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トーベ・ヤンソン 人生、芸術、言葉|ボエル・ヴェスティン

¥4,180 税込

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発行 フィルムアート社
畑中麻紀・森下圭子=訳
発売日:2021年10月26日
四六判・上製|656頁|本体:3,800円+税|ISBN 978-4-8459-2104-1

大切なことは、いつも同じ。
仕事、愛、そして遊び──

“ムーミン”の原作者であり、画家、イラストレーター、小説家…と多才に活躍した芸術家、トーベ・ヤンソンの決定版評伝が新訳で刊行。
本人とも親交のあった研究者が日記や手紙、草稿など膨大な資料から、その生涯を鮮やかに描き出す。


「私たちのトーベは、きっと偉大な芸術家になると思うんだ。とてつもなく偉大な!」
フィンランドで内戦が勃発していた頃、若き兵士ヴィクトル・ヤンソンは、前線から愛する妻シグネに宛てた手紙にこう記した。

父ヴィクトルの言葉どおり、トーベ・ヤンソンはやがて画家、イラストレーター、漫画家、小説家、そして「ムーミン」を生み出した偉大な芸術家として世界中にその名を知られることになっていく。

10代でイラストレーター、画家としてアーティストのキャリアをスタートさせたトーベは、戦禍の中で青春時代を過ごしている。最初はスノークという名だったムーミンは、そんな状況下で理不尽に対する怒りや自由への希望、表現への夢など、さまざまな想いの中から生まれてきた生きものだった。

「ムーミン」が世界的な人気を獲得したのち、トーベは「ムーミン」とその他の芸術活動のバランスに悩まされるようになる。
義務や責任、人々の期待と自身の想いとのあいだの駆け引きは、次第に苦痛を伴うようになり、その割り切れない気持ちは、生涯トーベを悩ますことになった。

「仕事と愛」はトーベの人生を表す最も重要な言葉だった。
トーベは人生の始まりから終わりまで働き続けた。
そして、最初に描いた絵から最後の本まで、トーベは生涯にわたって新しい芸術表現を追求したのだ。

トーベ・ヤンソン本人から私的な記録を自由に閲覧することを許された唯一の研究者である著者が、その膨大な資料(家族や友人への手紙をはじめ、覚書、草稿、物語、プレゼンテーション用の資料、分類表、キャラクター設定、スケッチ、ドローイング、さまざまなプロジェクトの計画、写真、日記、切り抜き、記事、パンフレット、カタログなど)を丹念に読み解き、トーベ・ヤンソンの豊かでダイナミックな人生を色鮮やかに描く。

家族や自然を愛し、自由を求め続けた芸術家トーベ・ヤンソンの生き様に迫った評伝の決定版。


 私は、トーベ・ヤンソン本人から、自身が何年にもわたって書き記してきた私的な全記録を、自由に閲覧してよいと初めて許された研究者である。記録の中には子どもの頃に書いた物語、スケッチ、日記、1990年代終わりの晩年に書き留めたものなどがある。何百ものバインダー、ファイル、箱や棚には膨大な紙の束があった。覚書、草稿、物語、プレゼンテーション用の資料、分類表、キャラクター設定、スケッチ、ドローイング、さまざまなプロジェクトの計画、写真、日記、切り抜き、記事、ありとあらゆる手紙、パンフレット、カタログなどなど。自分と作品について、膨大な回想録を仕上げた作家・芸術家像が見てとれる。
(中略)
 伝記では、作品と人生の間で、さまざまな素材をどう組み合わせ、どういう流れにしようか、まずそのあたりを見極めねばならない。素材というのはトーベ・ヤンソンの場合は言葉と絵画。トーベ・ヤンソンという名前を聞いた時に私たちが思い浮かべるムーミン、物語、膨大な量の絵画などの作品を通して、トーベの豊かでダイナミックな生き様を見ていただきたいと思う。
 私にとってトーベ・ヤンソンの言葉や絵は、まるで尽きることのない宝箱だ。いつまでも彼女の人生に触れ、宝箱の中身を探索していたいとも思う。けれども本書を書き上げるには、宝箱の蓋を閉じる時を迎えなくてはならないのだ。
――本書「第1章 私は働く」より抜粋

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