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発行 書肆侃侃房
四六判、並製、240ページ
定価:本体2,000円+税
ISBN978-4-86385-563-2 C0095
日本の現代文学が海外の読者の目に触れるようになったのは、
いつ、いったいどのようにして?
次々に明らかになっていく戦前戦後の日本文学への知られざるまなざし。推理ドラマをひもとくようなスリリングな展開に思わず読み進まずにいられない。
村上春樹、多和田葉子、小川洋子、川上未映子へと続く、海外における日本文学人気の源泉はどこにあるのか。
著者はイギリスの「エンカウンター」誌に掲載された吉田健一による英文書評記事を目にしたことをきっかけに、海外において日本文学が受容され人気を得た過程に強い関心を抱く。1950年代の新聞・雑誌を読み継ぎ、太宰治の英訳作品、小林多喜二の『蟹工船』と辿るうちに、著者は日本文学を照らし出す海外からの光を見い出す。
小林多喜二の『蟹工船』が日本の現代作品で初めて英訳出版されたのはなぜか、そしてドナルド・キーンに並ぶ戦後の日本文学人気の立役者、エドワード・サイデンステッカーと川端康成『雪国』の関係とは。
海外の日本文学発掘の経緯をひもとき、日本現代文学史に新たな視野をもたらす一冊。
【もくじ】
序章 キーン、サイデンステッカー、角田
Ⅰ 大戦前 戦略としての文学
第1章 国際文化振興会と角田柳作
1 『現代日本文学概説』/2 国際文化振興会の試み/3 角田柳作の努力
第2章 国際共産主義と『蟹工船』
1 最初に英語に訳された現代日本文学/2 ビカートン/3 秘密裏の英訳/4 海外出版へ
第3章 宣伝としての『麦と兵隊』
1 アメリカでの出版/2 改変された原文/3 日本の新聞報道/4 キーンの評価
Ⅱ 大戦後 キーンとサイデンステッカー再上陸
第4章 日本文学者ドナルド・キーンの誕生
1 ドナルド・キーン著『日本の文学』の書評/2 推測される書評掲載の経緯/3 『日本の文学』と書評の中身
第5章 文化自由会議とサイデンステッカー
1 文化冷戦と「文化自由会議」/2 CIAとユダヤ人の共同/3 「エンカウンター」誌とサイデンステッカー/4 「自由」誌と日本文化フォーラム
第6章 「エンカウンター」誌が伝えた戦後日本
1 メルヴィン・ラスキーの日本レポート/2 サイデンステッカーの東京/3 ハーバート・パッシンの見た日本の雑誌事情
Ⅲ 新たな日本文学ブーム
第7章 クノップフ社の「日本文学英訳プログラム」
1 ハロルド・ストラウスの目論み/2 二つの財団の資金援助/3 ストラウスの日本文学探訪/4 英訳プログラム始動/5 クノップフ社という出版社
第8章 高まりゆく日本文学への関心
1「アトランティック」誌の日本特集/2「伊豆の踊子」の抄訳
3 二つの日本文学論
〈中島健蔵〉
〈サイデンステッカー〉
第9章 一九五五年、英訳プログラム始動
1 大佛次郎の「帰郷」/2 谷崎潤一郎「蓼食う虫」/3 英訳の経緯と反響/4 サイデンステッカーの序文
第10章 川端康成『雪国』
1 川端との出会い/2 翻訳の妙味/3 アメリカでの評判
終章
【著者プロフィール】
堀邦維(ほり・くにしげ)
日本大学特任教授。
1954年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。ケンブリッジ大学客員研究員、日本大学教授を経て現職。著書『ニューヨーク知識人―ユダヤ的知性とアメリカ文化』(彩流社)、『ユダヤ人と大衆文化』(ゆまに書房)他。専攻:ユダヤ文化、比較思想、比較文学。
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