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発行 書肆侃侃房
四六判変形、上製、192ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-566-3 C0092
装丁 佐野裕哉
栞 江戸雪 神野紗希 堂園昌彦
雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること
第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。
安田さんの歌には、「それでも」言葉を信じて光のほうを向き直す、高潔な魂が震えている。
──────神野紗希(栞文より)
ゆめでも現実でもなく、さらには妄想でも幻想でもない不思議な空間がくりかえし創り出される一冊のなかで、怒りの感情はとくに激しい。激しく強くかっこいい。
──────江戸雪(栞文より)
安田さんの歌の持つ抽象的で硬質な詩情は日々の暮らしの中から生まれており、そしてまた日々の暮らしに浸されるとき、律動を持ち人々を癒やす、そういう種類のものなのだと思う。
──────堂園昌彦(栞文より)
【収録歌より】
冬にしてきみのすべてに触れ得ないこともうれしく手ですくう水
髪に闇なじませながら泣きながら薔薇ばらばらにする夜半がある
戴冠の日も風の日もおもうのは遠くのことや白さについて
死者にくちなし生者に語ることばなしあなたに降りそそぐ雪もなし
石英を朝のひかりがつらぬいていまかなしみがありふれてゆく
【栞】
神野紗希「遠くを、信じる」
江戸雪「アンビバレントパワー」
堂園昌彦「暮らしの中から生まれた結晶」
【著者プロフィール】
安田茜(やすだ・あかね)
1994年、京都府生まれ。「立命短歌」「京大短歌」「塔」出身。現在は「西瓜」所属。2016年、第6回塔新人賞。2022年、第4回笹井宏之賞神野紗希賞。
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