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新訂 牧野富太郎自叙伝

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発行 三四郎書館
4-6 縦128mm 横188mm 厚さ14mm 重さ 250g 224ページ 並製
定価 1,350円+税
ISBN978-4-9912993-0-8
初版年月日2023年4月28日

本書は「日本の植物学の父」と称される不世出の植物学者・牧野富太郎の自伝です。1956年に長嶋書房から刊行され、2004年に講談社学術文庫から再刊された『牧野富太郎自叙伝』の新訂版です。幕末の文久2年(1862)に高知県高岡郡佐川町の富裕な商家の家に生まれ、昭和32年(1957)で94歳の生涯を閉じるまで、「日本のフロラ(植物誌)を自分の手で作りたい」という志を一途に追った波乱万丈の生涯は、そのまま、劇的な物語です。本書は、富太郎の幼少期から晩年に至るまでの植物と富太郎との関わりを中心に綴った自叙伝の傑作です。

幼少期に父母を失い、小学校を2年で退学し、22歳(明治17年)時に二度目の上京をし、東京大学理学部植物学教室への自由な出入りを許され、そのまま、東京大学理学部の嘱託、助手、講師となり、一方、莫大な借金を背負いながら、日々、植物研究にまい進する富太郎の熱情が、富太郎自身の口から縦横に語られます。

新訂版では、幅広い読者が自然に読めるように、漢字表記を現代仮名遣いに準じて改め、小学校中学年以上の読者が楽に読めるように、ルビを大幅に増やし(ほぼ総ルビです!)、句読点も現代のスタイルに改めました。また、現代では不明な用語や人物名等については、該当する頁上に詳細な「補注」と「写真」をつけ、その頁上で解説が読めるように工夫しました。

牧野富太郎に深く関係する植物については、植物名が登場した頁上に、昭和18年に北隆館から刊行された『牧野日本植物圖鑑』(初版3刷)から牧野自身の描いた精細な植物画を掲載し、トピックな場面については、高知県立牧野植物園が所蔵する貴重な写真を掲載しました。記述の内容をビジュアル的にも楽しめる編集となっています。

更には、読みやすいように小見出しを大幅に増やした他、旧版の通時的であるべき内容が不自然に前後していた章や節、あるいは、テーマが近似しているにも関わらず不自然に離れていた章や節を再編し、「流れのある統一感」を出すように編集(再編成)しました。

また新訂版の巻末には「付記」として、コラム「森鴎外と牧野富太郎」を初掲載しました。本文中の「ある日の閑談」の一節の中に、鴎外と富太郎とのエピソードが登場します。鴎外が「漢詩に登場する樹木が、現在のどの樹木に該当するのか?」に疑問をもち調べますが、結局、自分では解決できず、富太郎に手紙で照会を求めました。その顛末が、鴎外最長の史伝『伊沢蘭軒』の二つの章(段)に登場します。新訂版では、該当する章の現代語訳を全文紹介しました。同じ年(1862年)に生まれた、二人の意外な交流を楽しめます!

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