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衣巻省三作品集 街のスタイル

¥3,850 税込

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山本善行 撰

発行 国書刊行会
発売日 2024/01/23
判型 四六変型判 ISBN 978-4-336-07564-2
ページ数 432 頁 Cコード 0093
定価 3,850円 (本体価格3,500円)

衣巻省三は馬込村文士の一員として、盟友・稲垣足穂とともに幻想味のある作風が高く評価されたモダニズム作家・詩人。モダニズムの華やかなりし昭和初期にボン書店などから刊行された著書はいずれも稀覯本。戦後は容易に読むことができない状態が続き、これまで幻の作家とされてきた。
左川ちかや北園克衛などのモダニズム文学が読み継がれるなか、マイナーポエットの雄として古本通から注目が集まる。モダンな雰囲気のなかにも、清冽な叙情とある種の悪戯心に溢れた詩作品、幻想味からメタフィクションまで作風の広い中短篇など、現代の読者が読んでも不思議な輝きを感じさせる。
長篇小説「けしかけられた男」は第一回芥川賞の有力候補になり、足穂や左川のほかにも、これまで萩原朔太郎、伊藤整、川端康成などが高く評価してきた。意外なところでは名フォーク歌手の高田渡が詩「アイスクリーム」を取り上げている。

本書は古本ソムリエ・山本善行氏の撰による、令和の世に贈る90年ぶりのオリジナル作品集である。

著者紹介
衣巻省三 (キヌマキ・セイゾウ)
(1900年-1978年)詩人・小説家。兵庫県に素封家の子弟として生まれる。中学時代に稲垣足穂と親友になり、二人で佐藤春夫に師事。早稲田大学中退後に詩人としてデビュー、伊藤整、左川ちか、北園克衛らと文学運動を展開。しだいに創作に移り、抒情小説/モダニズム/幻想文学など幅広い作風のもと清冽な魅力にあふれた作品群を発表。第一回芥川賞候補になった長篇『けしかけられた男』(1935-36年)はジッドばりのメタフィクションで、川端康成が評価するも受賞を逃す。
大正末から住んだ馬込文士村の邸宅には稲垣足穂が居候。近所の萩原朔太郎、室生犀星などと親しく交わり、朔太郎のエッセイにも描かれる。戦後は寡作となり、しみじみした味わいの随筆などを同人誌に発表した。
◎生前の単行本(1928年~1937年)
小説『黄昏学校』(版画荘)、『パラピンの聖女』(金星堂)、詩集『こわれた街』(詩之家出版部)、『足風琴』(ボン書店)

山本善行 (ヤマモト・ヨシユキ)
大阪府生まれ。古書店「古書善行堂」店主、書物雑誌「sumus」編集人代表。
著書に『定本 古本泣き笑い日記』『関西赤貧古本道』など。
編書に『上林暁傑作小説集 孤独先生』『上林曉傑作小説集 星を撒いた街』『文と本と旅と 上林曉精選随筆集』「灯光舎 本のともしび」短編集シリーズ(寺田寅彦、田畑修一郎、中島敦、堀辰雄、内田百閒)など。
共著に『漱石全集を買った日』『新・文學入門』などがある。

目次
詩 
「こわれた街」
「足風琴」
小説
「プリマドンナ」
「ポオの館」
「雨の街」
「落ちたスプウン」
「どこの町」
「キッドの靴」
「陋巷」
「街のスタイル」
「歪められた景色」
撰者あとがき

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