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岩波文庫
発行 岩波書房
上田 閑照 編
通し番号 青323-2
刊行日 1997/04/16
ISBN 9784003332320
体裁 文庫 ・ 並製 ・ カバー ・ 350頁
定価 1,067円
鈴木大拙(1870-1966)の最晩年-驚くべし,90歳前後-に書かれた思想的エッセイを収録した『東洋的な見方』を中心に,同時期の好文章を加えて再編成.世界にとって失われてはならない「東洋のよきもの」とは何か-文字通り世界に出て西洋を自らの生活世界とした著者が,身をもって探求しつつ生きたそのドキュメント.
この新編『東洋的な見方』は,……鈴木大拙(1870~1966)の最晩年の思想的エッセイ集として編集したものである.……禅の道を歩みながら大乗仏教や老荘など東洋の精神的伝統を体現した大拙はまた通算25年におよぶ海外での活動,アメリカ人女性との結婚を通して,東洋と西洋とを真に自分に親しい世界とすることのできた稀な世界人である.東西異文化の「間」で,東西を包む広大な世界に生きたその生涯の「願」は,世界における,世界のための,東洋の真の意義を探究し実現してゆくことであった.「世界人としての日本人」と自らを自覚する大拙は,日本人には世界における自覚をうながし,西洋に対しては世界にとっての東洋の意義を大拙自身の自由な存在をもって示した.人間の真実を語って世界に新しい息吹を吹き込みつつ世界の只なかで働きに働いて,1966年,96才の生涯を終えた.
(鈴木大拙における「東洋的な見方」より)
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