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遠くの街に犬の吠える|吉田篤弘

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ちくま文庫
814円(税込)
Cコード:0193
刊行日: 2020/09/10
ページ数:256
ISBN:978-4-480-43691-7

差し出した掌へはらはらと舞い降りてくる白い小さな花びらのようなものは、萬年筆の青インクがにじんだ文字の断片をのせた、ちぎれた便箋だった―消えゆく声、届かなかった言葉、過去の音、コーヒー、古びたビルディング、屋上…いくつもの偶然によって織りあげられる吉田篤弘の世界。秘められた恋と、ささやかな冒険のものがたりが始まる。著者による解説「遠吠えの聞こえる夜」収録。

吉田 篤弘
1962年東京生まれ。主な著作に『つむじ風食堂の夜』『針がとぶ Goodbye Porkpie Hat』『百鼠』『空ばかり見ていた』『78ナナハチ』『小さな男*静かな声』『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『圏外へ』『パロール・ジュレと紙屑の都』『水晶萬年筆』『モナ・リザの背中』『電氣ホテル』『ソラシド』『レインコートを着た犬』などがある。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作と装幀の仕事も行なっている。

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