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絵のうら側に言葉の糸をとおす|鴻池朋子+大竹昭子+堀江敏幸

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発売日 2020年9月14日
著者 鴻池朋子+大竹昭子+堀江敏幸
判型 文庫版(w105×h148mm)、並製、カバー無し
表紙 NTラシャ 130kg
ページ数 53ページ
定価 1000円(本体価格)
発行所 カタリココ文庫
編集協力 大林えり子(ポポタム)
装幀  横山 雄+大橋悠治(BOOTLEG)
表紙・図版 鴻池朋子

東日本大震災後の2011年3月、大竹昭子の呼びかけにより「ことばのポトラック」がおこなわれました。
本書はいまも継続しているこのトークイベントの、美術家・鴻池朋子が登壇した回の内容を再構成した鼎談集です。聞き手は大竹昭子と堀江敏幸がつとめ、三人それぞれが自分の発言多くの言葉を足しました。

鴻池朋子は大震災のとき、ちょうど個展の最中で、揺れが収まって会場にいくと、自分のつくった作品に少しも情熱がもてなくなっているのに気が付いたといいます。。
そこでいったん制作を停止し、描くとは? 創るとは、作品を見せるとは? など、つぎつぎと湧きおこる本源的な問いに全身全霊でむきあい、模索し、そこから絵画パネルという既存の表現形式を超えて、動物の皮革に描いたり、糸で縫ったりという手法が編み出されていきました。

「描くこと」「創ること」ことを、人間の営みの歴史や地球の活動にまで広げてとらえようとする彼女の意欲は、既存の「美術」を超えた刺激と発見に満ちています。

「ポトラック」の会場はその日、大変な熱気に包まれましたが、人々が集うことがしづらくなったいま、そのときのエネルギーと思考の軌跡を活字にしてお届けしたいと思いました。
コロナ禍と津波は同じではありませんが、人間の想像力を超えた事態に直面したとき、それに立ち向かおうとする姿勢には希望が感じられます。

日常が滞りなく過ぎているときには見えにくい事柄が、行く手がふさがれたときにあらわになります。そのときに立ち止まって考えることができれば、つぎの山を登る力が蓄えられることを鴻池さんの言葉は教えてくれます。

ジャンルを超えて物事に深い眼差しを注ぐことは<カタリココ文庫>のミッションと自覚しています。本書が多くの読者に届きますように。

(出版社商品ページより)

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