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石ころ路|田畑修一郎

¥1,870 税込

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灯光舎 本のともしび

発行 灯光舎
監修 山本 善行
B6変型判 縦183mm 横123mm 厚さ10mm 120ページ 上製
定価 1,700円+税
ISBN978-4-909992-51-2
初版年月日2021年7月20日

小品をもって、作者や作品との出会い、本との出会いの場へと誘う「灯光舎 本のともしびシリーズ」第2弾は昭和期に活躍した早世の作家・田畑修一郎の作品3編をお届けします。

暗く切ない人間模様のなかにどこか親しみを感じる「あの路この路」、虚無感をいだく主人公とその友人の死を扱った「木椅子の上で」の2編と田畑文学の柱のひとつといえる「石ころ路」を収録。自身の病と私生活の苦悩から逃れるように三宅島へ赴いたひとりの男が主人公の「石ころ路」は、現地の風景や住民との交流をきっかけに、陰鬱としたなかに一筋の光を見つけるように少しずつ自身を取り戻していく姿が描かれます。

日常生活を正面からとらえ、自分を静かに見つめて描かれた田畑文学の一端を読者の心に届けます。
田畑修一郎の作品を収録した類書は少ないかと思いますので、多くの方々にとって田畑文学との出会いになる貴重な1冊になれば幸いです。

シリーズ「灯光舎 本のともしび」について
人々の心に染み入る作品を取り上げ、小品仕立ての書籍にしてお届けする「灯光舎 本のともしび」。書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに素朴で味わいのある佇まいで、刊行いたします。
撰者には、書物エッセイストで京都銀閣寺に店を構える古書善行堂店主・山本善行氏を迎え、シリーズとしての発刊を目指します。

収録作品タイトル

・木椅子の上で
・石ころ路
・あの路この路


収録されたのは田畑文学の小品3編です。
それぞれが小品なので、読書に慣れていない方にとって読書への入口にしてもらえるかと思います。
また、小社で調べた限り、田畑修一郎の著書はかなり少ないかと思いますので、小説や随筆がお好きな方にとっても「作品と作者との新しい出会い」となるかもしれません。
田畑文学に出会うことができる貴重な1冊になれば幸いです。

当時の雰囲気を優先し、漢字は底本通りに旧字体を採用しております。
読者にとって読みやすくなるように、難解と思われる漢字にはルビを付しました。

田畑 修一郎(たばた しゅういちろう)1903~1943

島根県出身。本名は田畑修蔵(たばた・しゅうぞう)。大正15年に早稲田大学文学部に入学し、火野葦平や寺崎浩らと同人誌『街』を創刊。昭和13年に砂子屋書房より発刊した『鳥羽家の子供』は芥川賞候補になる。
モダニズムやプロレタリア文学などにみる文壇の流れや時代思潮に動ずることなく、主に日常生活の光景と自己を静かに見つめた私小説的作品を創作。
三宅島を題材にした『岩礁』、郷里島根県を描いた『出雲・石見』、長編小説『医師高間房一氏』など多くの作品を残した。昭和18年の夏、民話蒐集に出向いた岩手盛岡の地で急逝する。享年40歳。田畑の葬儀は、火野葦平が葬儀委員長を務め、伊藤整、尾崎一雄、小田嶽夫など多くの作家が彼の死を悼んだ。

山本 善行 (ヤマモト ヨシユキ) (監修)
大阪府生まれ。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。
2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン。
著書に『関西赤貧古本道』(新潮社)、『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)、『定本古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)、編者として上林曉の『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『埴原一亟古本小説集』(以上、夏葉社)、黒島伝治『瀬戸内海のスケッチ』(サウダージ・ブックス)など

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