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凸面鏡の自画像|ジョン・アシュベリー

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発行 左右社
訳者:飯野友幸
装幀:三木俊一(文京図案室)
装画:Parmigianino, Self-Portrait in a Convex Mirror(1524年頃)
定価:本体2400円+税
四六判上製/112ページ
2021年11月30日 第一刷発行
978-4-86528-052-4 C0098

全米図書賞・全米批評家協会賞・ピュリッツァー賞受賞。ポール・オースターが偏愛する詩人による長編詩、30年ぶりの全面新訳。

ある日、プロヴィンスタウンをぶらついていて書店を通りかかった際、ショーウィンドウにパルミジャニーノの安っぽい画集があるのを見た。自画像がそのカバーだった。わたしは画集を買い、スタジオに持ち帰り、ゆっくり詩を書きはじめた──
(Self-Portrait in a Conve Mirror エアリオン・プレス版 序文より)

ニュー・ヨーク派の前衛詩人ジョン・アシュベリーによる552行の長編詩、『凸面鏡の自画像』。
マニエリスム画家パルミジャニーノの自画像にインスピレーションを受け、詩人の思考は軽やかにつらなっていく。
ポール・オースターの愛する詩人の代表作を、詩人本人による「元ネタ」解説と、訳者による詳細な解題とともに刊行。

フランチェスコ、お前の手は大きいので
この球体だって壊せるし、むしろ人が思うには
大きすぎて、細かい網の目、幽閉されていろと
言わんばかりの網の目など織ることもできない。
(大きいといっても目が粗いわけではなく、尺度が
違うだけのこと、ちょうど海底で寝こける鯨と、海の
表層に浮かぶ小さいのに大きいつもりの船との関係のように)。
(本文より)


プロフィール

ジョン・アシュベリー
アメリカの詩人。1927年ニュー・ヨーク州ロチェスター生まれ。ハーヴァード大学卒業後、コロンビア大学で修士号を取得。第一詩集『木々』(1956)でデビュー。『凸面鏡の自画像』(1956)で全米図書賞、全米批評家協会賞、ピュリッツァー賞を受賞。ニュー・ヨーク派と呼ばれ、多くの詩集にくわえ、美術評論やフランス詩の翻訳も発表。2017年、90歳で歿。

飯野友幸
米文学者。上智大学文学部英文学科教授。著書に『ジョン・アッシュベリー──「可能性への賛歌」の詩』(研究社、2005)、『フランク・オハラ──冷戦初期の詩人の芸術』(水声社、2019)、訳書に『俺にはアメリカの歌声が聴こえる──草の葉(抄)』(光文社、2007)、『ブルース・ピープル──白いアメリカ、黒い音楽』(平凡社、2011)ほか。

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