open 12-19|水木定休
11 fri. 17時閉店
18 fri. 16時閉店
20 sun. 店内イベント|笹久保伸
4/20(日) 笹久保伸
19:00/19:30 ¥3,500+1D
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迷うことについて|レベッカ・ソルニット
¥2,640
SOLD OUT
翻訳:東辻賢治郎 装幀:松田行正+杉本聖士 定価:本体2400円+税 四六判上製/236ページ 2019年5月30日 978-4-86528-234-4 わたしたちはいつだって迷っている。夜明け前が一番暗いと知っているけど、その暗さに耐えられるときばかりじゃない。失われたもの、時間、そして人びと。個人史と世界史の両方に分け入りながら、迷いと痛みの深みのなかに光を見つける心揺さぶる哲学的エッセイ。 全世界を見失うがよい、迷いながら自分の魂を見出だすのだ。ーーH・デヴィッド・ソロー。 いにしえの哲学者は「それがどんなものであるかまったく知らないものを、どうやって探求しようというのか」と問うた。 一見、この問いはもっともだ。でも、いつだってわたしたちが探しているのは、どんなものかまったくわからないものだ。 進むべき道に迷い、〈死の谷〉で帰り道を見失い、愛の物語はガラスのように砕け散る。 脚本はついに一文字も書かれず、囚われ人は帰ってこない……。 旧大陸からやってきて、いつしかアメリカ西部のどこかに姿を消した曽祖母。 たどり着いた新大陸を10年にもわたってさまよった最初期の入植者カサ・デ・バカの一行。 嵐のような10代の冒険をともに過ごし、ドラッグで命を落とした親友。 ルネサンス以来描かれるようになった〈隔たりの青〉。 かつて愛した砂漠のような男。 父との確執。 ソルニット自身の人生と、アメリカを中心とした歴史と文化史に視線を向けて、 メノンとソクラテス、ベンヤミンやヴァージニア・ウルフらとともに、 迷うことの意味と恵みを探る傑作。 まったく迷わないのは生きているとはいえないし、迷い方を知らないでいるといつか身を滅ぼす。 目次 第1章 開け放たれた扉 Open Door 第2章 隔たりの青 The Blue of Distance 第3章 ヒナギクの鎖 Daisy Chains 第4章 隔たりの青 The Blue of Distance 第5章 手放すこと Abandon 第6章 隔たりの青 The Blue of Distance 第7章 二つの鏃 Two Arrowheads 第8章 隔たりの青 The Blue of Distance 第9章 平屋の家 One-Story House レベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit) 1961年生まれ。作家、歴史家、アクティヴィスト。カリフォルニアに育ち、環境問題・人権・反戦などの政治運動に参加。1988年より文筆活動を開始する。歩くことがいかに人間の思考と文化に深く根ざしているか広大な人類史を渉猟する『ウォークス 歩くことの精神史』(Wanderlust, 2000)、エドワード・マイブリッジ伝River of Shadows(2004、全米批評家協会賞)、ハリケーン・カトリーナを取材したA Paradise Built in Hell(2009、邦訳『災害ユートピア』)、#MeToo運動のうねりの予兆となった話題作『説教したがる男たち』など、環境、土地、芸術、アメリカ史など多分野に二十を越す著作がある。美術展カタログや雑誌への寄稿も多数。 東辻賢治郎(とうつじ・けんじろう) 1978年生まれ。翻訳家、建築・都市史研究。関心領域は西欧初期近代の技術史と建築史、および地図。翻訳書にソルニット『ウォークス 歩くことの精神史』がある。
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天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック
¥2,420
SOLD OUT
発行 左右社 編著:佐藤文香 装幀:松田行正+杉本聖士 定価:本体2200円+税 四六判/並製/224ページ 2017年9月20日 第一刷発行 ISBN978-4-86528-180-4 1968年以降に生まれた、いま最もイケてる作家による現代俳句アンソロジー! 自身も気鋭の若手俳人である佐藤文香が撰者となり、【おもしろい】【かっこいい】【かわいい】の章ごとに18人ずつ計54人の作品から選句。頼れる俳句の先輩・上田信治、小川軽舟、山田耕司と対談した「読み解き実況」も掲載しています。 季語があって5・7・5なのに、なんでこんなに自由なの? 季語がなくて5・7・5じゃないのに、こんなになんで俳句なの? すごい、これが今の俳句か! 若々しく伸びやかで、花鳥諷詠にとどまらない題材のバリエーションをもち、切なかったり笑えたり、俳句に詳しくない人でも楽しめる新しい俳句を、結社の枠をこえて集めてみました。 初めて俳句に触れる人も、すでに俳句に親しんでいる人も、ぜひ、本書のなかから好きな作品を探してみてください。 俳句の世界へようこそ。俳句は俳句をやってる人にしかわからない、そうでしょうか。そのジャンルについて全然知らなくても、本当に面白いものに出会えば、興奮しませんか。願わくはこの本で、今のあなたにとって最高の一句に出会ってほしい。(「まえがき」より) (掲載作家) 【おもしろい】 福田若之/生駒大祐/北大路翼/阪西敦子/鴇田智哉/高山れおな/小津夜景/相沢文子/宮本佳世乃/小川春休/西山ゆりこ/トオイダイスケ/小川楓子/野口る理/中山奈々/村越敦/黒岩徳将/宮﨑莉々香 【かっこいい】 堀下翔/藤田哲史/藤井あかり/髙柳克弘/村上鞆彦/榮猿丸/五島高資/九堂夜想/田中亜美/中村安伸/曾根毅/堀本裕樹/岡田一実/十亀わら/鎌田俊/矢口晃/三村凌霄/大塚凱 【かわいい】 小野あらた/外山一機/西村麒麟/田島健一/関悦史/津川絵理子/日隈恵里/長嶋有/矢野玲奈/髙勢祥子/津久井健之/澤田和弥/南十二国/佐藤智子/神野紗希/越智友亮/今泉礼奈/山岸冬草
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ここは東京 片岡義男写真集
¥2,750
発行 左右社 定価:本体2500円+税 A5判変形上製/144ページ 2010年12月30日 第一刷発行 ISBN978-4-903500-47-8 C0072 愛する東京、私の故郷。 好きな景色を写真機で拾い歩けば、 それも東京、これも東京。 132点の絶景を1冊にまとめて、『ここは東京』 小説家・片岡義男にとって、写真を撮ることとは。 内なる思考の動きを語った「あとがき」収録。 ● 片岡義男 関連書籍 https://honnosiori.buyshop.jp/search?q=片岡義男
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春の花火師|マツザワシュンジ
¥2,200
SOLD OUT
四六判/上製本/カバー装/本文184頁 2,000円(本体価格・税別) 2021年5月刊 ISBN978-4-89629-391-3 C0092 29歳で大阪にやって来て、おおよそ10年が過ぎた。この間に詠んだ歌270首をおさめた、歌人のはじめての歌集。さわやかで、あたたかで、さびしげなこの歌集は、私たちの心をゆっくりと潤してくれる。 カバー装画は平岡瞳氏「小雨」 ■本歌集より 積まれたる火薬の箱にうっとりと頬杖をつき春の花火師 やわらかな雨の染みいる土のなか温まりゆく蛇の化石も 名も知らぬ木に寄り知らぬ鳥が鳴く夏の林の声みな光 段ボールつぶしつづけて見えてきた窓に月、大阪の、はじめての 沖に降る雪 このままでいるようにこれまでこのようにいたように ■著者 マツザワシュンジ 1980年、群馬県高崎市生まれ。歌誌「pool」に所属。 著書に『「よむ」ことの近代』『プロレタリア短歌』など。
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言葉たちに 戦後詩私史|平林敏彦
¥2,420
SOLD OUT
四六判/上製本/カバー装/本文216頁 2,200円(本体価格・税別) 2021年6月刊 ISBN978-4-89629-392-0 C0095 平林敏彦は1924年生まれ、「荒地」派詩人たちとほぼ同世代の詩人である。戦中より詩誌への投稿をおこない、戦渦を生き延びた若き詩人たちの活躍を渦中で目撃した。本書は、詩とともに歩んだ生涯の回想や見送った亡き詩人たちへの思いを綴ったエッセイ、新作の詩などで構成し、約80年間にわたる詩精神の命脈を伝える。 平林が復員後すぐに創刊した詩誌「新詩派」に掲載された、「荒地」創刊前の田村隆一が同胞の三好豊一郎への呼びかけとして書いた貴重な詩論(全集等未収録)も再録。 ■目次 『新詩派』創刊号(一九四六年)より 青春の門/燃ゆる衣裳 記憶 Memorandum/わかものたちは雨のなか memorandum 1967-1988/居住地転々 詩人群像 「蒼ざめたvieの犬を見てしまった」君へ 田村隆一から三好豊一郎への書信(一九四六年)/六十年前の詩誌「今日」に参加した哲学者鶴見俊輔の手紙/信州発 中村真一郎さんの書翰/飯島耕一のこと/なぜ詩を書かないのか 長田弘「秋の理由」一九六七年──/辻井喬との出会い/逢いたくて/いつか何処かで/河合幸男詩集『空幻の花』の奇蹟 幻の悲歌を書いた少年とその時代/Y校の詩人たち/モダニズム詩人、長田恒雄との再会/夏の終わりに 詩人たちのメッセージ 詩 夢の中でも/小さな旗のごときもの/草の舟/幽界の夏/鯰 catfish/荒れはてた冬の庭で/その場所へ/何処へ/言葉たちに 平林敏彦自筆年譜 ■著者 平林敏彦(ひらばやし・としひこ) 詩人。1924年横浜市生まれ。戦中に詩作を始め、「若草」「文芸汎論」「四季」などに発表。戦後、復員後間もない1946年3月に同人誌「新詩派」を創刊、田村隆一らに原稿を依頼する。「新詩派」終刊後「詩行動」「今日」を創刊、1956年に創刊された詩誌『ユリイカ』の編集に携わるなど、多くの戦後詩人たちと交流をもつ。1951年には、書肆ユリイカより第一詩集『廃墟』を出版した。50年代後期より約30年間の沈黙を経て、1988年に第三詩集『水辺の光 一九八七年冬』を出版、以後の詩集に『磔刑の夏』(1993年、第5回富田砕花賞)、『舟歌』(2005年、第23回現代詩人賞)、『ツィゴイネルワイゼンの水邊』(2014年、小野十三郎賞)など。戦前から戦後にかけての詩人たちの動向を記録した『戦中戦後 詩的時代の証言 1935-1955』(2009年)にて第12回桑原武夫学芸賞受賞。現在、日本現代詩人会名誉会員。
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はつなつみずうみ分光器 after 2000 現代短歌クロニクル|瀬戸夏子
¥2,420
SOLD OUT
発行 左右社 装幀:松田行正+杉本聖士 定価:本体2200円+税 四六判並製/258ページ 2021年5月25日 初版第一刷刊行 978-4-86528-032-6 穂村弘、枡野浩一、東直子らが次々に歌集を刊行し、現代短歌の21世紀は幕を開けた──。 ネットや同人誌の隆盛を背景に、多彩な才能が活躍し、熱くきらめきつづけた20年間。 評論や小説でも注目される歌人・瀬戸夏子が選んだ、時代を刻んだ55の読むべき歌集でたどる最先端短歌ガイドにして、待望の現代短歌クロニクル。 2000年以降に刊行された重要な歌集の意味・面白さ・読みどころを紹介、加えて代表歌10首を選び出しました。また「ニューウェーブ」「ポストニューウェーブ」など、今日の現代短歌史のキーワードをコラムで論じます。 穂村弘以降、必読の若手現代歌人を徹底紹介したベストセラー・アンソロジー『桜前線開架宣言 Born after 1970現代短歌日本代表』の姉妹編となるマスト・バイ・アンソロジーがついに登場!
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肝腎
¥1,650
SOLD OUT
発行 FOLK old book store デザイン タナカタツヤ 題字・イラスト 最後の手段 写真 大岡由和 印刷 株式会社国際印刷出版研究所 助成 おおさか創造千島財団 B6(角丸)/208ページ+漫画10ページ(蛇腹)/手帳製本 《はじめに》 肝臓や腎臓を失ったときに、代わりに血肉になってくれるものは何かと考えていたことがありました。 自分の場合は、読んできた本や読書体験そのものがきっとそれにあたると思って、みんなはどうやろうと聞いてみたくなって、2019年夏から2021年春にかけてその時々で声をかけたいと思った方100人に「自身の血肉になっている“肝腎”な本はありますか?」と聞いてきました。 支えになっている本や心を動かした本、創作の一助になっている本、ただひたすら忘れられない本、自分に戻っていける本など 広く自由に一人2冊、計200の紹介文をいただき、それをまとめてこの本が出来上がりました。 2020年春からは新型コロナウイルスが猛威を振るい、選ばれる本や紹介文にも一部影響があったかと思います。 コロナ禍によりほぼ全ての人が感染の心配や経済的なことで、会えない人がいることで、様々な事情で程度の違いはあってもきっと疲弊し不安定になっていることと思います。この『肝腎』という本が、 新たな出会いと自身の“肝腎”を思い出す一冊になれたら嬉しいです。 2021年5月 FOLK old book store 吉村祥 《目次》 橋本亮二 出版レーベル「十七時退勤社」社長 七尾旅人 シンガーソングライター 谷端実 イラストレーター コニシユウヘイ 某まんがプロダクション映像担当 大場ともよ シンガーソングライター 北島敬明 パハプス オーナー 丸山晶崇 デザイナー・デザインディレクター 谷口智康 谷口カレー店主 最後の手段 クリエイターチーム 吉村祥 書店店主 筒井大介 絵本編集者 濱崎宏之 教員 あおむろひろゆき 漫画家・イラストレーター・会社員 山下賢二 ホホホ座座長 橋本博人 出版関連勤務 ミヤザキ イラストレーター・アーティスト スケラッコ 漫画家 吉川祥一郎 blackbird books 店主 朝野ペコ イラストレーター 大井秀人 NEW PURE +店主 ユッカ・バッファロー イラストレーター よしだみさこ イラストレーター 金武啓子 福祉施設職員 權田直博 絵描き 大津萌乃 イラストレーター 鈴木裕之 野良ストレーター 原田晃行 Hi,how are you? 松村貴樹 編集者 川口まり絵 壬生モクレン店主 田窪直樹 ギャラリーディレクター 東南西北 kiken 洋服のお直し kiken 発・出版レーベル 尾柳佳枝 絵描き 山口良太 アートディレクター・グラフィックデザイナー オオルタイチ 音楽家 黒田明宏 ちのり文庫店主 木村耕太郎 イラストレーター 奥村千織 書店店主 山田翔 漫画編集者 宮崎千絵 絵本作家・イラストレーター 福田千尋 絵本作家・イラストレーター 杉本喜則 HOPKEN・POL 和久田善彦 編集者 阪口大介 (株)サカグチワークス代表 鳥居貴彦 開風社 待賢ブックセンター 露草社 兼業主婦 谷川徹 アートディレクター・グラフィックデザイナー 阿野まゆ子 北海道民芸店 北浦麻美 グラフィックデザイナー・dieci staff 北浦和也 彫刻家・イラストレーター 米田雅明 ON THE BOOKS 川崎誠二 カレー屋 大塚結良 雑誌『広告』編集部 山本佳奈子 ライター・Offshore マタレーゼ・エリック 執筆者 瀧亮子 出版業 いとうひでみ イラストレーター・漫画家 高橋和也 SUNNY BOY BOOKS 主宰 鷹取愛 企画業 たけしげみゆき インディーズ出版物のお店「シカク」代表 小野友資 クリエイティブディレクター 松永良平 ライター・編集者 きくちゆみこ 文筆業 成重松樹 写真作家・koko Mänty(kissa)主宰 寺田燿児 音楽・漫画 はまぐちさくらこ 画家・絵本作家 コタニカオリ サロンモザイク店主 岩田雅希 リノベーションの設計担当 小指 マンガ家・随筆家 三上洸 カレー屋 いか文庫 店主 粕川ゆき エア本屋店主 森本恵 花森書林店主 森雄大 ミュージシャン タダユキヒロ イラストレーター・コミック作家 福西悟一 ミュージシャン 竹内厚 編集者・ライター 高山燦基 デザイナー 竹林はるか 食堂のおばちゃん 小前司 Barnshelf(バーンシェルフ)店主 少年アヤ エッセイスト てんしんくん イラストレーター・ミュージシャン millitsuka イラストレーター マメイケダ 画家・イラストレーター BIOMAN ミュージシャン・グラフィックデザイナー なかむらあきこ マヤルカ古書店店主 南田真吾 イラストレーター・ペインター・会社員 unpis イラストレーター 内田ユッキ artgallery opaltimes店主・ペインター hitoto ギャラリー・スペース 村上豪 古本屋店主 カワグチタクヤ イラストレーター カヤヒロヤ デザイナー・イラストレーター 石井嗣也 イラストレーター ピンポン食堂 やさしいおやつ屋 みなはむ 絵描き・イラストレーター 堀部篤史 誠光社店主 大橋裕之 漫画家 小林ラン イラストレーター 禺吾朗 イラストレーター 石川直樹 写真家 カシワイ 漫画家・イラストレーター 漫画「カンジンくん」最後の手段
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ちゃぶ台7
¥1,870
特集:ふれる、もれる、すくわれる ミシマ社(編) 1,700円+税 判型:四六判変形 頁数:188ページ 装丁:漆原悠一(tento) 発刊:2021年5月28日 ISBN:978-4-909394-52-1 C0030 今回の特集は「ふれる、もれる、すくわれる」です。 前号よりリニューアルした雑誌『ちゃぶ台』。 「生活者のための総合雑誌」として、今号も「おもしろい」が詰まっています! *7号特集「ふれる、もれる、すくわれる」に寄せて 本号を構想しはじめた当時、「お金を分解する」を特集テーマに掲げた。ものづくりを生業とする以上、お金の壁に直面しない日はないと言っていいだろう。最高のものをつくりたい。そのためには当然コストがかかる。理想をすべて実現していけば、価格に反映せざるをえない。つまり高くなる。すると、届かない(売れない)可能性が高まる。逆に、安さを優先すれば何かを落とさざるをえない。ものづくりは、最高と最適の均衡点を見つける葛藤の連続。たしかにそうだが、そもそも、「最適」価格は固定されたものなのか? とすれば、どうしても条件が不利な後発組は苦しいまま。定価の抑制は、自分たちの利益を削る形でしか成り立たなくなる。一方、生活者としては限られたなかでやりくりするほかない。視線を外に向ければ、コロナ禍で身体をはって働いておられるエッセンシャルワーカーの方々へのあまりに低い待遇……。な、なんだ、この不均衡? 一度、お金そのものを分解しないことには「現代の均衡」へと進めないのではないか。 そして、お金を分解し、生活者としての息苦しさから解放されるためにも、まずは「ふれる・もれる」社会の再構築が欠かせない、そう思うに至った。コロナ下、他者との「ふれる」は禁じられ、ルールから「もれる」ことは許されず、「すくい」のない世になりつつある。政治に目を向けようものなら、絶望ばかり。コロナ以前とは違う「ふれる」「もれる」をつくり直すこと。その先に初めて「救われる」が待っているのではないか。そんな思いとともに本号を企画しました。 今、集まってきた原稿をじっくりと読み、眺め、そうした救いの可能性を見事に「掬って」くれたと感じています。ふれる、もれる、そしてときには、闇に心が「巣くわれる」。その巣くいにまたふれ、そこから何かがもれ、もれたものを掬い、救われる。本号がそうした循環を生むものであることを願ってやみません。 本誌編集長 三島邦弘 *ちゃぶ台とは? 何を載せてもいい。誰と食べてもいい。食卓にもなれば、談話の場にもなる。それを囲むだけで、ふしぎと緩やかなつながりが生まれる。ときには囲む必要さえない。ただそこにあるだけで、場が和んだり、無用な対立を解消する。 ちゃぶ台という物体が、期せずして、そんなさまざまな機能をあわせもつように、本誌もまた、年齢、性別、属性といった記号を越えて、あらゆる世代のあらゆる生活者に届く雑誌でありたいです。 「自分たちの生活 自分たちの時代を 自分たちの手でつくる」。創刊以来、その手がかかりを、「移住」「会社」「地元」「発酵」「アナキズム」などさまざまな切り口から探ってきました。前号より、「生活者のための総合雑誌」をあらためて掲げ、デザインもリニューアルしました。日々の生活のちょっとした支えに、楽しみに、そして柔らかな強さに――。そうした思いをこめて、半年に一度、発刊する雑誌です。 ちゃぶ台編集部 *目次(一部) ・藤原辰史・伊藤亜紗(対談)「ふれる、もれる」社会をどうつくる? ・タルマーリー(インタビュー)「お金を分解する」 ・中村明珍・宮田正樹(対談)「喜びは収穫だけじゃない」 ・土井善晴(随筆)「料理しないという提案」 ・尾崎世界観(小説)「びいと」 ・津村記久子(エッセイ)「『やらない』の立場と役割」 ・村上慧(インタビュー)「他人の生活は、つまり自分の生活であって、」 ・松村圭一郎(連載)「市場から自由と平等を考える(はじめてのアナキズム3)」 *執筆者(順不同) 後藤美月(絵と言葉)、津村記久子(エッセイ)、伊藤亜紗×藤原辰史(対談)、尾崎世界観(小説)、タルマーリー 渡邉格・麻里子(インタビュー)、寄藤文平(絵と言葉)、土井善晴(随筆)、内田健太郎(聞き書き)、益田ミリ・平澤一平(漫画)、村上慧(インタビュー)、齋藤陽道(フォトエッセイ)、中村明珍×宮田正樹(対談)、榎本俊二(漫画)、松村圭一郎(論考)、前田エマ(エッセイ)、藤原辰史(エッセイ)、伊藤亜紗(エッセイ)、益田ミリ(エッセイ)、光用千春(漫画)…ほか、ミシマ社営業チームによる「面白い本屋さん紹介(スロウな本屋、本屋と活版印刷所、REWIND)」、ミシマ社仕掛け屋チームによる「一筆せん制作レポート」など盛りだくさん!
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生きていること 動く、知る、記述する|ティム・インゴルド
¥4,950
発行 左右社 訳者:柴田崇・野中哲士・佐古仁志・原島大輔・青山慶・柳澤田実 装幀:松田行正+杉本聖士 定価:本体4500円+税 四六判上製/604ページ 2021年11月10日 第一刷発行 978-4-86528-037-1 C0039 《人類が生きることを取り戻すために》 ひとが生きるということ、 それはこの世界の終わりなき流動のなかに身を置き、 世界を変えながら自らも変わり続けてゆくことだ。 芸術・哲学・建築などのジャンルと人類学の交わるところに、 未知の学問領域を切り拓いてきたインゴルド。 その探究を凝縮する主著、待望の邦訳! 【大澤真幸、磯野真穂、佐藤卓推薦】 生きることと知ることは完全にひとつになる。 この本を読めばそれがわかる。──大澤真幸(社会学者) あなたの生に出逢うため、世界という命に己を浸せ。 そして「共に」運動せよ。──磯野真穂(文化人類学者) この本で人類学は、これからのデザインの視座になった。──佐藤卓(デザイナー) 私の探究を人類学ではなく、 芸術や哲学、建築といったジャンルなのではないかという人もいる。 だが私は人類学者である。 なぜならあらゆる注意を払い、 動くこと、知ること、記すことを通じて世界に向かって生きながら、 生きていることそのものを探求するのが人類学者だから──。 地面とはいかなる場か、 線を引くとはどういうことか、 板を挽くとき職人たちは何をしているのか、 大地・天空と応答すること、 散歩することと物語ること、 観察するとはどういうことか。 さまざまな問いから、人類学や哲学が取り逃してきた〈生きること〉の姿をみつけ、 〈生を肯定する人類学〉の可能性と価値を擁護する。 インゴルドの豊穣なるアイデアのすべてを込めた「Being Alive」、いよいよ刊行! 目次 序文、および謝辞 プロローグ1 生に還る人類学 第一部 地面を切り拓く 2 素材対物質 3 地面の文化 足を通して知覚される世界 4 板を歩く 技術に熟練する過程を考える 第二部 メッシュワーク 5 動くものを再考すること、思考を再び動かすこと 6 点・線・対位法 環境から流動空間へ 7 アントがスパイダーと会うとき 節足動物のための社会理論 第三部 大地と天空 8 大地のかたち 9 大地、天空、風、そして気象 10 ランドスケープか気象世界か 11 サウンドスケープ概念に対する四つの反論 第四部 物語られた世界 12 空間に逆らって 場所、動き、知識 13 分類に逆らう物語 輸送・散歩・知識の統合 14 物語ることとしての名づけ アラスカのコユコン族が動物について話すこと 第五部 線描すること、つくること、書くこと 15 Aという文字の七つのヴァリエーション 16 精神の歩き方 読むこと、書くこと、描くこと 17 つくることのテクスティリティ 18 線を束ねる 行なうこと、観察すること、記述すること エピローグ19 人類学はエスノグラフィーではない 解題|生きている世界へのまなざし(野中哲士) 謝辞 索引/文献一覧
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ピエール・モリニエの世界|ピエール・モリニエ
¥3,200
SOLD OUT
生田耕作 編 発行 奢霸都館 刊行年 1989年 21cm 新品同様
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この世界を見よ|T. J. コブデン=サンダスン
¥2,500
生田耕作訳 発行 奢灞都館 1991年 63p、21cm 新品同様
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フランスの愛書家たち
¥3,000
生田耕作 編著 発行 奢霸都館 刊行年 1993.11 115p、21cm 新品同様
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ポムレー路地|マンディアルグ
¥2,500
SOLD OUT
生田耕作 訳 発行 サバト館 昭63 56p 22cm 天シミ少
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書物の余白|A・W・ポラード
¥2,500
生田耕作訳 発行 奢霸都館/サバト館 1993 新品同様
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生贄|ジョルジュ・バタイユ
¥2,860
挿絵 アンドレ・マッソン 訳 生田耕作 発行 奢霸都館 刊行年 1999年12月 47p 25cm 新品同様
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愛書家鑑|O.ユザンヌ
¥3,300
挿絵:A.ロビダ 訳:生田耕作 発行 奢霸都館 1991年初版 16.5×24.5 P46 新品同様 O・ユザンヌは古書愛好趣味の擁護推進者として知られる世紀末仏蘭西の好事家文学者。その〈愛書家のための物語〉は、書痴族の浮世離れしたまさに打ってつけの読物。
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class X|いとうひでみ
¥1,760
装幀:佐々木暁 定価:本体1,600円+税 A5判変型並製/200ページ 2020年3月15日 第一刷発行 978-4-86528-264-1 大注目のイラストレーター・いとうひでみの面白さを100%濃縮。 ガールズ・ミーツ・超能力。規格外のデビュー作が誕生 PARCOイベントのキービジュアル、雑誌や書籍、CDジャケットのアートワークなど、幅広く活躍するイラストレーターいとうひでみ。以前より独自のテーマとし取り組んできた「超能力」と「少女」の世界を描き下ろしで漫画化した一冊。シュールでロマンチックな表現と加速する展開に目が離せない。 スプーン曲げ、空中浮遊、念力スカートめくり…… 少女しか存在しない学校で彼女たちは超能力を学ぶ。 ある日、黒髪の転校生がやってきて彼女たちの日常は微かに軋みはじめる。 転校生はいったい誰なのか? ここは一体どこなのか?
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アート&デザイン表現史 1800s-2000s|松田行正
¥4,950
発行 左右社 装幀:松田行正 定価:本体4,500円+税 A5判並製/440ページ 2022年2月25日 第一刷発行 978-4-86528-058-6 C0070 革命的表現手法100! 「モダン」が誕生した19世紀から現在まで約200年のアートとデザインの動向を、表現法を軸に読み解く決定版。図版600点以上掲載、オールカラー440ページ! グラフィック・デザイン、絵画、写真、建築、映画、音楽etc. 1807年〜2019年までに生まれた革新的な表現法。 その中心となる作品と、そこから派生、影響を受けた作品や似た作品をビジュアルとともに解説する。アートとデザインの歴史が概観できる「デザインの歴史探偵」松田行正による渾身の一冊! 本書では、「モダン」が誕生した19世紀から現在までのポスト・モダンを含む約200年のアートとデザインの動向を、表現法を軸に年代順に展開している。 全部で100テーマあるので、この200年のアートとデザインの表現法の歴史は概観できるだろう。アートにもデザインにも、決定的な「表現」というものはない。人が変われば表現も変わる。百人百様である。表現技術を前面にだしたものから、発想だけで乗り切ったものもある。その多様性にアート、デザインのおもしろさがある。 (「introduction」より)
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ケアとアートの教室
¥1,980
発行 左右社 編著者:東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト 著者:飯田大輔、石田祐貴、浦崎寛泰、奥田知志、金野千恵、久保田翠、坂上香、坂口恭平、菅原直樹、西尾美也、日比野克彦、松岡宗嗣、六車由実 装幀:鈴木千佳子 定価:本体1800円+税 四六判並製/256ページ 2022年2月4日 第一刷発行 978-4-86528-066-1 C0036 藝大で福祉? 東京藝術大学学生と社会人がともに学んだ「アート×福祉」プロジェクトの記録 アートという光を当てると、見えないものが見えてくる 「死にたい人の相談にのる」という芸術活動 老人の方とつくる演劇で認知症を疑似体験 お葬式まで出すホームレス支援 セックスワーカーの法律相談 西成のおばちゃんと立ち上げるファッションブランド トリーチャーの当事者と考える「普通」とは何か 介護、障害、貧困、LGBTQ+、そしてアート。様々な分野で活躍する人々と、東京藝術大学 Diversity on the Arts プロジェクト(通称DOOR)の受講生がともに学び、考える。 そこから見えてきたのは、福祉と芸術が「人間とは何かを問う」という点でつながっているということ。 ケアとアートの境界を行く17項! ❖目次❖ はじめに 伊藤達矢 なぜ「アート× 福祉」? アートの特性が社会を変える 日比野克彦 ❖講義編❖ 「助けて」といえる社会へ ホームレス支援と「子ども・家族marugotoプロジェクト」 奥田知志 「風テラス」という試み セックスワーカーの法律相談 浦﨑寛泰 ダイバーシティと「表現未満、」 重度知的障害者と家族の自立 久保田翠 鬱から始まるアート 躁鬱研究家と「いのっちの電話」 坂口恭平 誰もが誰かのALLYになれる 多様な性のあり方とフェアな社会 松岡宗嗣 「アートなるもの」がアートを超える 服から始まるコミュニケーション 西尾美也 つながりがつくる希望 介護民俗学と「すまいるかるた」 六車由実 老いと演劇 認知症のひとと楽しむ「いまここ」 菅原直樹 罪を犯したひとたちとどう生きる? ドキュメンタリー制作から考える修復的司法 坂上香 ❖実践編❖ 福祉と建築が向き合う、答えなきもの 金野千恵×飯田大輔 普通って何だろう? 「見た目問題」を超えて 石田祐貴 日常というギフト 地域の「信頼」というセキュリティ ミノワホーム 誰かのミカタ地図 孤立したひとの居場所をつくる 香取CCC 他者について想像する力、変わろうとする力 田中一平 〈DOOR受講生鼎談〉 アートとは、福祉とは、多様性とは?
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凸面鏡の自画像|ジョン・アシュベリー
¥2,640
SOLD OUT
発行 左右社 訳者:飯野友幸 装幀:三木俊一(文京図案室) 装画:Parmigianino, Self-Portrait in a Convex Mirror(1524年頃) 定価:本体2400円+税 四六判上製/112ページ 2021年11月30日 第一刷発行 978-4-86528-052-4 C0098 全米図書賞・全米批評家協会賞・ピュリッツァー賞受賞。ポール・オースターが偏愛する詩人による長編詩、30年ぶりの全面新訳。 ある日、プロヴィンスタウンをぶらついていて書店を通りかかった際、ショーウィンドウにパルミジャニーノの安っぽい画集があるのを見た。自画像がそのカバーだった。わたしは画集を買い、スタジオに持ち帰り、ゆっくり詩を書きはじめた── (Self-Portrait in a Conve Mirror エアリオン・プレス版 序文より) ニュー・ヨーク派の前衛詩人ジョン・アシュベリーによる552行の長編詩、『凸面鏡の自画像』。 マニエリスム画家パルミジャニーノの自画像にインスピレーションを受け、詩人の思考は軽やかにつらなっていく。 ポール・オースターの愛する詩人の代表作を、詩人本人による「元ネタ」解説と、訳者による詳細な解題とともに刊行。 フランチェスコ、お前の手は大きいので この球体だって壊せるし、むしろ人が思うには 大きすぎて、細かい網の目、幽閉されていろと 言わんばかりの網の目など織ることもできない。 (大きいといっても目が粗いわけではなく、尺度が 違うだけのこと、ちょうど海底で寝こける鯨と、海の 表層に浮かぶ小さいのに大きいつもりの船との関係のように)。 (本文より) プロフィール ジョン・アシュベリー アメリカの詩人。1927年ニュー・ヨーク州ロチェスター生まれ。ハーヴァード大学卒業後、コロンビア大学で修士号を取得。第一詩集『木々』(1956)でデビュー。『凸面鏡の自画像』(1956)で全米図書賞、全米批評家協会賞、ピュリッツァー賞を受賞。ニュー・ヨーク派と呼ばれ、多くの詩集にくわえ、美術評論やフランス詩の翻訳も発表。2017年、90歳で歿。 飯野友幸 米文学者。上智大学文学部英文学科教授。著書に『ジョン・アッシュベリー──「可能性への賛歌」の詩』(研究社、2005)、『フランク・オハラ──冷戦初期の詩人の芸術』(水声社、2019)、訳書に『俺にはアメリカの歌声が聴こえる──草の葉(抄)』(光文社、2007)、『ブルース・ピープル──白いアメリカ、黒い音楽』(平凡社、2011)ほか。
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雑居雑感 2号
¥1,000
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特集 製パン所と鉱泉所 文 田中謙太郎 表紙 多田朱里 企画編集 弐拾dB デザイン 紙作室そえがき 2022年3月 1000円 白黒P43 街の歴史の隅で生きた、 生きる人々の声に耳をかたむけ、 記し残すため 「雑居雑感」を創刊いたします。 2号では尾道、向島にある「住田製パン所」と「後藤鉱泉所」という二つの場所について取り上げました。それぞれの在り方を見つめ、場所を持続させてゆくことについて考えます。 (出版社商品ページより)
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心がめあて|鈴木晴香
¥1,980
発行 左右社 装画:寺本愛 装幀:北野亜弓(calamar) 定価:本体1800円+税 四六判並製/168ページ 2021年7月30日 第一刷発行 978-4-86528-038-8 C0092 掴めないはずの感覚を捉えた瞬間の心地良さ。 それが集積して立ち上がる日常をとても愛おしく感じました。―又吉直樹 第一歌集『夜にあやまってくれ』で鮮烈なデビューを果たした著者、待望の第二歌集。 わたしとあなた。心と躰。 繋がっては離れ、私たちは、世界をひらく鍵を探しつづけている。 2016年以降に詠まれた短歌のうち、『短歌ください』掲載作を含む297首を収録。 思い出は増えるというより重なってどのドアもどの鍵でも開く 生体認証。指紋や眼球や顔が暗号になるように、歌を作ることで入れる世界がある。歌を詠み、歌に詠まれた心身は、そこでは鍵の役目を果たしてきた。自らの欠片を差し出すことで、ドアをこじ開けてきたのだ。でも、少し醒めた時には、こんな風にも考えてしまう。はたして、世界は世界の方で、そんなわたしの押し付けがましい断片を望んでいるのだろうか、と。 心許なく、世界に問いかける。わたしのなにがめあてですか? この歌集におさめた歌は、そんな世界との相聞の苦闘の跡だ。 ──「あとがき」より 〈収録短歌より〉 白ければ雪、透明なら雨と呼ぶ わからなければそれは涙だ 君は手の銀貨を天然水に変えその水はすぐ人間になる 文字のない世界に降っていた雪よこれからつく嘘にフォントあれ またここにふたりで来ようと言うときのここというのは、時間のこと ライターのどこかに炎は隠されて君は何回でも見つけ出す
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未来のアートと倫理のために
¥1,980
発行 左右社 編著:山田創平 装幀:納谷衣美 定価:本体1800円+税 四六判変型並製/260ページ 2021年3月1日 第一刷発行 978-4-86528-014-2 C0070 「アートにおける倫理」をテーマにした必携の入門書 アート界のジェンダー不平等 見えなくされる芸術労働者 マイノリティと表現の自由 美術館のアイデンティティ 公平性とアートマネジメント 制作と合意 芸術実践における倫理のあり方と公平な社会の可能性を、アーティスト、アートマネージャー、キュレーター、ソーシャルワーカー、ドラァグクイーン、社会学者、弁護士らが共に探った、これからのアートを考える人に必携の一冊。 人類が成すすべての表現は、権力構造や差別、社会的排除と無関係ではありえず、その意味で純粋無垢ではありえない。そしてこのことはすべての表現には差別や抑圧の「種」のようなもの、やがて誰かを傷つけ、排除するかもしれない何らかの可能性が含まれていることを意味する。だが同時にこれは逆の意味も持っている。すべての表現が政治的であるということは、それがどのような表現であったとしても、それが一見政治的な表現には見えなかったとしても、社会にすでにある差別や抑圧、社会的排除をずらし、破壊する可能性もまた含んでいることを意味するだろう。重要なのは、社会を良くも悪くもするその表現という「可能体」が、その力動が、現在どのような状況にあり、どこに向かっているのかを多面的に見定めることである。この見定めには終わりが無い。なぜなら社会は変化するからである。今後、芸術の文脈において重要になるのは、自らがいまどこにいて、どこへ向かおうとしているのかを、粘り強く思考し、対話を繰り返す力である ーーーーーー山田創平「はじめに」より ❖ 目次 はじめに Ⅰ 実践 編 今井朋×樅山智子×あかたちかこ「誰と、どうやって、手を結ぶ? アウトリーチ再考」 小泉明郎×山田創平「他者から生まれる倫理」 内山幸子「水平を共に目指して メキシコと五領を往来して考えたこと」 吉澤弥生「芸術労働者の権利と連帯」 竹田恵子「日本の美術界のジェンダー構造と新たな取り組み」 飯田和敏×鷹野隆大×あかたちかこ「欲望を揺らがせる 身体・ゲーム・セクシュアリティ」 緒方江美 | アフリーダ・オー・ブラート「明日、突然当事者になっても、〈わたしたち〉は死なない ドラァグクイーンとアートマネジメントの実践現場から」 ウー・マーリー(訳=岩切澪)「キュラトリアル・アクティヴィズム 台湾の探究と実践」 Ⅱ 理論 編 住友文彦「美術館は多様性を反映できるのか」 猿ヶ澤かなえ「フランスを例に考える表現の自由とマイノリティ」 三輪晃義「芸術労働者は法律によって守られるか」 山田創平「芸術が、私と世界を架橋する」 遠藤水城+百瀬文(画=鬣恒太郎 撮影=堀井ヒロツグ)「小説 Dedication」 執筆者プロフィール あとがき 謝辞
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芸術による教育|ハーバート・リード
¥5,720
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発行 フィルムアート社 宮脇理、岩崎清、直江俊雄=訳 発売日:2001年10月25日 A5判・並製|424頁|定価:5200円+税|ISBN 978-4-8459-0124-1 感性と知性を統合させる、教育改革の原典! 今なお色褪せない美術教育の 古典的名著、11年ぶりに待望の復刊 芸術と教育というテーマは、 近年なおざりにされてはいないだろうか? 芸術は教育がなければ楽しめない。 そして教育は芸術がなければ 豊かなものにはならない。 ──國分功一郎(哲学者) 教育の一般的な目的を、個々の人間に固有の特性の発達を促すと共に、引き出された個人的な特性を、所属する社会的集団と有機的な結合と調和させることであるとする。「芸術」を教育の基礎とすることを命題に、感性と知性を統合させる教育改革の原典から、生物学、心理学、生理学、社会学、哲学の諸分野を横断。21世紀の美的教育の役割を立証した、いままさに必要とされる世界の教育関係者が注目する改革への名著が、期待に応えて甦る。 ■1943年初版後、改訂第三版が底本 ■著者自身による詳細な註記と参考文献、 5つの章末に分けられた補遺を全面的に収録 ■山木朝彦氏(鳴門教育大学特命教授)による解説小冊子付き(※2021年加筆版を収録) 私はただ、芸術は苦痛以外の唯一の教師であるという事実に注意を促しているのである。 ──バーナード・ショー 今回の全面改訳出版では、1958年の第三版を底本としている。このことは著者自身による第三版への序にもあるように、リードは最初の出版からのちも、関連諸分野の新研究の成果を考慮した加筆を続け、本書を将来にわたって「持続する変革」のための、生きた古典とする意図を晩年に至るまで、持ち続けていたことをうかがい知ることができる。……「生きた古典としてである」。その意味で第三版は、リードが主題とする思想の、未完の果実というべき思想を、未来に手渡す最終形態を示すものといえようか。(略) これら本邦初訳の資料(五つの補遺、原注、参考文献)を含めて、芸術の原理による教育の根本的変革を求めたリードの思想を、より完全な形で日本の読者に伝えることに心を砕いたが、このことは本書が未来にわたる変革運動の原典として、この日本においても不滅の光を放ち続けることを願い、期待したいからである。 (「本書への接近──解題にかえて(宮脇理)」より) 目次 序文 第1章 教育の目的 1:命題/2:二つの仮説/3:予備的な定義/4:要約 第2章 芸術の定義 1:出発点/2:形/3:自然と芸術/4:色彩/5:主観的な側面/6:想像力の役割/7:芸術の世界における価値の位置づけ/8:要約 第3章 知覚と想像力 1:知覚の問題/2:美的な要素/3:イメージの本質/4:直観像/5:直観像と教育/6:思考に対するイメージの関連/7:精神の成長/8:論理的な偏見/9:ゲシュタルト心理学からの証拠/10:理論から実践へ――プラトン/11:理論から実践へ――ダルクローズ/12:ある反論に対する回答/13:より広い観点/補遺A:子どもにおける直観像 第4章 気質と表現 1:心理学的類型に関する研究/2:客観的態度と主観的態度/3:生理学的な根拠/4:直観像による類型/5:ユング心理学による類型 6:抽象と感情移入 7:視覚型と触覚型/8:美的鑑賞の諸類型/9:補償的諸要因/10 :美の表現における類型:(1)現代の芸術(2)過去の芸術/11:結論/補遺B:心的諸能力 第5章 子どもの芸術 1:自由な表現/2:遊びか芸術か/3:自発性とインスピレーション/4:自発的な表現に関するモンテッソーリの理論/5:子どもが絵を描き始めるとき、なにが起こるのか/6:子どもの描画の発達段階/7:「図式」/8:運動感覚による想像/9:イメージと記号/10:三つの仮説/11:弱視および盲目の子どもたちによる証拠/12:概念的な誤り/13:子どもの描画の観察による分類/14:分類の精選/15:子どもの描画の分類と、心的機能による類型との関係/16:知覚の類型との関係/17:年齢的要因/18:類型の判別への、初期の描画の利用/19:視覚以外の表現方式-①遊びの活動/20:視覚以外の表現方式-②言語による創作/21:視覚以外の表現方式-③音楽/22:表現の目的/補遺C:「美術教育と子どもの自然(本性)」イベネザー・クック 第6章 無意識的な統合の方式 1:無意識に関する一般的な理論/2:無意識のダイナミズム/3:超自我/4:個人的無意識と集合的無意識/5:子どもの心にある原初的イメージ/6:無意識的な統合の過程/7:これらの過程の社会的な関連/補遺D:心理物理同型説に関する覚え書き 第7章 教育の自然な方式 1:芸術教育の三つの側面/2:美的な基準/3:行政の態度/4:創造と構成/5:学校における美術教育に関する規定の現状/6:統合的方法/7:遊びから芸術へ/8:教育制度の構造/9:教科と学級/10:幼児学校 /11:小学校/12:中等教育/13:知能の本質/補遺E:大学における芸術の位置 第8章 規律と道徳の美的基盤 1:伝統的な観念(1)軍隊(2)道徳/2:道徳的規律の起源/3:強制から協力へ/4:相互関係の社会的意味/5:教育学的意義/6:結論 第9章 教師 1:マルチィン・ブーバーによる創造性の概念/2:ポンプとじょうご/3:選択としての教育/4:自由と結合/5:質問と答え/6:教師と生徒/7:本書の命題への適用/8:結論 第10章 環境 1:適切な世界/2:具体的な事例/3:優先順位の問題 第11章 必要な革命 本書への接近──解題にかえて(宮脇理) プロフィール [著]ハーバート・リード(Herbbert Read) 文学批評家、美術評論家。ヨークシャー州の農家に生まれた。青年時代、ブレイク、ブラウニング、リルケらの影響を受けた詩人であったが、第一次世界大戦に出征し、帰還後ビクトリア・アンド・アルバート美術館に勤務中、所蔵品の解説をしたことが動機で美術批評家としての活動を始める。彼の美学思想はフロイトの精神分析、とくにユングの無意識学説の影響を最もふかく受けている。美術評論家としての彼の活動の範囲は広く、主著は文学批評もふくめて殆ど邦訳がある。その主なものは造形美術に関しては『今日の絵画』(1953・新潮社)、『インダストリアル・デザイン──芸術と産業』(1957)、『モダン・アートの哲学』(1955)、『イコンとイデア』(1957)。文学批評に関するものでは『散文論』(1958, 1967)、『文学批評論』(1958)、『詩についての8章』(1956・以上みすず書房)などのほか『自伝』(法政大学出版局・1970)がある。