open 12-19|closed wed. + 17 fri.
・
16 thu. は店内イベントのため変則的な営業時間となります
-
●予約受付 差異と重複|柿内正午
¥3,200
予約商品
●予約受付 4/4(火) 18時 〆切 店頭受け取り希望の方はメール、お電話でご連絡ください。 furuhonnosiori@gmail.com 080-3855-6606 発行 零貨店アカミミ A5判、780ページ 二段組 並走する二つの日記。 停滞と変容の諸相。 どうでもよくない、代わり映えしない毎日。 2021年と2022年の日記が並走する大きな日記の本。 「自分の日記を読み返しているうちに、もっと書かなくちゃなという気持ちが湧いてくる。この頃の僕は書けない読めないとぼやきつつもなんだかんだ結構読んでいるし書いているのだ。今の僕の方がずっと読めていないし書けていない。この数週間も、後で読み返すときには結構読めてるし書けてるじゃん、と感じるのだろうか。今回ばかりは、そうでもない気がするんだよなあ。というこれもまた、毎回思っていることなのだけど。一日として同じ日はない、というあまりに当然のことすらなんだか忘れてしまうようで、日記を読み返すと、確かに全部ちがう日だなあということと、とはいえ同じような日ばかりだということがよくわかる。同じようなことの繰り返しでも全く同じということはなく、その微妙な差異が積もり積もっていつのまにか見知らぬところにまで辿り着いていたりもするのだ。」(本文より)
-
オフショア 第二号
¥1,870
発行 リトルプレス 四六判・並製本・192ページ・モノクロ ISBN978-4-9912649-2-4 C0495 ¥1700E 定価(本体 1700 円+税) 発行 2023年3月22日 (農歴二月一日) 文芸雑誌『オフショア』は年2回発行。速い情報発信ではなく、じっくりアジアを考えます。 2023年3月22日に発売する第二号も、第一号と同じく8本のエッセイや論考、批評等を収録しています。 第二号にして、見事にそれぞれが違う方角を向きました。これこそ、「アジア」ではないでしょうか。「アジア」と称されてきたこの場所に、一言で括られるほどのまとまりは、果たしてあったのか――。アジア混沌の世界へ導く号となりました。 第二号の表紙にはシルバー色と青緑色を使用。コントラストとこの2色の重なりが、とても美しく仕上がりました。ヴァンヌーボ紙の手触りを楽しみながら、じっくり読んでいただけましたら幸いです。 掲載内容 ■後藤哲也インタビュー「グローバル時代における韓国・東アジアのグラフィックデザイン――かすかに残る匂いや誤訳」 聞き手:山本 佳奈子 ■批評「すれ違いながら、手をつなぐ ――「シルクロード ・サンドストーム」をめぐる女同士の関係」依田 那美紀 ■聞き書き「火鍋屋の大門さん」檀上 遼 ■エッセイ「どうして私はチベットのお寺で泣いてしまったんですか――京都を照明具に考える伝統と信仰」昔南京にいた女 ■エッセイ「時間が龐麦郎への答えである」顔 峻 ――解説――「音楽は農民工・龐麦郎を救えるか」山本 佳奈子 ■エッセイ「香港情景――子育てする移民:元駐在員の香港生活記」渡邊 順祐 ■論考 連載第二回「台湾における市民による地下メディア実践と民主化との関係―一九九〇年代の台湾の地下ラジオ運動を軸として――民主化の土台をつくった「党外雑誌」」和田 敬 ■エッセイ「マオイストの村、そこで暮らす父」石田 みどり 表紙イラスト:仲村 喜人 ロゴ・表紙デザイン:三宅 彩
-
結晶質|安田茜
¥2,200
発行 書肆侃侃房 四六判変形、上製、192ページ 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-566-3 C0092 装丁 佐野裕哉 栞 江戸雪 神野紗希 堂園昌彦 雪山を裂いて列車がゆくようにわたしがわたしの王であること 第4回笹井宏之賞神野紗希賞受賞の著者による第一歌集。 安田さんの歌には、「それでも」言葉を信じて光のほうを向き直す、高潔な魂が震えている。 ──────神野紗希(栞文より) ゆめでも現実でもなく、さらには妄想でも幻想でもない不思議な空間がくりかえし創り出される一冊のなかで、怒りの感情はとくに激しい。激しく強くかっこいい。 ──────江戸雪(栞文より) 安田さんの歌の持つ抽象的で硬質な詩情は日々の暮らしの中から生まれており、そしてまた日々の暮らしに浸されるとき、律動を持ち人々を癒やす、そういう種類のものなのだと思う。 ──────堂園昌彦(栞文より) 【収録歌より】 冬にしてきみのすべてに触れ得ないこともうれしく手ですくう水 髪に闇なじませながら泣きながら薔薇ばらばらにする夜半がある 戴冠の日も風の日もおもうのは遠くのことや白さについて 死者にくちなし生者に語ることばなしあなたに降りそそぐ雪もなし 石英を朝のひかりがつらぬいていまかなしみがありふれてゆく 【栞】 神野紗希「遠くを、信じる」 江戸雪「アンビバレントパワー」 堂園昌彦「暮らしの中から生まれた結晶」 【著者プロフィール】 安田茜(やすだ・あかね) 1994年、京都府生まれ。「立命短歌」「京大短歌」「塔」出身。現在は「西瓜」所属。2016年、第6回塔新人賞。2022年、第4回笹井宏之賞神野紗希賞。
-
海を渡った日本文学 『蟹工船』から『雪国』まで|堀邦維
¥2,200
発行 書肆侃侃房 四六判、並製、240ページ 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-563-2 C0095 日本の現代文学が海外の読者の目に触れるようになったのは、 いつ、いったいどのようにして? 次々に明らかになっていく戦前戦後の日本文学への知られざるまなざし。推理ドラマをひもとくようなスリリングな展開に思わず読み進まずにいられない。 村上春樹、多和田葉子、小川洋子、川上未映子へと続く、海外における日本文学人気の源泉はどこにあるのか。 著者はイギリスの「エンカウンター」誌に掲載された吉田健一による英文書評記事を目にしたことをきっかけに、海外において日本文学が受容され人気を得た過程に強い関心を抱く。1950年代の新聞・雑誌を読み継ぎ、太宰治の英訳作品、小林多喜二の『蟹工船』と辿るうちに、著者は日本文学を照らし出す海外からの光を見い出す。 小林多喜二の『蟹工船』が日本の現代作品で初めて英訳出版されたのはなぜか、そしてドナルド・キーンに並ぶ戦後の日本文学人気の立役者、エドワード・サイデンステッカーと川端康成『雪国』の関係とは。 海外の日本文学発掘の経緯をひもとき、日本現代文学史に新たな視野をもたらす一冊。 【もくじ】 序章 キーン、サイデンステッカー、角田 Ⅰ 大戦前 戦略としての文学 第1章 国際文化振興会と角田柳作 1 『現代日本文学概説』/2 国際文化振興会の試み/3 角田柳作の努力 第2章 国際共産主義と『蟹工船』 1 最初に英語に訳された現代日本文学/2 ビカートン/3 秘密裏の英訳/4 海外出版へ 第3章 宣伝としての『麦と兵隊』 1 アメリカでの出版/2 改変された原文/3 日本の新聞報道/4 キーンの評価 Ⅱ 大戦後 キーンとサイデンステッカー再上陸 第4章 日本文学者ドナルド・キーンの誕生 1 ドナルド・キーン著『日本の文学』の書評/2 推測される書評掲載の経緯/3 『日本の文学』と書評の中身 第5章 文化自由会議とサイデンステッカー 1 文化冷戦と「文化自由会議」/2 CIAとユダヤ人の共同/3 「エンカウンター」誌とサイデンステッカー/4 「自由」誌と日本文化フォーラム 第6章 「エンカウンター」誌が伝えた戦後日本 1 メルヴィン・ラスキーの日本レポート/2 サイデンステッカーの東京/3 ハーバート・パッシンの見た日本の雑誌事情 Ⅲ 新たな日本文学ブーム 第7章 クノップフ社の「日本文学英訳プログラム」 1 ハロルド・ストラウスの目論み/2 二つの財団の資金援助/3 ストラウスの日本文学探訪/4 英訳プログラム始動/5 クノップフ社という出版社 第8章 高まりゆく日本文学への関心 1「アトランティック」誌の日本特集/2「伊豆の踊子」の抄訳 3 二つの日本文学論 〈中島健蔵〉 〈サイデンステッカー〉 第9章 一九五五年、英訳プログラム始動 1 大佛次郎の「帰郷」/2 谷崎潤一郎「蓼食う虫」/3 英訳の経緯と反響/4 サイデンステッカーの序文 第10章 川端康成『雪国』 1 川端との出会い/2 翻訳の妙味/3 アメリカでの評判 終章 【著者プロフィール】 堀邦維(ほり・くにしげ) 日本大学特任教授。 1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。ケンブリッジ大学客員研究員、日本大学教授を経て現職。著書『ニューヨーク知識人―ユダヤ的知性とアメリカ文化』(彩流社)、『ユダヤ人と大衆文化』(ゆまに書房)他。専攻:ユダヤ文化、比較思想、比較文学。
-
漫画雑誌 COMIC IN THE HOLE vol.0,2
¥1,650
加藤伸吉特集・テーマ「1300年」 発行 リトルプレス 価格 1,500円(税込1,650円) 表紙 カラー / 本文 モノクロ サイズ B5 ページ数 106P vol,0からはじまり、3冊目となる「COIMIC IN THE HOLE vol,0.2」は、内容をバージョンアップ!加藤伸吉特集では、インタビューや作品リストの他に、新作描き下ろし漫画も掲載。 ■CONTENTS■ ・加藤伸吉特集 新作描き下ろし12P / インタビュー / バイオグラフィー ・ネルノダイスキ 「柱」 / 「新しいゲーム」 ・ハスダ 「亀と会った日」 / 「電気たまごゆで器」 ・北村みなみ 「ある小国の叙事」 ・猪原秀陽 「1300年」 ・「1300年持ち歩かれた、なんでもない石」という作品 創刊にあたっての思い(発起人猪原秀陽より) たくさんの人にすぐ伝わって手軽に楽しめる「早い」作品と、どこかの誰かの心の中に長くとどまる「遅い」作品。 どちらも本当に楽しくて最高なんですが、遅い作品はその遅さゆえに評価や対価を得難かったりします。 そういった良い作品ではあるけども「遅い」作品をきちんと評価してたくさんの方に見てもらえるように、また作家がそれに見合った対価を得られるような雑誌を目指していきたいと考えています。
-
漫画雑誌 COMIC IN THE HOLE vol. 0,1
¥1,650
テーマ「いきもの」 発行 リトルプレス 価格 1,500円(税込1,650円) 表紙 カラー / 本文 モノクロ サイズ B5 ページ数 92P 2022年9月1日発行 参加作家 キャットタング鈴原 : さちおくんとスケルトン(描き下ろし) いとうひでみ : Escape(描き下ろし) / 怠惰で優雅な宇宙船生活 髙野F : 「??」シリーズ(ハッピーメモリー) トミムラコタ : カニと楽しい生活 / デパートに行こう(描き下ろし) / 空腹 / サッカー部のいつもハンカチ持ち歩いている田中くんへ(描き下ろし) 猪原秀陽 : We're バッド・アニマルズ「いきもの」(描き下ろし) ※過去作についてはテーマに沿っていない作品もございます。 創刊にあたっての思い(発起人猪原秀陽より) 人に伝わりやすいとか「いいね」がすぐにつくというような意味でのスピード感で言えば、早くてきれいで簡単にカタルシスを得られる作品が対価を受けやすくそれはそれで作家の努力の賜物で素晴らしく、良い作品もたくさんありますが、私がじっと考えて心に浮かんでくる作品の多くは遅い作品で、そのような作品は時間的な制約を受けにくく耐用年数が長いのですが、その「遅さ」ゆえに評価に見合った対価を得難い場合があります。そういった良い作品ではあるけれども遅い作品をきちんと評価し、それに見合った対価を得られるような雑誌を目指していきたいと考えています。楽しんでいただけましたら幸いです。
-
緑の祠|五島諭
¥1,650
現代短歌クラシックス11 発行 書肆侃侃房 四六判変形/並製/144ページ 定価:本体1,500円+税 ISBN978-4-86385-558-8 C0092 装幀:加藤賢策 海に来れば海の向こうに恋人がいるようにみな海をみている 「新鋭短歌シリーズ」での初版刊行からちょうど10年。『緑の祠』以後の作品を増補し、五島諭の全短歌作品を集成した一冊。 「『緑の祠』に、高校の教員になったばかりのころの作品を加えた今回の改訂をもって、短歌の近くに身を置いた時代に、一区切りついたと感じている」(新装版のあとがきより) 【収録歌より】 ミュージックビデオに広い草原が出てきてそこに行きたくなった 物干し竿長い長いと振りながら笑う すべてはいっときの恋 怪物もきれいなほうがいいなあと夕陽に向かってかざす羽箒 身の丈に合わない品はかなしむに足る身の丈に合わない品は 栗の花蹴散らしながら行く道のどこかに君はいないだろうか 【著者プロフィール】 五島諭(ごとう・さとし) 1981年生まれ。2000年早稲田短歌会入会。 同人誌「pool」、ガルマン歌会で活動。
-
窓、その他|内山晶太
¥1,760
現代短歌クラシックス10 発行 書肆侃侃房 四六判変形/並製/168ページ 定価:本体1,600円+税 ISBN978-4-86385-557-1 C0092 装幀:加藤賢策 思い出よ、という感情のふくらみを大切に夜の坂道のぼる 日々の労働と都市で生きる者の日常。他人からすればどうでもよいかもしれない、ただ、見過ごせないことやもの。 静かな内省を基底におきながら、希望と祈りが自然とわきあがる。 現代歌人協会賞を受賞した第一歌集、待望の新装版! 【収録歌より】 たんぽぽの河原を胸にうつしとりしずかなる夜の自室をひらく 口内炎は夜はなひらきはつあきの鏡のなかのくちびるめくる 少しひらきてポテトチップを食べている手の甲にやがて塩は乗りたり 湯船ふかくに身をしずめおりこのからだハバロフスクにゆくこともなし わが胸に残りていたる幼稚園ながれいでたりろうそくの香に 【著者プロフィール】 内山晶太(うちやま・しょうた) 1977年、千葉県生まれ。1998年、第13回短歌現代新人賞。2012年、第一歌集『窓、その他』(六花書林)を刊行。翌年同歌集にて第57回現代歌人協会賞。「短歌人」編集委員。「外出」「pool」同人。現代歌人協会理事。
-
狂伝 佐藤泰志 無垢と修羅|中澤雄大
¥4,180
発行 中央公論新社 初版刊行日2022/4/19 判型四六判 ページ数608ページ 定価4180円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-005530-0 『きみの鳥はうたえる』『海炭市叙景』『草の響き』……芥川賞候補5回、41歳で自死した作家の全作品と膨大な手紙を読解、「1968年」からバブル期の文学状況と世相、作家の抱えた修羅に圧巻の取材で肉薄した、渾身の書き下ろし1500枚
-
映像のポエジア ─刻印された時間|アンドレイ・タルコフスキー
¥1,540
訳 鴻 英良 ちくま学芸文庫 発行 筑摩書房 1,540円(税込) 刊行日: 2022/07/07 判型:文庫判 ページ数:416 ISBN:978-4-480-51130-0 「それ独自の事実のフォルムと表示のなかに刻み込まれた時間―ここにこそ、私にとって芸術としての映画の第一の理念がある」。その理念が有機的統一をもって結晶する“イメージ”。『惑星ソラリス』『鏡』『サクリファイス』など、生み出された作品は、タルコフスキーの生きた世界の複雑で矛盾に満ちた感情を呼び起こす。俳優や脚本のあり方をはじめとする映画の方法は、現代において涸渇した人間存在の源泉を甦らさんとする意図とともに追求された。戦争と革命の時代である二十世紀に、精神的義務への自覚を持ち続けた映画作家の思考の軌跡。 目次 序章 第1章 はじまり 第2章 芸術―理想への郷愁 第3章 刻印された時間 第4章 使命と宿命 第5章 映像について 第6章 作家は観客を探究する 第7章 芸術家の責任 第8章 『ノスタルジア』のあとで 第9章 『サクリファイス』 終章 著者 アンドレイ・タルコフスキー(Andrey Tarkovsky):1932-86年。ロシア(ソ連)の映画監督。ショットの中を流れる時間とそれを表現するリズムに注目し、独自の映像を創出。1984年に亡命。作品に『惑星ソラリス』『鏡』『ノスタルジア』など。映画は人間存在の精神的実在に迫れると確信しながら、映像を文明批評の水準に高めた。86年パリで客死。『サクリファイス』が遺作となる。
-
坂本龍一 音楽の歴史 : A HISTORY IN MUSIC
¥3,300
通常版 発行 小学館 発売日 : 2023/2/21 単行本 : 448ページ ISBN-13 : 978-4093888820 19.4 x 13.6 x 3 cm 世界的音楽家坂本龍一の「音楽活動の記録」 生誕70年記念!特別評伝 世界的音楽家坂本龍一の生誕から現在までの人生における音楽の歴史と活動のすべてを包括した唯一の「音楽活動の記録」。 長年にわたり坂本龍一を取材してきたライターの吉村栄一が、自ら記録したその貴重な肉声と未公開エピソードを満載。加えてこれまで発表された雑誌、新聞、ライナーノーツなど数多のインタビューを踏まえ、執筆2年を経て書き上げた渾身の「音楽活動の歴史」。
-
ダブリンの人びと|ジェイムズ・ジョイス
¥1,100
訳 米本義孝 発行 筑摩書房 シリーズ:ちくま文庫 1,100円(税込) 刊行日: 2008/02/06 判型:文庫判 ページ数:480 ISBN:978-4-480-42410-5 暗澹は滑稽に通じる 20世紀初頭に書かれた、『姉妹』から『死者たち』までの15篇を収めた初期の短篇集。ダブリンに住む人びとの日常が淡々と綴られていく。人間の姿をリアルに描くことで、その愚かしさ、醜さ、滑稽さを際立たせ、陰鬱のなかに喜劇の要素があることを示した芸術性の高い作品。各短篇のていねいな注釈、解説、地図を付した。リズミカルで斬新な新訳。 著者 ジェイムズ・ジョイス 1882−1941 アイルランド出身の小説家。人間の内面をえぐる、独自の「内的告白」や「意識の流れ」の手法を生み出し、20世紀文学世界に革命的な新境地を開く。母国を捨ててヨーロッパ各地をさまよいながら、終生故郷のダブリンとそこに住む人びとを描き続けた。
-
という、はなし|吉田篤弘
¥880
発行 筑摩書房 880円(税込) 刊行日: 2016/12/07 判型:文庫判 ページ数:128 ISBN:978-4-480-43409-8 私たちは、いろいろなところで本を開く。電車で、ベッドで、公園のベンチで、縁側で、喫茶店で、お風呂で…。なぜそこで本を読んでいるのか、何を読んでいるのか、何を感じているのか。そこには、ひとつひとつ異なる物語がある。そしてもちろん、開いた本の中にもまた別の物語があるだろう。フジモトマサルが描いた読書の風景から吉田篤弘が紡いだ物語が24。星空を眺めるごとく味わえる物語集。 著者 吉田 篤弘 1962年東京生まれ。主な著作に『つむじ風食堂の夜』『針がとぶ Goodbye Porkpie Hat』『百鼠』『空ばかり見ていた』『78ナナハチ』『小さな男*静かな声』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『圏外へ』『パロール・ジュレと紙屑の都』『水晶萬年筆』『モナ・リザの背中』『電氣ホテル』『ソラシド』『レインコートを着た犬』などがある。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作と装幀の仕事も行なっている。
-
短歌ムック ねむらない樹 vol.10
¥1,650
発行 書肆侃侃房 A5、並製、272ページ 定価:本体1,500円+税 ISBN978-4-86385-562-5 C0492 装幀:成原亜美 装画:東直子 ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす(笹井宏之) 特集=第5回笹井宏之賞発表/15年目の笹井宏之 【特集1 第5回笹井宏之賞発表】 ◎大賞 左沢森「似た気持ち」、瀬口真司「パーチ」 ◎大森静佳賞 中村育「風は吹く、無数の朝」 ◎染野太朗賞 手取川由紀「羽化のメソッド」 ◎永井祐賞 野川りく「遡上 あるいは三人の女」 ◎野口あや子賞 八重樫拓也「晩年」 ◎Moment Joon賞 橙田千尋「Liminal」 ◎選考座談会 大森静佳×染野太朗×永井祐×野口あや子×Moment Joon 最終選考候補作 【特集2 15年目の笹井宏之】 第一歌集『ひとさらい』が2008年に刊行されてから15年。彗星のように短歌の世界に登場し、26歳で生涯を終えた歌人笹井宏之。作歌期間は4年半しかなかったが、その間に数々のみずみずしい歌を遺した。没後10年となる2019年には笹井宏之賞が創設され、短歌の登竜門となっている。10号の節目にいま一度彼の足跡を追う、全130ページの大特集。 ◎座談会「笹井宏之という歌人の自由さとは何だったのか」 穂村弘×東直子×土岐友浩 ◎インタビュー 筒井孝司・和子 「音楽と短歌、そして仲間に支えられた日々」 ◎論考 瀬戸夏子「名づけられないままに象徴となってしまうこと」 山田航「ゼロ年代文化の中の笹井宏之」 江戸雪「はっさくになりなさい──『ひとさらい』再読」 ◎エッセイ 宇都宮敦「「ちかく」の〈やかん〉と「とおく」の〈公務〉」 伊藤一彦「笹井さんと言葉」 荻原裕幸「ひろゆきの名を」 吉川宏志「『ひとさらい』評釈の試み」 斉藤斎藤「俺の勝手」 しんくわ「碗琴」 生田亜々子「純粋ファンです」 今泉洋子「笹井宏之さんとの思い出を辿って」 森戸孝子「あなたへ伝えたいこと、そしてつないでほしいこと」 平原奈央子「内なる宇宙と現実の汽水域」 須藤歩実「笹井宏之と彼を支えた仲間たち」 森山希代子「ふるさと、家族の懐に育まれて」 ◎アンケート 私の好きな三首 笹公人「40歳の笹井宏之」 戸田響子「渇望の記憶」 伊舎堂仁「むだづかい」 橋爪志保「ぜいたくな力」 水野葵以「雨と月とワームホール」 笹川諒「言葉の世界による救済」 ◎未発表作品 短歌50首(加藤治郎選) 詩12篇(「ぽろぽろ」「どこかの交差点で」「オレンジ」「眠れない夜」「祈り」「夢見る雨上がり」「しるし」「こんな世界でも」「言葉を書こう」「まぶた」「夢」「羽化」) 俳句/川柳20句(編集部選) エッセイ「ことばは雨のようだ」「夏の匂い」 小説「水葬の街」 ◎詩 筒井孝徳「長い沈黙」 【特集3 2022年の収穫アンケート】 水原紫苑 枡野浩一 千葉聡 藪内亮輔 石川美南 尾崎まゆみ 松村正直 【作品20首】 toron*「エンドユーザー」 木下侑介「ヘッドホン・トラックス」 佐々木朔「Rain rader」 帷子つらね「cue (all about a fiction)」 田村穂隆「玉眼」 佐藤弓生「ささがにの」 魚村晋太郎「天職」 奥田亡羊「俗武者」 石井僚一「○」 【巻頭表現】 大白小蟹 【特別掲載】 涌田悠「生まれ続ける未知のよろこび──『千年とハッ』創作レポート」 金子冬実「しずくひとつ、取りさった幸福──葛原妙子の文箱から」 【書評】 山下翔「変われないもの」……『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』(山田航) 山崎聡子「恍惚として、うたを」……『山中智恵子歌集』(水原紫苑編) 渡辺松男「カテゴライズからの自由」……『ヘクタール』(大森静佳) 奥村知世「美と不穏」……『ゴダールの悪夢』(尾崎まゆみ) 千葉聡「驚かされました」……『海辺のローラーコースター』(加藤治郎) 井上法子「わたしたちのまわりは、」……『オールアラウンドユー』(木下龍也) 小野田光「言葉にする静かな楽しさ」……『うすがみの銀河』(鈴木加成太) 久石ソナ「映画のような日常を暮らす」……『永遠よりも少し短い日常』(荻原裕幸) 黒瀬珂瀾「忘れものというたまもの。」……『岡井隆の忘れもの』(岡井隆) 西村曜「適当な距離」……『アップライト』(鯨井可菜子) 大井学「謎と問い」……『memorabilia/drift』(中島裕介) 虫武一俊「人生という瞬間」……『weathercocks』(廣野翔一) 【歌人の一週間】 伊豆みつ 手塚美楽 廣野翔一 谷川電話 【忘れがたい歌人・歌書】 林和清「四倍(クアドラプル)になる世界」 【文鳥は一本脚で夢をみる⑩】 梅﨑実奈「いにしえを背負う者」 【ねむらない短歌時評⑩】 寺井龍哉「時にはむかしの話を」 【短歌に近づく⑤】 細馬宏通「ひらかなの激情」 【読者投稿欄】 選者=内山晶太、花山周子 (テーマ:「電」もしくは自由)
-
●訳者サイン本 インディアナ、インディアナ|レアード・ハント
¥2,320
●訳者サイン本 訳 柴田元幸 発行 twililight 四六変型判 縦194mm 横123mm 厚さ2mm 256ページ 仮フランス装 価格 2,100円+税 ISBN978-4-9912851-1-0 初版年月日 2023年3月2日 “切れぎれの回想、現在のノアの心理、オーパルからの手紙、ノアの父ヴァージルや母ルービーをめぐる一連の奇妙な逸話…。 事実は見えなくても、ノアの胸に満ちる強い喪失感は、一ページ目からはっきり伝わってくる。その静かな哀しみが、ノアと猫たちとのどこかとぼけたやりとりや、ノアの父親ヴァージルのやたらと衒学的な物言いなどから浮かび上がる淡いユーモアと絶妙に混じりあい、それらすべてが、文章教室的規範から逸脱することを恐れない自在の文章で語られることによって、この作品を、昨今の小説には稀な、とても美しい小説にしている。”(訳者・柴田元幸) 哀しみを抱えるすべての人へ。 2006年刊行の「とても美しい小説」を復刊しました。 著者 レアード・ハント 一九六八年シンガポール生まれ。少年時代に祖母の住むインディアナの農場に移り、ここでの体験がのち小説執筆の大きなインスピレーションとなる。これまでに『インディアナ、インディアナ』『優しい鬼』『ネバーホーム』(以上、邦訳朝日新聞出版)、The Evening Road など長篇九冊を刊行。『ネバーホーム』は二〇一五年フランスで新設された、優れたアメリカ文学仏訳書に与えられるGrand Prix de Littérature Américaine第一回受賞作に。最新作Zorrie (2021)は全米図書賞最終候補となる。現在、ブラウン大学教授。 訳 柴田元幸 1954年、東京生まれ。米文学者、翻訳家。『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞、『メイスン&ディクスン(上・下)』(トマス・ピンチョン著、新潮社)で日本翻訳文化賞、2017年には早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。文芸誌『MONKEY』の責任編集も務める。
-
シュークリーム|内田百閒
¥2,200
SOLD OUT
本のともしび5 監修 山本善行 発行:灯光舎 縦183mm 横123mm 厚さ12mm 160ページ 上製 定価 2,000円+税 ISBN978-4-909992-54-3 初版年月日2023年3月10日 書物の愛好家はもとより、作者や作品ないしは読書そのものへの入り口にしてほしいという想いのもと、「小品」をコンセプトに刊行してきた「灯光舎 本のともしび」第1期最終巻。 第1期の最後を飾るのはいまも根強いファンが多い文豪・内田百閒。敬愛してやまなかった師・夏目漱石にお金を借りに行く諧謔のきいた随筆から古郷・岡山と祖母のおもかげを語る小話「シュークリーム」など7作品を収録。 どことなく悲しさを感じる百閒独特のユーモアや、収録作「昇天」に感じる怪奇的な世界観など百閒文学の旨みを凝縮した1冊。本や文学に親しむきっかけを与えてくれる小品集です。 収録作 ・漱石先生臨終記 ・長春香 ・昇天 ・掻痒記 ・乱れ輪舌FOT ・寺田寅彦博士 ・シュークリーム 著者プロフィール 内田百閒(うちだ・ひゃっけん)1889―1970 岡山県生まれ。本名・栄造。15歳のときに親友・堀野寛と出会い、堀野を通じて読書の趣味に目覚める。翌年、夏目漱石の『吾輩は猫である』上篇を読み、漱石に傾倒。19歳のころには俳句熱が高まって、俳諧一夜会や苦渋会という句会を結成。岡山近郊の百間川から俳号を「百間」とした。1910年、東京帝国大学文科大学へ入学。翌年2月に、静養中だった漱石を訪ねる。漱石の面会日「漱石山房」に出席するようになり、小宮豊隆、津田青楓、森田草平、芥川龍之介、久米正雄などと知り合う。以後、陸軍士官学校や法政大学で教鞭をとる。1920年には、作曲家・筝曲家の宮城道雄に知遇を得て親交が続く。同年、幼少期より寵愛を受けてきた祖母の竹が死去。1922年、はじめての著作集『冥途』を稲門堂書店より刊行。翌年、関東大震災に遭い、『冥途』の印刷紙型を焼失してしまう。1933年に三笠書房から『百鬼園随筆』を刊行してから、『冥途』の再劂版や第二創作集『旅順入城式』(岩波書店)、『百鬼園俳句帖』(三笠書房)などを刊行。その他、『贋作吾輩は猫である』(新潮社)、『ノラや』(文藝春秋社)など多数の書籍、作品を発表する。1965年には、これまでの功績を評価され芸術会員に推薦されながらも「いやだから、いやだ」とそれを辞退。それからも『麗らかや』『残夢三昧』(いずれも三笠書房)などを著す。多くの名筆を世に刻み、1971年4月20日に逝去。 監修 山本善行(やまもと よしゆき)(1956–) 大阪府生まれ。関西大学文学部卒。書物エッセイスト。 2009年、京都銀閣寺近くに「古書善行堂」オープン。 著書に『関西赤貧古本道』(新潮社)、『古本のことしか頭になかった』(大散歩通信社)、『定本古本泣き笑い日記』(みずのわ出版)、編者として上林曉の『星を撒いた街』、『故郷の本箱』、『埴原一亟古本小説集』(以上、夏葉社)、黒島伝治『瀬戸内海のスケッチ』(サウダージ・ブックス)など。
-
銀河|Kent Funayama
¥1,100
リトルプレス 発行:Born In Winter label 発売日:2023年3月1日(水) 文庫判(86P) 価格:1,100円(税込) ミュージシャン、Kent Funayamaによる随筆集。 詩、歌詞、エッセイ、日記、短歌、写真を収録。 混じりっけのない100%澄んでいて熱い、そして時々笑ってしまう。 独自の眼差しで書かれれた純度の高い言葉。 自身のレーベルBorn In Winter labelから発行。 目次 詩(一) エッセイ 短歌 JUST LIKE HONEY 日記 二〇二一年・夏と秋 歌詞 Other Than War 詩(二) あとがき
-
書きたい生活|僕のマリ
¥1,540
●特典ペーパーの配布は終了しました 発行 柏書房 出版年月日 2023/02/22 ISBN 9784760155101 判型・ページ数 4-6・165ページ 定価 本体1,400円+税 鮮烈なるデビュー作『常識のない喫茶店』、その正統な続編にして完結編がついに刊行!卒業後の日々を描く、作家としての新たな一歩。 言わなかったことや言えなかったことが、 なかったことにならないでほしい。 そう思い続けて、そう思うから、 そう思っていることを、 わたしはずっと書いてきたのかもしれない。 ――本文より 2021年9月、『常識のない喫茶店』で鮮烈なデビューを果たした僕のマリ。 一度の滞在でクリームソーダを三杯続けて飲む猛者、 お気に入りの店員にスケスケのタイツをプレゼントする中年、 来るたびに小さな灰皿を盗む男とゆで卵用の塩入れを盗む連れの女、 あるいは…… 他の客に席を譲らない老人と喧嘩する(これまた老人の)マスター、 暴言を吐く半グレ風男性客を店の外まで追いかける同僚のしーちゃん、 ゴミを持ち込んだ客に「うちもいらないです」と突き返すわたし。 そんな刺激的すぎる毎日をストレートに綴ったエッセイは、 「仕事だから我慢しろ」「店員なら耐えろ」といった声が一部ありながらも、 「救われた」「勇気をもらった」という大きな共感とともに受け入れられた。 理不尽なクレームと闘い、自らが信じる正しさを貫く著者の物語は、 過去に負った傷を癒やす「再生の物語」そのものだった。 本の刊行後、その翌月には喫茶店を卒業し、長く住んだ街を引っ越した。 パートナーと暮らしながら、週に何回かバイトしつつ、やはり文章を書いている。 今回の本には、卒業までの日々と、卒業後の生活が瑞々しく描かれている。 ちっぽけであたたかな日常ほど忘れたくない。 書き留めておくことで、きっとまた前に進める。 そんな静かな決意とともに放つ、作家としての新たな一歩。 『常識のない喫茶店』の正統な続編にして完結編、ついに刊行! 僕のマリ 〈ぼくのまり〉1992年福岡県生まれ。2018年活動開始。同年、短編集『いかれた慕情』を発表。同人誌即売会で作品を発表する傍ら、商業誌への寄稿も行う。2021年9月に出版した『常識のない喫茶店』(柏書房)は「キノベス!2022」6位にランクイン。その他の著書に『まばゆい』(本屋lighthouse)がある。 Twitter: @bokunotenshi_
-
詩と散策 시와 산책 Poetry and Walks|ハン・ジョンウォン
¥1,760
SOLD OUT
橋本智保 訳 発行 書肆侃侃房 四六変形並製、152ページ 定価:本体1,600円+税 ISBN978-4-86385-560-1 C0098 装幀 成原亜美(成原デザイン事務所) 装画 日下明 散歩を愛し、猫と一緒に暮らす詩人ハン・ジョンウォンが綴るエッセイ 雪の降る日や澄んだ明け方に、ひとり静かに読みたい珠玉の25編 オクタビオ・パス、フェルナンド・ペソア、ローベルト・ヴァルザー、シモーヌ・ヴェイユ、パウル・ツェラン、エミリー・ディキンソン、ライナー・マリア・リルケ、シルヴィア・プラス、金子みすゞ、ボルヘス…… 『詩と散策』は、著者のハン・ジョンウォンがひとり詩を読み、ひとり散歩にでかけ、日々の生活の中で感じたことを記している、澄みきった水晶のようなエッセイ集だ。読者は、彼女の愛した詩人たちとともに、彼女が時折口ずさむ詩とともに、ゆっくりと散歩に出かける。 【本文中に出てくる詩人や作家たち】 オクタビオ・パス/フェルナンド・ペソア/ウォレス・スティーヴンズ/アーチボルト・マクリーシュ/ローベルト・ヴァルザー/シモーヌ・ヴェイユ/パウル・ツェラン/セサル・バジェホ/ガブリエラ・ミストラル/ヘンリー・デイヴィッド・ソロー/カミュ/源信明/ウラフ・H・ハウゲ/エミリー・ディキンソン/アンナ・アフマートヴァ/ライナー・マリア・リルケ/フォルーグ・ファッロフザード/シルヴィア・プラス/チェ・ヨンミ/金子みすゞ/ジョージ・ゴードン・バイロン/ボルヘス 【著者プロフィール】 ハン・ジョンウォン 한정원 大学で詩と映画を学んだ。 修道者としての人生を歩みたかったが叶わず、今は老いた猫と静かに暮らしている。 エッセイ集『詩と散策』と詩集『愛する少年が氷の下で暮らしているから』(近刊)を書き、いくつかの絵本と詩集を翻訳した。 【訳者プロフィール】 橋本智保(はしもと・ちほ) 1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。 訳書に、キム・ヨンス『夜は歌う』『ぼくは幽霊作家です』(新泉社)、チョン・イヒョン『きみは知らない』(同)、ソン・ホンギュ『イスラーム精肉店』(同)、ウン・ヒギョン『鳥のおくりもの』(段々社)、クォン・ヨソン『レモン』(河出書房新社)『春の宵』(書肆侃侃房)、チェ・ウンミ『第九の波』(同)ユン・ソンヒほか『私のおばあちゃんへ』(同)など多数。
-
たましひの薄衣|菅原百合絵
¥2,200
発行 書肆侃侃房 四六判、上製、144ページ 定価:本体2,000円+税 ISBN978-4-86385-561-8 C0092 装丁:須山悠里 表紙写真:アンダース・エドストローム 栞:水原紫苑 野崎歓 星野太 ほぐれつつ咲く水中花――ゆつくりと死をひらきゆく水の手の見ゆ 満を持して刊行される、菅原百合絵待望の第一歌集。 人間が荒れ狂う今世紀にこのような美しい歌集が生まれたことをことほぎたい。 ────水原紫苑 静謐で深い歌の探求が続けられていたことに胸を打たれる。 ────野崎歓 【収録歌より】 ネロ帝の若き晩年を思ふとき孤独とは火の燃えつくす芯 たましひのまとふ薄衣(うすぎぬ)ほの白し天を舞ふときはつかたなびく 水差し(カラフ)より水注(つ)ぐ刹那なだれゆくたましひたちの歓びを見き 一生は長き風葬 夕光(ゆふかげ)を曳きてあかるき樹下帰りきぬ 「わたしの夫(モン・マリ)」と呼ぶときはつか胸に満つる木々みな芽ぐむ森のしづけさ 【著者プロフィール】 菅原百合絵(すがわら・ゆりえ) 1990年生まれ。東京出身。「東京大学本郷短歌会」「パリ短歌クラブ」元会員(現在いずれも解散)。「心の花」会員。パリ・シテ大学(旧パリ第七大学)博士課程修了。専門は18世紀フランス文学。
-
さよならシティボーイ|すなば
¥2,200
● 特典ペーパー付 書下ろし散歩エッセイ『東京区境散歩』 発行 トーキョーブンミャク B6サイズ/328P ■Produce:西川タイジ ■Book Design:近成カズキ photo :三浦希/アベハルカ/すなば model:ネネネ 『あんなカーテンがほしいと空をみて』 都市に暮らす、文章を奏でる。まさに読むシティポップと呼べる作品が完成致しました。 是非、著者のリズムやグルーヴ、言葉から溢れる情景を味わって頂ければ幸いです。 甘酸っぱかったり辛かったりした10代の記憶、日々の暮らし、命について、詩、自由律俳句、映画、インターネット、BUMP OF CHICKEN、銭湯とサウナ、コロナ禍とまさかの感染、沖縄、小豆島、京都への旅行記など、著者のこれまでを網羅した渾身のエッセイ集。 ラストを締めくくるのは、本書の記憶を巡るような短編『夜の二人』。そして、巻末には著者と長く親交を深めるライターの生湯葉シホさんに解説を書き下ろして頂いております。最後までお楽しみください。 ※本書は著者のブログ『僕の詩を返せ』や各種SNSで公開された随筆等を加筆・修正し書き下ろしを加えたものです。 ■著者/写真 ・すなば 1991年生まれ。広島県出身。東京在住。 会社員として働く傍ら文筆家として活動。エッセイのほか小説、短歌、自由律俳句なども発表している。海とシティが好き。 共著『エンドロール』(PAPER PAPER)、寄稿『飛ぶ教室 第57号』(光村図書出版)など。今作が初の単著となる。 https://twitter.com/comebackmypoem ■解説 ・生湯葉シホ ライター / エッセイスト。1992 年生まれ。飼っている亀が22 歳になった。 https://note.com/chiffon_06 ブログ「湯葉日記」: http://yubalog.hatenablog.com
-
●特典ペーパー付 ミスドスーパーラブ
¥1,650
●特典ペーパー付 発行 トーキョーブンミャク A5サイズ/フルカラー/160P Cover:カトウトモカ All Menu Photo:すなば Produce:西川タイジ Book Design:近成カズキ Special Thanks:桜木彩佳 ミスドに愛を叫ぶアンソロジー『ミスドスーパーラブ』。 豪華クリエイター陣によるグラフィック、短歌、小説、童話、エッセイ、ヴィジュアル作品で表現されたドーナツ、パイ、飲茶など26のメニューが収録されています。 おやつのお供にぴったりな一冊。ミスドに行く前にも行った後にも。 あなたのいつものお気に入り、新しいお気に入りを是非見つけてください。 各話には、タイトルのドーナツの写真・イラストもそれぞれ収録しておりますので見ても読んでも楽しめるスタイルとなっております。 ■収録メニュー/参加クリエイター ・『表紙』カトウトモカ ・『生きてるだけでパーティ』(ビジュアル作品)イリエナナコ×小出薫×小野紗友美 ・『ポン・デ・リング』eri ・『ポン・デ・黒糖』夜夜中さりとて ・『ポン・デ・ストロベリー』ごはんとアパート ・『オールドファッション』mayan ・『チョコファッション』ネネネ ・『オールドファッション ハニー』まりさん ・『フレンチクルーラー』オルタナ旧市街 ・『エンゼルフレンチ』田中泉 ・『ストロベリーカスタードフレンチ』櫻井朋子 ・『ハニーディップ』吉玉サキ ・『シュガーレイズド』西川タイジ ・『チョコリング』アベハルカ ・『ストロベリーリング』青. ・『エンゼルクリーム』鶴見 ・『カスタードクリーム』堀静香 ・『チョコレート』すなば ・『ココナツチョコレート』西川☆タイジ ・『ダブルチョコレート×ホットチョコレート』小林えみ ・『ゴールデンチョコレート』けんず ・『ハニーチュロ』なつめ ・『ドーナツポップ』サトウリョウタ ・『エビグラタンパイ』まーしゃ ・『ホット・セイボリーパイ BBQフランクフルト』旦 ・『汁そば』ひらいめぐみ ・『きなこボール』野菜/イラスト:カトウトモカ ・『ブラン』友田とん/イラスト:カトウトモカ ・『君がここに着く前に』(ビジュアル作品)すなば×三浦希
-
● サイン本 ナンセンスな問い 友田とん エッセイ・小説集Ⅰ|友田とん
¥2,200
SOLD OUT
● サイン本 ● 特典ペーパー、ポストカード付 発行 エイチアンドエスカンパニー(H.A.B) 装画:土屋未久 装丁・組版:中村圭佑 本体価格:2000+税(予価) 判型:四六判変形(121×178mm),216頁 デザイン:上製本 ISBN:9784910882017 Cコード:0095 発売:2023年2月 本屋には行く。なぜなら、体にいいからだ。 「ナンセンスな問いに私は駆り立てられる。そこには意味など何もないし、問うたところで社会が変わるというようなものでもない。しかし、しばしば当然と思っているところに風穴を空けてくれることがある。問わなければ気づきもしなかったことが、初めて目に留まる。いつもの日常がちょっと違って見えてくる。世界が可笑しさに満ちてくる。満ちてきたらどうなのだと言われると、困ってしまうが、困ったなあと言いながら、私は今日もナンセンスな問いを発している。」 『『百年の孤独』の孤独を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』の著者による、待望の作品集。 連作エッセイ「本屋に行く」、小説「私の応援狂時代」ほか、各媒体に掲載された作品に書き下ろしを加えて単行本化。 友田とん(ともだとん) 作家、編集者。京都府生まれ。可笑しさで世界をすこしだけ拡げるひとり出版レーベル「代わりに読む人」代表。博士(理学)。 大学では経済学、大学院では数学(位相幾何学)を研究し二〇〇七年に博士(理学)を取得。企業でコンピュータサイエンスの研究者・技術者として勤務する傍ら、『『百年の孤独』を代わりに読む』を文学フリマ東京で発表。同書を書店に置いてもらうため営業(行商)しながら全国を巡る。その後、「代わりに読む人」を立ち上げ、独立。自著のほか『うろん紀行』(わかしょ文庫)、『アドルムコ会全史』(佐川恭一)、文芸雑誌『代わりに読む人』を刊行している。 著書に『『百年の孤独』を代わりに読む』『パリのガイドブックで東京の町を闊歩する』シリーズ(代わりに読む人)。共著に『ふたりのアフタースクール ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(双子のライオン堂)。ほか、寄稿多数。
-
歌集副読本『老人ホームで死ぬほどモテたい』と『水上バス浅草行き』を読む|上坂あゆ美/岡本真帆
¥1,320
発行 ナナロク社 発売日 2023/02/22 ページ数 160p ISBN 978-4-86732-018-1 2つの出版社(ナナロク社と書肆侃侃房)の2022年の話題の歌集2冊の著者が、 互いの本を語りぬいた一冊。 両方読んだ方、片方だけの方、まだ読んでいない方にも、 歌集を読む楽しさが愛情たっぷり伝わる「副読本」です! ▼構成▼ ・『老人ホームで死ぬほどモテたい』の上坂あゆ美が語る『水上バス浅草行き』評 ・『水上バス浅草行き』の岡本真帆が語る『老人ホームで死ぬほどモテたい』評 ・新作短歌と書き下ろしエッセイ 収録