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掌の縄文|港千尋

¥4,400 税込

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発行元:羽鳥書店
2012/04/02
ページ数 112p
ISBN: 978-4-904702-32-1
¥ 4,000(税別)

 土器は博物館でガラス越しに見る史料、というのがわれわれ現代人の感覚だが、それが素手で触れられた瞬間に、史料でもなく作品でもない、生活の一部として存在する土器がまざまざと浮かび上がってくる。これまで、人類学者としての眼ももちながら写真を撮り続けてきた港千尋が、人の手に抱かれた土器をとおして、何千年も前に生きた人々の生身の感覚を伝える。

 収録された土器や土偶は、主に八ヶ岳山麓にある縄文遺跡から出土した約5000年前のもの。土器に触れ被写体となった人たちは、ある人は「この飾りは触られるためにある」と感じ、ある人は「これは花器として使われたにちがいない」と感じた。土器の復元の現場では、作業する手をとおして、太古の作り手の意識がたちのぼることがある。そのよみがえりの瞬間ひとつひとつを、遺跡の風景もまじえながら、モノクロ(ダブルトーン印刷)とカラー両方で見せる。

 人が素手で土器に触れている写真は、資料としてもほとんど残されていない。港千尋のテキスト「抱かれた時間」のなかでは、尖石(とがりいし)遺跡の古い資料や、岡本太郎が撮影した縄文土器など、貴重な写真を収録。また、クロード・レヴィ=ストロースが1998年にパリ日本文化会館で開かれた「縄文展(JOMON l’art Japon des orignes)」のカタログに寄せられた序文も紹介する。

目次

3-95 掌の縄文
96-103 港千尋「抱かれた時間」
104-107 クロード・レヴィ=ストロース「縄文展カタログ序文」
108-110 写真一覧
111 港千尋プロフィール

著者略歴

港 千尋【写真】
1960年神奈川県生まれ。大学在学中に南米各地に滞在して以来、これまで赤道や大西洋など世界各地の自然と文化を対象に撮影してきた。
主著『記憶――「創造」と「想起」の力』(講談社、1996)でサントリー学芸賞、展覧会「市民の色chromatic citizen」で第31回伊奈信男賞を受賞(2006)するなど、テキストとイメージの両面で創作を続けている。
2007年には第52回ヴェネチア・ビエンナーレ美術展日本館コミッショナー、
2008年には『HIROSHIMA 1958』(インスクリプト)の編集とキュレーションを務めるなど、幅広く活躍。
主な写真集に『瞬間の山――形態創出と聖性』『文字の母たちLe Voyage Typographique』(以上インスクリプト、2001、2007)。近著に『レヴィ=ストロースの庭』(NTT出版、2008)、『書物の変――グーグルベルグの時代』(せりか書房、2010)、『パリを歩く』(NTT出版、2011)など。
現在、多摩美術大学美術学部情報デザイン学科教授、同芸術人類学研究所所員。

(出版社商品ページより)

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