイ・ミンギョン『私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない』の共訳以来、仕事仲間として友人として固い絆で結ばれている2人。翻訳のために日々行っていること、ことばを生み出す背景を、それぞれの視点から綴ります。 文学作品を翻訳しながら、私は言葉の裏側(あるいは外縁)にあるものを見つめるような気持ちになります。 ーすんみ 最近気づきました。どの時間にも共通していたのは「翻訳」かもしれないと。 ー小山内園子 【目次】 はじめに Ⅰ. 2人は翻訳している 翻訳の戦慄と陶酔 小山内園子 一つだけの答えではなく、自分だけの答えを見つけていくという話 すんみ 翻訳者を友人に持つことの醍醐味 小山内園子 私の「オンニ」史 すんみ 参考書は『ガラスの仮面』 小山内園子 日本カルチャーという居場所 すんみ ロスト・イン・トランスレーション 小山内園子 しかたないという問題について すんみ 「今でもあなたは、わたしの光」 小山内園子 青山は私に、黙って生きるようにと言った すんみ 翻訳ができる体 小山内園子 世界へ踏み出すための、新しい地図 すんみ ささやかな「物語」に耳をすませる 小山内園子 新しい風景を求めて すんみ II. 두 사람은 번역하고 있다 2人それぞれの母語で書いたエッセイを、お互いに日本語、韓国語に翻訳しています 덧니와 오서방점 승미 八重歯とオ旦那ぼくろ 訳 小山内園子 できないこと、は個性になる 小山内園子 ‘못 하는 것’도 개성 訳 승미 おわりに ◯ すんみ 翻訳者。早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了。訳書にチョン・セラン『屋上で会いましょう』『地球でハナだけ』、キム・グミ『敬愛の心』、チョ・ナムジュ『コマネチのために』、イム・キョンソン『そっと呼ぶ名前』、ウン・ソホル他『5番レーン』、キム・サングン『星をつるよる』、ユン・ウンジュ他『女の子だから、男の子だからをなくす本』など。 小山内園子(おさない そのこ) 韓日翻訳者、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ。訳書に、ク・ビョンモ『破果』『破砕』、カン・ファギル『別の人』『大丈夫な人』『大仏ホテルの幽霊』、イム・ソヌ『光っていません』、チェ・ソンウン『働きたいけど働けない私たち』、キム・イソル『わたしたちの停留所と、書き写す夜』など。など。著書に『〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学』(NHK 出版)がある。 (版元より)
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ギターというモノ/ギタリストというヒト プルースト、ベイトソン、ソンタグ、高田渡|高田漣
¥2,750
発行 DU BOOKS ISBN 9784866471860 発売年月 2022年12月 版型 四六 ページ数 360 製本 並 デザイン サリー久保田 マルチ弦楽器奏者・高田漣、初の著書は、 知的冒険の書! 音楽雑誌「ERIS」の人気連載に大幅加筆。 学究的なアーティストであり、感覚鋭いインテリである高田漣くんの、びっしり固有名詞をぶち込んだギター論が出た。これは買いだ!――いとうせいこう ギター・ソロなんかオワコンだの、活字メディアはもう古いだの。冗談じゃない。安泰ですよ、どっちも。漣くんがいるんだから。――萩原健太 ギターブランドの歴史を紐解き、 ギターを改造する様々な人々の生態を通じて、 ギタリストの思考回路「ギター脳」を解読する手助けとなるような共通項を探る。 父・高田渡の思い出はもちろん、細野晴臣とのツアーについても語りつつ、 ギター教室での気づきについても考察した、音楽ファン待望の一冊。 大衆音楽の成立過程でギターの果たした役割、 ギターの魔改造から、 パワーコードが人類に与えた影響まで!? アメリカン・ルネサンスとしてのギター史とは? <目次> まえがき ギターを知ることで二〇世紀大衆文化の理解へ すべてのギタリストは嘘つきである 1章 個人史――人はいかにしてギタリストになるのか? ライブごっこ、そして打上げごっこ ラディカルなギター奏者のスタイルズ 音の出る絵本を探して スティール・ギターとの出会い 「マザーズ・レコード」通いの日々 シンセサイザーのようなスティール・ギターに魅了されて 専業音楽家として生きる決断 付記 アフター・ザ・ボール~細野晴臣北米ツアー同行記 2章 進化論――ギターはいかにしてギターになったのか? 前史としてのハワイアン ナショナル劇場は永遠に ジョージ・ビーチャムの幸運と非運 一九六二年『アメリカン・グラフィティ』の呪い クリーン・サウンドの呪い バイク乗りの恋 脱空洞の論理飛躍 電気ギターはチェルシー・ホテルの夢を見るか? 付記 林檎王宮の円盤の騎士伝説~ビートルズと実存主義を巡るワインディングロード 3章 生態学―ギターを改造する人々 なぜギタリストはギターを改造するのか? ニール・ヤングのDIY――オールド・ブラックの来し方 エリック・クラプトンのDIY ロビー・ロバートソンのDIY ライ・クーダーのDIY シカゴ・レボリューション ボ・ディドリーの場合――ジャングルビートじゃ座れない HR/HMの定番仕様の完成――エディ・ヴァン・ヘイレンの場合 J・J・ケイルのDIY この世界の哲学 付記 彼岸のギター弾き~細野晴臣とアコースティック・ギター、愛の逃避行 4章 論考――ギタリストの遺伝子はどこへ 〈シゴト〉ではない何かで生きていく人たち――もうひとつの伝説 モノ・ヒト・コト 記号の世紀――コード化の功罪 口伝としての民俗音楽 楽器のある生活と思考のススメ 現代のギタリストに伝えたい何か(サムシング) 竹薮の消えた日 見出された記述 謝辞 参考文献 出典 (版元より)
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映画の感傷 山崎まどか映画エッセイ集|山崎まどか
¥2,420
発行 DU BOOKS ISBN 9784866470962 発売年月 2019年10月 版型 四六判 ページ数 312 製本 上製 装画 リアン・シャプトン ブックデザイン 川畑あずさ スクリーンに映し出された、心が痛くなる瞬間、 小さな物や、恋人たちの視線。 まどかさんの灯す道標のもと、幾人もの女の子が、輝かしい躓きを知ります。 傷つく未来を予感しながら、文化と恋に落ちるのです。――山戸結希(映画監督) 待望の映画エッセイ集。 2011年からの女子映画大賞もコンプリート! 目次 はじめに 鑑賞のスーベニール 1 映画の彼女とわたしたちの傷あと はじめてのルノワール―『ピクニック』 どうしようもない私たちの物語―『タイニー・ファニチャー』 不器用な女子を祝福する「ハ」―『フランシス・ハ』 レディ・バードのきらめく傷あと―『レディ・バード』 アメリカのコメディエンヌたちの最前線―『ブライズメイズ 史上最悪のウエディングプラン』 勝ち組女子のその後―『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』 コメディのロマンティック・ヒーロー、エイミー・シューマー―『アイ・フィール・プリティ 人生最高のハプニング』 ガールズ・ワールドの共通言語―『ビューティフル・デイズ』 17歳をめぐる名作たち―『17歳』 愛らしいアマチュアリズムが胸を締めつける―『ゴッド・ヘルプ・ザ・ガール』 少女たちが貪る甘美な悪夢―『ネオン・デーモン』 今を生きる私たちに贈る彼女のストーリー―『コレット』 ラス・フォン・トリアーが大嫌い―『メランコリア』 少女の普遍を描いたダークなおとぎ話―『イノセント・ガーデン』 いつか、その夢から覚めたとき―『ガール・オン・ザ・トレイン』 20世紀の女たちへ―『20センチュリー・ウーマン』 男のいない女たちの世界―『The Beguiled /ビガイルド 欲望のめざめ』 まるっきり山岸凉子のマンガみたい―『ブラック・スワン』 光が差す方向に、少女たちは走る―『裸足の季節』 彼女と、彼女に見捨てられた町の物語―『さよなら、退屈なレオニー』 2 映画はファッションと街で見る タータン・チェックのプリーツ・スカートよ永遠に―『クルーレス』 アメリカ女子大生ファッション・クロニクル いま、最もオシャレな映画監督は誰? 「コッポラ二世」、実はロマン派―『チャールズ・スワン三世の頭ン中』 映画人からファッションを学ぶ 純白であるほど罪が深い、ホワイト・スーツの美学 ファッションから浮かび上がる 60年代南部の女性たち―『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』 アルモドバル監督が描く憧れの女優たち―『抱擁のかけら』 オスカー・アイザックが着ていたコート―『アメリカン・ドリーマー』 ファッション・ショーのために見る映画 ブログによって広がる「ささやかだけど豊かな小宇宙」―『ジュリー&ジュリア』 イースト・ヴィレッジでエリナ・リグビーを探す―『ラブストーリーズ コナーの涙』『ラブストーリーズ エリナーの愛情』 映画愛に溢れたニューヨークのファンタジー―『マイ・ファニー・レディ』 映画の中に残されたブルックリンの奇跡―『スモーク』 ニューヨークと自然史博物館とデヴィッド・ボウイ―『ワンダーストラック』 丸の内と若尾文子が輝いていた時代のコメディ―『最高殊勲夫人』 東京女子が素敵な映画 3 思春期というアメリカ映画の神話 ジョン・ヒューズならどうする?―『すてきな片想い』 思春期前夜のスランバー・パーティ―『アメリカン・スリープオーバー』 今をときめくコメディアンたちがみんなで過ごした、あの夏―『ウェット・ホット・アメリカン・サマー』 永遠の少女と大人になってしまう少年の悲しみ―『モールス』 新たな青春映画のスタンダード―『きっと、星のせいじゃない。』 ねえ、暗闇の中にいる君 映画の中のティーンエイジャーのお部屋 正統派ビーチ映画としての『スプリング・ブレイカーズ』―『スプリング・ブレイカーズ』 ジョン・ヒューズの「1958年の夏休み」 奇妙な救世主、カットニス・エバンディーン―『ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション』 スモールタウンのアメリカ的なイノセンス―『マンチェスター・バイ・ザ・シー』 フィクションとノンフィクションの境目―『アメリカン・アニマルズ』 ループする思春期―『ヤングアダルト』 大人になれない世代のための、新しい青春映画―『ヤング・アダルト・ニューヨーク』 4 未熟なロマンス、大人のロマンス ハッピー・エンドのために~ロマンティック・コメディ映画における12のルール 恋のゲーム、神様のゲーム―『夏の夜は三たび微笑む』 拝啓 ティモシー・シャラメ様 まなざしだけがふたりをつなぎとめる―『ポルト』 メイク・ミー・ブルー―『ムーンライト』 バリー・ジェンキンスの恋人たち―『ビール・ストリートの恋人たち』 ウィーン・パリ・東京 九年間のディスタンス―『ビフォア・サンセット』 まだそこから先がある―『ビフォア・ミッドナイト』 ルカ・グァダニーノの「ゴダールならどうする?」―『胸騒ぎのシチリア』 大人になりきれない、今時の大人の恋愛―『おとなの恋は、まわり道』 名画座日記 my favorites 私のニューヨーク映画ベストテン 私の好きな2010年代ロマンティック・コメディ The Women 私たちのための、新しいマリリン・モンロー 永遠の反逆少女、ウィノナ・ライダー キルスティン・ダンストだけが起こせる奇跡 ジェシカ・チャステインの体現するアンチ・ヒーローな女性像 アニエス・ヴァルダを愛さずにはいられない 女子映画大賞 (版元より)
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ミニコミ「英国音楽」とあのころの話 1986-1991|小出亜佐子
¥2,530
発行 DU BOOKS ISBN 9784866471082 発売年月 2019年11月 版型 四六 ページ数 304 製本 並製 重版 2刷 ブックデザイン 相馬章宏(コンコルド・グラフィック) すべては1冊のファンジンから始まった!? 90年代音楽シーンを変えたフリッパーズ・ギターのデビュー前夜、 東京ネオアコ・シーンの思い出が1冊に。 当時のフライヤーなど掲載図版381点以上! 80年代後半、U.K INDIE音楽をディープに追いかけていた一部の人たちが 「英国音楽」を中心に集り、小さなシーンが生まれました。小出さんは、僕にとって、 自分たちの音楽を最初にリリースしてくれた恩人です。――小山田圭吾(ex.ロリポップ・ソニック) とにかくはっきり言えることは、「英国音楽」というファンジンが、どれくらい当時の僕や僕たち に強烈な影響を与えたかということ!――カジヒデキ(ex.ブリッジ) あの時に「英国音楽」が存在していなければ皆それとして1990年代に存在できていなかったはずだ と僕は思います。――仲真史(BIG LOVE RECORDS代表) スペシャル座談会「「英国音楽」の青春、あの頃の話。」 小山田圭吾(ex.ロリポップ・ソニック) 佐鳥葉子(ペニー・アーケード) 薄田育宏(ex.ウッドストック大阪店) 友情寄稿 カジヒデキ(ex.ブリッジ)――これこそ僕が求めていた世界観だった! 仲真史(BIG LOVE RECORDS代表)――「英国音楽」が救ってくれた私の青春 草の根ファン・クラブ、お茶会、ビデオ上映会、おこづかい企画…etc. 大好き!が、それまでになかった音楽文化を作った時代。 (版元より)
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わたしと『花椿』 雑誌編集から見えてくる90年代|林央子
¥2,530
発行 DU BOOKS ISBN 9784866471068 発売年月 2023年2月 版型 A5変形 ページ数 280ページ+カラー口絵8ページ 製本 並製 ブックデザイン 小池アイ子 Web花椿の好評連載「90s in Hanatsubaki」に大幅加筆した、待望の書籍化。 林央子は、根っこから育てる庭師であり、世界の作り手たちのアーキビストだ。 ――マイク・ミルズ(映画監督) ファッションやカルチャー、そして美意識などの価値観が大きく変わった90年代に、 カルチャー発信の現場で何が起こったのかを、 「花椿」の編集を通じて、時代と向き合ってきた著者が語る。 企業文化PR誌の先駆け、資生堂『花椿』の編集部を語った、はじめての本。 1988年資生堂に入社以来、2001年に退社するまで、『花椿』編集室に所属した林央子が、当時の名物編集長・平山景子氏やアートディレクターの仲條正義氏から編集のいろはを学んでいく過程や、国内外のクリエイターと交遊を深めた舞台裏と、そこから現代に通じるアートやファッションの紹介者として世界をリードするまでを綴る。 わかりやすさが要求される世界に対抗し、複雑さをとどめたまま、 情報を伝えていくことができるのは「雑誌」だった。 世界でも類を見ない企業文化誌に所属した著者が語る、新しい意識を伝えるための「編集」。 『花椿』は、いつの時代も女性の声というものを重視していた媒体だった。 <目次> プロローグ 日本の女性のための雑誌をつくる 1 自由への編集――『Purple』編集長エレン・フライスとの出会い 2 エレン・フライスとつくったシティ・ガイド 3 誌面づくりの背後で交わされた対話 4 あたらしい価値観――『CUTiE』が台頭した90年代 5 ヒロミックスと重ねた『花椿』の誌面づくり 6「リアル」が問われた時代にあらわれた、ジャパニーズ・ビューティー 7 都築響一さんの編集姿勢―― 誰も伝えないなら、自分が伝える場をつくろう 8 アルフレッドさんのスパイシーなニッポン談義 9 ガーリーカルチャーからスーザン・チャンチオロに出会う 10 自分が本当にやりたかった企画―― アメリカの若者文化をとりあげる 11 マイク・ミルズとその周囲に見つけたアートシーン 12 人への興味から企画が生まれる 13『拡張するファッション』の刊行、展覧会のキュレーション、そして、美術史を学ぶ―― ロンドン留学ノート 14 編集者から研究者へ―― ロンドン留学の意外なところで『花椿』と出会う 15 マーク・ボスウィックとワークショップ―― 非日常を日常へ転回する 16 新しさを希求する探究心がひらく雑誌 17 企業がファッションの力を借りる―― ファッションへの信頼 18 パリコレと私 19 刺激を受けた写真家たち 20 マルタン・マルジェラと『花椿』 21 物質文化を超えて。時代の変化のきざしを、ファッションから見つける 22 ルールに小さな「no」を重ねていくことが、私の編集 23 異文化で生きる女性たち―― ブレスとの出会いを通じて あとがき 表紙制作や撮影の現場を振り返って (版元より)
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三拍子の娘1|町田メロメ
¥1,210
発行 DU BOOKS ISBN 9784866471389 発売年月 2021年4月 版型 A5 ページ数 240ページ 製本 並製 重版 3刷 「私たち、親に捨てられちゃったけど、結構楽しく暮らしてます。」 三姉妹の軽やかな生活を描いた、町田メロメ初の長期連載作品が単行本化! 流されやすい長女・すみ、自由気ままな次女・とら、優等生だが謎多き三女・ふじの折原三姉妹。決して完璧な3人じゃないけど、私たちには私たちのリズムがある。 ワルツのように軽やかに、日々の暮らしはこんなにも、強く、楽しく、愛おしい。 (版元より)
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三拍子の娘2|町田メロメ
¥1,210
発行 DU BOOKS ISBN 9784866471709 発売年月 2022年6月 版型 A5 ページ数 240 製本 並製 重版 2刷 くるり・岸田 繁さん推薦! SNS・各メディアで話題のコミック! ファン待望の第2巻。 「ワルツの円環。 溜まったものと解放されるもの、逃れられないもの。 四角い世の中や痛々しい現実を尻目に、 気ままに踊る人々による愛おしい生活の歌。」 ――岸田 繁 母を亡くし、父親はある日突然、姿を消した――。 「私たち、親に捨てられちゃったけど、結構楽しく暮らしてます。」 すみ(長女)・とら(次女)・ふじ(三女)の折原家三姉妹の 軽やかな生活を描いた、町田メロメ初の長編作品。 (版元より)
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三拍子の娘3|町田メロメ
¥1,430
発行 DU BOOKS ISBN 9784866472201 発売年月 2024年6月 版型 A5 ページ数 256 製本 並製 SNS・各メディアで話題沸騰! 惜しまれながら 1月に最終回を迎えた、町田メロメ初の長編人気コミック 『三拍子の娘』待望の完結巻、ついに発売!! 「人生を楽しめ!」 日々の暮らしはこんなにも、強く、楽しく、愛おしい。 そんな当たり前のように続く三姉妹の日常にも、少しずつだが大きな変化が訪れる。 ──ワルツのような三姉妹の毎日がここに完結。 (版元より)
